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運命論・改
君が「出会うことは決まっていた。未来は決まってるんだ」と笑いながら言った。
私は「じゃあ、運命というものは信じていないの?」と問うてみる
少し怪訝な顔して、1小節置いてから「でもこの出会いは運命でしょ?」と答える。
私は生憎、可愛げのないリアリストでそういった胡散臭いスピリチュアルを信じていなのだ。
光を嫌う虫の生態は明かされず、猫は死んでいるが生きている。ブラジルの蝶はアメリカで竜巻を起こす。悪魔の存在は否定された。
私は「決まっていないから運命なんだよ」と言う。君が「たしかに」と「どういう意味?」の2つの感情を器用に顔で表現する。
80億の中から選ばれたのではない。
もっと多次元的に見て、この世界の発生まで遡り、一つ一つの粒子の動きや風のなびき、ハルキゲニアの朝食が、私と君を同じ世界に産み、
無限通りのマルチバースの中から私と君が出会うそのひとつを選んだのだ。
だから運命なのだ。
私は結局何も言えず「そういうものだよ。」と頬を撫でた。私は何も決まっていないはずの未来がわかってしまった気がした。




