第2話
義姉様は侯爵令嬢のフラリア=ハノーバー様の取り巻きをしているようです。取り巻きというのは、都合が悪くなると切って捨てられるというイメージがあるのですが大丈夫なのでしょうか?侯爵令嬢ですし、滅多なことはないと思いますが…。
侯爵令嬢ともあられる方が私をターゲットにするのはやめてほしい。
「あーら、なんだか貧乏くさいと思ったら、子爵家の次女の方が?この学園は王立ですもの貧乏臭がつくのはどうかと思いますわ」
そんな貴女の取り巻きに子爵家の長女がいますが、貧乏臭はしないのでしょうか?
「爵位で人を判断するなんてナンセンスよ!」
割って入って来られたのは、新入生挨拶で拝見しました公爵令嬢のピノナノ=グラッド様!
貧乏子爵家の私でも知っています。ピノナノ様とフラリア様の確執!王太子妃を巡る争い!ゴシップ誌のようですけど、最後まで王太子妃を巡って争っていたんじゃないかなぁ?
最終的な決め手はピノナノ様の方が…こう言ってはなんですが人柄が……。あと、王太子様の好みだったんでしょうね。そして公爵家の後ろ盾も強いし。
そんなことで、未だにフラリア様はピノナノ様をライバル視しているようです。ピノナノ様はそんなことないみたいなんですけど、貴族令嬢として目に余ると仲裁してるみたいです。
「今どき爵位で判断するなんてナンセンスよ!」
「爵位が一番わかりやすい尺度じゃない?」
「それはそうだけれど、爵位と貧乏臭は無関係よ。ただのイヤガラセ。やってることが稚拙で醜いわ」
「この私が、醜い?」
「そうよ。わかったなら、彼女に謝罪でもしたら?」
「私は悪くないわよ、行くわよ。次の授業の教室は確かG教室よね」
すぐそこがG教室なんだけど……。
「貴女も貴女よ。なんで言い返さないの?」
「フラリア様の取り巻きに私の義姉様がいまして……」
畏れ多くも私は今まで実家で義姉様にされてきたことをピノナノ様にぶちまけた。
「そんな義姉様がいるのね。よしっ、学園にいる間は、私がトピアを支援するわ。この間の試験でもトピア=ランスルーって上位だったしね。興味があったのよ」
この間の試験……義姉様の邪魔もなく伸び伸びとガツガツ勉強したのよね。その成果が上位になったんだけど。いつもなら「これもらっていくわよ~」とか精神的に邪魔をしていくから、試験というと成績は芳しくなかったのよね。
「やっぱり爵位と学力は関係ないじゃない!証明されたわ、ありがとう、トピア」
麗しい方に感謝されると、委縮してしまう。
「あらあら、トピアは高位の方にすり寄るのが得意なのね」
侯爵令嬢のフラリア様の取り巻きをしている義姉様に言われたくない。
「義姉様はフラリア侯爵令嬢様といつも一緒に行動しているのではと思うのですが?」
図星なので、義姉様は顔を真っ赤にしてその場を立ち去った。
貧乏くさい…。多分私も貧乏くさいんだろうなぁ。助けて!ピノナノ様~‼