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女神と始めるJKライフ! ~卒業式で死んだら美少女にされました~  作者: 橋本 泪
第二章 青浜高校には女神がいます
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第四十六話 麻雀で調子よすぎると気まずい

「で、なんでお前らがいるんだ」


松原先生もとい松原もとい垂直がなんか言っておられる。


「先生に誘われたんで」


「誘った覚えはない」


「私はあなたを先生だと思ったことはない」


俺を指さして「こいつマジ?」的な顔をする松原先生とレビ。


レビはなんなんだよ。


「こっちの先生ですよ」


「ユリちゃん! 買ってきたよ!」


畑中先生はぐっとビニール袋を上に持ち上げた。


「何を? 生徒を?」


「あはは! 日本じゃ難しいよ」


違うよね?


ツッコミ違うよね?


……難しい?


無理じゃなくて?


「ほらこれ!」


彼女は袋の中からべホクエを取り出し、松原先生に渡した。


「なにこれ」


でしょうね。


「べホクエぶい」


そうなんだよね、ファイブじゃなくてぶいなんだよね。


前回わざわざルビ振ってあったからね。


「クソつまんなそうなんだけど」


でしょうね。


タイトルだけでクソゲーオブザイヤーだからね。


「でもこれ、頼まれたやつ……」


悲しそうに俯く畑中先生。


松原先生は少し焦ってべホクエを受け取る。


「悪かったって、やるよ。これはこれで楽しそうだしな」


タジタジだな。


松原先生って畑中先生に弱かったんだな。


先生ごっちゃになるから松原はやっぱ松原ってよぼ。


悪意はないよ?


「やっぱり優しいねぇユリちゃん。悪い人に騙されないようにね!」


「お前だよ」


僕もそう思います。


この数時間で畑中先生のイメージだいぶ変わったな。


「早速やろうよ!」


「やろうって、これ一人用だろ」


「私は見てる!」


「相変わらず好きだな、私のゲーム見てるの」


「うん!」


……。


何?


ユリちゃんって百合ちゃん?


百合漫画は嫌いじゃないけどやっぱ三次元で見るとなぁ。


最高ですね。


「つーかガキンチョ連れてきたんだからほっとくわけにもいかんだろ」


ガキンチョて。


語気強めのジジイか。


「誰がガキンチョですか。私はあなた方の何億倍も存在してますけど」


「何言ってんだ」


正常な反応。


「年下が私ババアだから~とか言ってるの見るよりは良くない?」


異常な反応。


いや、リアルな反応か。


「よし、帰れ」


多分これも正常。


「えー! せっかく来てくれたのに!」


「そうですよ。夏休みだっていうのに」


「だからだよ」


その通り。


「夜中ゲームしてるときに彼氏から『今何してんの?』ってメッセきたらだるいだろ。そういうことだよ」


童貞にわからん例えはやめろ。


「でも可愛くない? 甘えたいのかなって」


畑中先生の方がクズ男に引っ掛かりそうだが。


「そ、そうですよね」


レビちゃん意地を張らないの。


あなたはこっち側でしょ。


「鈴木は知らんだろ。膜付きだし」


言い方というものがある。


「パーティゲームとか持ってないんですか」


「ないな」


「ですよね」


「どういう意味だ」


「せっかくだし四人でできるゲームにしようよ!」


「雀卓ならあるけど」


生徒と麻雀打とうとしてんのこの人。


「いいじゃん!」


いいじゃん?


「いいですね」


いいですね?


「せっかくだからコンビ打ちにするか」


すげー怪しい響きだけど大丈夫?


賭けたりしない?


