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神官は神に舞を捧げる  作者: 但馬ほずみ
ラウ神官編
68/77

2.2年目

 1年目は、神殿の行事をこなすことで、いっぱいいっぱいだった。自分には関係ないと眺めるだけだった行事を神官の一人として執り行う。

 カサネは、見合いの一つもこないことに、何の疑問も抱いていなかった。


 朝起きて、祈りを捧げてから朝食。その後、神殿の掃除を済ませると、参拝する人たちのお相手や、結婚式、洗礼式、法事などの打ち合わせと、神官の一日はなかなか忙しい。年末年始や、祭神のお祭りなんて時季はもう、大変なことになる。

 

 2年目に入り、仕事にも慣れてきた頃、近所のおばさんに「カサネちゃんにいいひと紹介するわね~」と言われて楽しみにしていたら、突如大神殿に出張に行くことになった。父じゃなくてなんで私が?と思いながら馬車に乗ると、途中からスオウと一緒になる。


「え゛、スオウも…!?」


「うん。トゥーリア様がらみだね、きっと」


 案の定、大神殿に着くと女王陛下に呼び出され、あっちこっちに振り回された。


「うぇぇ~、普通の神官になったと思ったのに~」


「カサネさ、自分がトゥーリア様のお気に入りだって気がついたら?」


「私は違うもん!それは、スオウだもん!!」


「あの…、二人共だと思うわ」


 カサネとスオウとササラが騒いでいたら、カルラとライトがやってきた。事情を説明して嘆いていたら、ライトに諦めろと肩をたたかれ、がっくりしたのは、まだ記憶に新しい。


 女王陛下に振り回されるのが、自分ひとりでなくスオウと一緒だと思えば、カサネも諦めがつくのだった。

 そう思えば、都滞在は知り合いに再会できて、楽しいものになる。久しぶりにクロスにも会えて、カサネはご機嫌でラウに帰ったのであった。

 ちなみに、近所のおばちゃんが紹介しようと思っていた人は、他の人に話がいってしまったので、ご縁がなかった。


 

 神官ルートのお見合いの話も、ぽつりぽつりと来るのだが、なかなか条件が合わなくて、いまだ、一回も実施にまで至っていない。どうも、見合い運が悪いようなので、これは、自力でがんばるかと思い始めた2年目の秋、友達の結婚式で一人の男性と知り合いになり、食事をすることになった。


「僕は、この町に来たばかりなんですよ。神官の方とお近づきになれるなんて光栄です」


「まあ、私こそ」


 これはチャンスかもと喜んでいたら、彼に急な仕事が入り延期に。またの機会にと言っていたら、今度はカサネが年末年始で忙しくなって、いつのまにやら自然消滅。


 兄のセナも結婚する様子がないし、このままだと後を継ぐものがいなくなるんじゃないかと、本気で心配し始めたカサネに、父と母は、その時はその時と言う。


「いや、でも、それじゃ…」


「お前には、神官になってもらっただけでいいんだよ」


「そうそう、この上結婚までこの神殿の為にするなんて、考えないでね?」


「…そう?」


 という会話をこの先何度も繰り返すことになるのを、カサネは知らない。



 


 

紹介するといったおばちゃんに事情が説明され、以降見合い話禁止令が町にいきわたることに。結婚式の彼は、セナ兄のお友達がお話しに。

町ぐるみで、出会いの場をつぶされているカサネでした。


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