表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/25

6.2 vsストロング将軍


 俺達がそれぞれに別れると、早速ジンは目にも留まらぬ速さで兵士達を麻痺させていった。


「ほう、私の相手はお前か。てっきり暗殺を防いだ者が私の相手をすると思ったのだがな。先程の様子を見るに お前がリーダーなのだろう?」


「ああ、そうだが」


「お前のようなバカがリーダーだと命令に従う者は苦労する。私ならば より良い命令を出せるがな」


「わかる奴にはわかるってだけの話さ。御託は良いから早く戦おうぜ、それとも怖気付いたのか?」


「お前の人生最期の会話だ。少しでも長くしてやろうと考えた私の思いにすら気付かんとは、やはりバカだ。良いぞ、来るなら来い。三流冒険者の剣の腕など たかが知れているのだからな」


 俺は剣を抜いて将軍に斬りかかった。


 帝国の力の頂点というだけあって俺の剣はかすりもしなかった。そもそも俺が弱いだけだが。


「どうした冒険者!そのような口ほどにも無い実力では相手にならんぞ!」


「そうかい。《ウインドナイフ》」


 俺が不意を突いて放った魔法は見事に鎧の関節部に当たり、将軍の右腕の手首を斬り裂いた。これが当たるって事はギルさんよりは弱いな。


「ぐっ、魔法剣士とはな。油断したぞ。しかし、この程度かすり傷に過ぎん!」


「いや、致命傷だろう。右手の腱が切れているんだからな。もう両手で剣を持てないぜ。それどころか利き腕で剣を持つことすらできないな」


「お前程度の雑魚、片腕で充分だ。それと私の利き腕は左だ」


 俺と将軍が剣を合わせると必ず俺が押し負けた。両腕の俺よりも片腕の将軍の方が力が強いってどんな理屈だよ。


「弱い、貧弱過ぎるぞ、冒険者!そんな剣では1000回振っても当たらんぞ!」


「さっきから冒険者、冒険者って俺には柊健っていう名前があるんだ。呼ぶならちゃんと呼べよ」


「私は愚かなバカの名を覚えることができなくてな。悪いがお前の名など瞬きする間に忘れてしまうよ」


「そうかい、《ガスト》!」


 俺は熊の頭を潰すだけの力を持っている空気の塊を放つが、身体に直撃した将軍は少し後ろに下がるくらいでほとんどダメージは与えられていないようだった。


「剣も魔法も弱いな。先程の魔法で腕を斬られたことが恥ずかしいくらいだ。どれ、そろそろ遊びは終わりだ。潔く、そして無様に死ね」


 将軍は大きな剣を尋常ならざる速度で振り抜いた。しかし、その剣は虚空を切り裂いた。


「何、一瞬で消えただと!?」


 俺は「ミラージュ」で自身の位置を誤認させておいたのだ。


「《フレイムブレス》」


 俺が手から放った炎は、将軍の身を包んだ。


「不意を突いたところで無駄だ。この程度の火力では鎧を融解させることなどできん!熱っ!」


「魔法は道具だ。1つしか使い方がないと思ったら大間違いだぜ。まあ、脳が筋肉で出来ている奴には難しいか」


 俺がそう言った瞬間、プツンという何かが切れたような音が聞こえた気がした。


「お前、今、私をバカにしたな…。許さん」


 俺の身体は将軍の剣によって後方に吹き飛び、壁に叩きつけられた。


「ぐはっ」


 身体の至るところで骨が折れて、激痛が走る。


 将軍がゆっくりと近付いてくる。


「他愛のない。一度攻撃が直撃した程度で虫の息ではないか」


「ああ、我ながら情けないぜ。最後に俺の質問に答えてくれないか?」


「うむ、お前の最期の頼みだ、聞いてやろう」


「なぜ戦争を起こそうとしているんだ?」


「そんな事が知りたいのか、まあいい。エーシャア王国には最強と称されている女騎士がいてな、その女と戦場で戦い、そして殺したいのだ。そうすれば、私は大陸で最強の者になれる。男たるもの最強を目指すべきだろう?」


「くだらないな」


「最期まで口の減らない奴だ。じゃあ死ね」


 そう言って剣を振りかざした将軍は、その剣を振り下ろすことなく地面に倒れた。


「やあやあ、ケン。遅くなってごめんね。オレも頑張って急いでいたんだけど、兵士が多くてね。全員麻痺させるのにちょっと手間取ったよ」


「いや、ちょうど良かった。おい、将軍。麻痺しちゃいるが、聞こえているだろ?悪いが俺は最初から1人で倒そうとも倒せるとも考えていなくてな、真面目に戦ってなんていなかったんだよ。俺の役割は時間稼ぎと あんたの注目を俺に向けることだったのさ。さて、こっちは片付いたし、カレンの加勢をするか」


「うんうん。でも、カレンちゃんのところに行く前に、ケンの怪我をどうにかしないと」


「あ、それは問題ない。《大河が如き時の流れよ 暫しの遡行を与えよ 大いなる神の猶予 タイムバックワード》」


「わお、すごい魔法だね。かすり傷1つなく治ったね」


「ああ、俺のとっておきの魔術だ」


「それじゃあ、カレンちゃんのところに行こうか」


 俺とジンがカレンの方に目を向けると、そこには燃え盛る宰相がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