17.晴れて…
翌日の朝、スオウが念話で婚約報告をすると、授業のあとお茶会に来るようにとの招待状が昼前に来た。
午後の授業の後、城へ行こうとしたらシュウがやってきて、仕方なく同行。相変わらず、皆に親子扱いされた。
王と女王の私室へ通されると、女王が満面の笑みで出迎えてくれた。
「いらっしゃい!待ってたのよ~。おめでとう、二人とも!」
「おめでとう。」
王と女王の祝福に、カサネとスオウが恐縮してると、シュウが首をかしげた。
「何がおめでとうなの?」
エルトゥーリアがひょいと屈んでシュウに目線を合わせる。
「あのね、カサネとスオウの結婚が決まったの。だからおめでとうなのよ。」
シュウがパッと顔を輝かせ、カサネとスオウを見上げた。
「本当!?」
カサネが赤くなってうなずくと、シュウは抱きついた。
「ぼく、うれしい!」
「ありがとう。」
スオウが二人を促して席に着く。カサネとスオウの間にシュウだ。
次々と出席者がやってくる。アカネ、ライト、宰相に女官長。最後にカルラがユーリ王子を連れてやってきた。
「あ~!シュウ、ずるい。そこはぼくの席だ!!」
「違うもん、僕の席だもん!」
早速、ユーリとシュウがもめ始める。アカネが仲裁に入り、カサネとスオウの両脇に二人が座ることで、一応の決着を見た。
「これはこれで、家族だなあ。」
ヴァナート王が思わずつぶやいた。スオウそっくりのシュウと良く似たユーリは兄弟のようだ。
「ほんと。親としては、複雑だけど。」
エルトゥーリア女王もそう認めた。
「家族といえば。」
と、女官長がお茶を配りながら、女王に話しかける。
「注文されていた《聖家族》の絵が完成したと報告がありました。来週、納品されます。」
「ま!早かったわねえ。ハルがモデル探しに旅に出ちゃったから、5年くらい覚悟してたのに。」
「あれも、描き始めれば早いからな。」
王と女王は、うなずきあっている。
「ハルって、あの、有名な画家のハルですか?」
「そうよ~。王家の礼拝堂に飾る《聖家族》の絵を注文してたの。届いたら、皆にお披露目するわよ。」
「あ、見習いたちにも見学させてください。」
「いいわ。細かい話は、宰相とね。」
よほど楽しみだったのだろう。女王は至極ご機嫌だった。
「さ、本題に入ろうかしら。スオウ、カサネ。結婚式はもちろん、私が取り行いますよ。新年には間に合わないから、その後ね。宰相とライトで日程つめておいて。」
「エリー様、カサネさんの結婚には王と女王の許可が必要ですから、許可をだしませんと…。」
「あ、そか。じゃ、それもお願いね、宰相。」
「はい、早速。」
自分の結婚が城と神殿上げての一大イベントになっていくのを、カサネが呆然と見ていると、くいくいと袖が引っ張られた。ユーリが期待に満ちた目で見上げている。
「カサネはスオウと結婚するんでしょ?」
「ええ。」
「スオウは父上のいとこだから、カサネもぼくの親戚になるんだよね?」
「…そうなりますね。」
「やったー!カサネとスオウはぼくの親戚だー!!」
ユーリが満面の笑みでどうだというようにシュウを見た。
「カサネとスオウはぼくのおとうさんとおかあさんだもん!」
「ちがうだろ、保護しただけだ!」
ユーリとシュウが、またもめだしたので、大人たちは話し合いを中断した。エルトゥーリア女王が雷を落とそうとしたとき、スオウが二人を止めた。
「ふたりとも、そこまで!二人とも、僕たちにとって大事な人ですけど、あくまでも僕の一番はカサネで、カサネの一番は僕です。」
そう言って、スオウはカサネを抱きしめた。
ユーリとシュウが、目を丸くしてわかったと言うと、爆笑につつまれた。
カサネが真っ赤になったのは、言うまでもない。




