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神官は琥珀を胸に抱く3

17話から26話までのスオウ視点です。


女王様のお茶会によばれた。正式な招待状でだ。トゥーリア様、事を大きくしないでほしいなぁ。

案の定、城に着いたら、視線がものすごい。カサネはがちがちで気がついてないからいいようなものの、ほんと嫌になる。

お茶会は、王と女王の私的な居間で行われた。参加者はアカネ先生、カルラ先生、カイさんにミオ姉。今更だけど、城と神殿の中心人物ばっかり。う~ん、近づこうとする人物の気持ちもわかる気がする。

カサネがこれ以上ないほど緊張してる。王と女王が来る前に、ちょっと、リラックスさせたほうがいいと思って、舞の練習につきあってもらった。

舞ってる間に段々力が抜けてきた。終わる頃には、うっすら笑ってたな。そっと入ってきていたトゥーリア様が、大喜びで拍手した。カサネは真っ赤だ。ああ、これは女王陛下のお気に入りになったな。

これからも、ちょくちょく呼ばれることになりそうだ。


図書館の仕事終わりに見つけた古い手書きの本。僕も匙を投げたひどい癖字を、ササラとハーンが解読してくれた。

伝説の竜が守る天界への門である泉が、この神殿に隠されているという内容。

それを聞いて、僕は日の一族に伝わる伝承を思い出した。日輪王は竜の加護を受けるのだという。一般的には、王家の力のことだと言われているが…。

とにかく行ってみようと言う事で、祭殿までやってきた。確かに封印された扉が隠されている。かなり頑丈だったけど、古くてもろくなってたから、なんとか、解除できた。

真っ暗な道の先には、開けた空間があった。はっと、気がついた。生き物がいる。

作り物だということにしてくれんかの?そう頭に伝わってきた。

悪いモノじゃない。むしろ…。

僕は瞬時に是と返した。


明かりの中に浮かぶ竜の姿にみんなびっくりしてたけど、僕がさわって、作り物だというと、納得して帰っていった。僕は着いていく振りをして、カレの元に戻った。

「こんにちは。」

僕の挨拶に、竜は石像から生き物へと変化した。艶やかでなめらかな白い鱗。赤い瞳はおだやかに僕を見つめる。

「ほう、オグナの末裔か。」

カレは、かなり長い時間を生きているらしい。

「はい、日の一族です。」

そんな話をしていたら、カサネが帰ってきてしまった。

僕とカレを見て、固まっているのを見かねて、カレが人型になった。白髪の老人で、どうやら、カサネが気に入ったようだ。


自分をクロスと呼ぶようにといい、僕たちを嬢ちゃんとぼんと呼ぶ。もうそんな年じゃないと言おうと思ったけど、何千年と生きているクロスから見たら、しょうがないか。

でも、クロスがこの天界への門の秘密をばらしちゃったから、また面倒くさいことになった。王と女王に報告しなくちゃいけない。あ~あ、また秘密をかかえちゃった。まぁ、カサネと二人だから、まだ気楽かな。

カサネはまた遊びに来るっていうし、一人で来れないから当然僕も一緒。ホント、カサネと一緒だと、退屈しないよ。


あっという間に半年が過ぎ、上級生になり、《鏡の舞》の舞い手に、僕とカサネが選ばれた。舞の技術から言っても順当だけど、ヴァン様とトゥーリア様も影も感じるような…。

まあ、そのうち話があるだろう。

舞い手は午後の当番の時間を練習にあてる。アカネ先生が、城勤めになったので、代わりにライト先生がやってきた。カルラ先生と二人で陰陽の一対と呼ばれた、伝説の舞い手だ。彼らに指導してもらえる僕らは、幸運だ。

ライト先生とカルラ先生は、恋人同士なんだと思う。これはカサネも同意見だ。トゥーリア様は、ライト先生もお茶会によぶようになった。明らかにくっつけようとしているね。

カルラ先生の体調が悪化したときは心配したけど、回復してよかった。


先生たちが崖から落ちた時は、本当に動揺してしまった。泣きじゃくるカサネをかかえて、馬を走らせるのにいっぱいで、念話で伝えることさえ思い浮かばなかった。やっぱり、カサネの涙には弱いみたいだ。まだまだだな。

トゥーリア様に神がおりたのにもびっくりしたけど、カルラ先生がカルラ神の精霊だったのには驚いた。白銀の翼を背負い、涙を流すカルラ先生は、この世のものとは思えない美しさだった。

でも、ライト先生にとっては、カルラ先生はカルラ先生でしかなくて。精霊でも人間でも関係ないって。カルラ先生はそれに応えて人として生きることにした。その絆はどうやって結ばれたんだろう。

長く生きてきたクロスに聞いてみようかと思ったけど、竜は孤独を好むんだっけ。報告だけにしておこう。…また、秘密が増えたな…。


今夜、重要な事実が判明した。僕はカサネが好きらしい。カサネが神殿を継ぐために他の誰かと結婚するなんて考えたくない。カサネの隣にいるのは僕だ。

だけど、僕もカサネも実家の神殿を継がなくちゃいけないのは事実。片方がもう片方に行くことは不可能。どうすればいい?

…トゥーリア様だ。月の女王であるトゥーリア様は神官の長だ。人事権もある。二人とも動かしてもらえばいい。僕たちが知った秘密からすれば、トゥーリア様の方から動かすかもしれない。

それと、セナさんとカサネのお父さん。許可をとることと、カサネがラウにいる間の虫除けを頼まなきゃ。許可は、うん、トゥーリア様に後押ししてもらおう。使えるものは何でも使うよ。

カイさんのこと、言えないね。


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