「じゃあやるか、学生対教師で」


「マジですか」


「なんだ、自信ないのか」


「自信ないっていうか、大丈夫ですか、色々」


「麻雀自体はただの娯楽だからな。何だ、脱衣でもやるか」


賭けを上回るな。


脱衣ならやるし。


「というか畑中先生は麻雀出来るんですか」


「そろえるんでしょ?」


「よしコンビ打ちはやめだ」


卑怯者が。


俺たちはそれぞれ適当に席に着き、とりあえず東風戦を打つことにした。


まあ一人一回親をやる一番シンプルですぐ終わるルールだ。


最初の親は一番詳しそうな松原。


ガラムみたいな缶からガラムみたいな煙草を取り出して火をつける。


まあガラムである。


マジで教師像が古すぎる。


各々が彼女の指示に従い牌を引いていく。


黄色おうしき、ドラめくってくれ」


「うぃっす」


ちなみに松原以外の麻雀経験は多分こんなもん。


俺はオンライン麻雀しかやってないので大雑把なルールしかわからん。


点数計算の仕方も知らないし、役も全部は把握してない。


多分レビもそんな感じ。


畑中先生は、まあ多分やばい。


頭がヤバい。


人としてヤバい。


「じゃ、引くぞ」


「はい! 四槓子スーカンツ!」


ないね。


一発目で四槓子はないね。


一槓子もないからね。


「お前な西那にしな、一発目でボケるなら天和テンホーな」


ボケのパターンを諫めるな。


ていうか畑中先生って西那って言うんだ。


自然な名前呼びありがとうございます。


助かります。


「先生」


「なんだ、鈴木もボケるのか」


「ポンです」


「まだ捨ててないんだな、牌をな」


「間違えた、チーだ」


「同じことだな。それに対面なのにチーができるようになったのか、今の麻雀は」


「時代は変わります」


ルールは変わってないけどね。


「仕方ない。これをやろう」


捨て牌を直接渡すな。


「オタ風じゃないですか」


麻雀知らない人はこう思ってください。


オタ風はゴミ。


「バカめ。早々にキャンキャン鳴くからだ。負け犬の遠吠えが聞こえるわ」


そのセリフで煙草を吹かすな。


聖職者の片鱗くらい見せろ。


「それはどうかな」


レビはおもむろに手牌を開示する。


「なっ! ハク二枚だとっ!」


二枚かい。


三枚そろうと勝手に役が付いてくれるんだよね。


三枚ね。


「ふふっ、あと一枚ですよ」


言うなや、見せるなや。


「悪いがそれは手元にある」


松原も負けじと白を河に捨てる。


なんで?


「なん……だと……!?」


いや鳴けや。


BLOACH風なんだとはいいんだよ。


「これ予備入ってたから抜いとくね?」


畑中先生話聞いてらっしゃいました?


それ白ね?


分かるけどね、俺も最初外れだと思ってたからね。


「それ白な」


今更ツッコむの?


「また煙草なんて吸ってー。体に悪いよ?」


それもなんで今?


「煙草のない人生なんて音の出ないAVみたいなもんだよ」


きついけどね。


音ないのはだいぶきついけどね。


「鳴き声とか聞きたいもんね」


リアルでアニマルビデオと勘違いしてる人っているんだね。


「喘ぎ声のこと?」


人の純粋な心に墨汁ぶっかけるのはやめろ。


「だんだん声が上ずっていくのが最高」


もともと真っ黒だったわ。


この人マジで地下に人飼ってそうじゃない?


嶺上開花リンシャンカイホウ


レビもそろそろ真面目にやれ。


まだ山ほど牌残ってるわ。


「嶺上開花、ドラ六ツモ」


しつこいしドラ爆酷いし。


どっかの麻雀アニメかな?


海底ハイテイは最後だけな」


リンシャンだっつってんだろ。


話聞けや。


リンシャンもレビの嘘だけどな。


嘘かい。


「じゃあ私国士無双狙います!」


素人特有の国士狙いね。


もう白ないけどね。


「やっぱりチートイにしよ! かわいいし!」


何が?


麻雀に可愛いとかあんの?


つーか畑中先生結構詳しくないか?


「チートイかわいいですよね」


分かるんかい。


「ジュンチャンタイヤオチューの方が可愛いだろ!」


急に大声出さないで欲しいなー。


……。


俺の番は?


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