第10話
学園生活が残すところ1年というところで義姉様は突然亡くなった。
死因が不明らしい。
義姉様が契約した悪魔からだろうか?メモで、‘高位貴族との玉の輿を望んだ。この娘に関わってもいいことがないと思いさっさと命を回収することにした’そうだ。
両親は離婚しているし、全くの他人。しかも義姉様は平民という身分なので、葬儀は非常に慎ましやかに行われました。
私も一応は参列しましたが、義母に父に再婚を頼んで!と、言われた時に全くの他人となりました。
「トピア、平気か?腐っても義姉が亡くなったんだろ?」
「腐った義姉ですけどね。命を食べたのかな?悪魔さんがお腹を壊すんじゃないかって心配しちゃう」
これは本音。
私は王宮から残りの1年学園に通う事ができました。
時にはピノナノ様の依頼を受けて、ピノナノ様の課題のお手伝いをしたりもします。もちろん答えを教えるのではなく、問題の解き方、どうしてこのような仕組みなのか?等を教えさせていただいています。
セイン様はときたまルーベルン殿下と剣を交えているようです。学園でも剣術を。帰っても剣術。ほぼ一日中剣術です。一刻も早く騎士団長になりたいようです。
残りの1年はこのように充実したものとなりました。
学園を卒業し、ルーベルン殿下とピノナノ様の婚儀が行われます!
国を挙げての慶事です!
はわぁ~!ピノナノ様お綺麗です~‼
どうしよう?脳の語彙が死滅していきます。麗しい?美しい?神々しい?なんか全部ひっくるめたような感じです。ルーベルン殿下は果報者ですね。正直羨ましいです。
いや、もちろん殿下も素敵ですけれども、正装のセイン様の方が私にとっては……。
そういうわけで、ピノナノ様推しです!
ここだけの話、知ってるの私だけかなぁ?いや、陛下とか王家の人達はご存じかな?
ピノナノ様、既にご懐妊です。
王家としては跡継ぎの王子が産まれてくることを熱望するでしょうけども、ピノナノ様は「男女はどちらでも構わないの。元気な子が産まれてくれればね!」と、聖母ですか?とも思えるような発言でした。
ピノナノ様曰く、「私はトピアに乳母をして欲しかったのよねぇ」
……手遅れです。私とセイン様との関係はまだ……なのですから。
王城のバルコニーから、お二人が現れると待っていたかのように大歓声!
国民から愛されているようで何よりです。
これが本日2回行われるようで、なかなか本人たちは疲れるよう。あと、警備をしている騎士様達も大変だとセイン様から聞きました。
慶事に水をさすような不届き者がいてはなりませんからね。
あの義姉様亡くなりました。悪魔も手に焼いたようです。
ピノナノ様は良かったですね~!しかし…トピアに乳母をしてもらいたかったと後出しで言われても本人困ります。第2子の時にご相談しましょう。




