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女神と始めるJKライフ! ~卒業式で死んだら美少女にされました~  作者: 橋本 泪
第二章 青浜高校には女神がいます
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第四十四話 何話かも覚えてませんでした。ほんとすいません。

「おっはようじゃんけん、じゃんけんポン! 私はパーを出したのでグーを出した人の負けです!」


勝った人を言え。


レビはソファに座しながら、頬杖をついている。


「なぜ人間はじゃんけんを好むのでしょうか。アニメの終わりにもヨウツーベーの動画にも、果てはニュース番組まで」


そんなこといわれても。


「じゃんけんはクリエイターを魅了するのだろうよ」


「なぜですか」


「……使い勝手がいいんだよ」


分かりやすい、時間もかからない。


それに大人から子どもまでなんとなく楽しめちゃう。


素敵!


「今日の一位はふたご座のあなた! 何事も早め早めの判断がグッド! 新しい感覚が見えてくるかも! ごめんなさーい! 最下位はいて座のあなた……。 集中力散漫でミスを起こしちゃうかも。リフレッシュを大切に! ラッキーアイテムは黄緑の靴下!」


「黄緑の靴下って難易度高いですね」


「確かに」


そもそも靴下なんて適当に選んでるからな。


俺は紺しか使わないし。


なんでか?


制服美女と言えば紺ソックスだろ。


なめてんのか。


ぶっ飛ばすぞ。


「占いも人気ですよね」


「そうだね」


占いは今も昔も世間では大人気。


女性のイメージが強かったが近年は男性も好んで占いを見たりしている。


俺は正直占いに信頼を置いているわけではないが、エンターテイメントとしてはありだと思う。


「随分めちゃくちゃ言ってますね」


「まあニュース番組の占いなんてそんなもんよ。憂鬱な一日の始めにちょっと背中を押してくれるというか」


「嘘がですか」


「嘘って言うな」


レビは目をつぶって何か思案している。


やめてほしい。


どうせろくなことにならない。


「占ってあげましょう」


ほらね。


「占うって何を」


「なんでも占いますよ。金運に健康運、恋愛運なんかも」


そんなこと言われてもな。


「そもそも女神なんだからマジで未来見えるんじゃないのか」


「できないことはないですけど。でもそれなりの労力が要りますし、ルール違反です。何より未来を見るなんてつまらない事したくありません」


見れるのかよ。


これが神の力か。


「だったらどうやって占うんだ」


「人間世界のやり方でやりますよ」


「というと」


「コールドリーディングです」


コールドリーディング。


事前情報が全くないはずなのにずばずばと相手のことを見抜く。


そう言う風に見せかけるテクニックのことだ。


心理学では基本中の基本。


現代ではビジネスの場でも一般的に用いられるほど普遍的なものになっている。


そのためコールドうぃー、リーディングうぃーとのたまう輩が出てきたわけだが、これを扱うのは意外と難しい。


「できるのか、貴様に」


「なんですかその喋り方」


彼女はポンポンとソファを叩き、横に座るよう俺に指示する。


やめろ、緊張するだろうが。


「では始めます」


「……おう」


彼女は俺の目をじっと見つめ、大きな深呼吸をしていった。


「童貞ですね?」


「殺そうかな」


それコールドリーディングじゃないよね?


コーテイリーディングだよね?


「女子と付き合ったこともない」


だろうね。


童貞だからね。


言わせんなや。


「ましてや告白されたこともない」


ただのブサイク認定じゃね?


「恋に破れ、ラブレターも破れ」


その場合破かれ、だね。


いや破かれたことないけどね。


「心も破れる」


適当にそれっぽいこと言うな。


「国破れて山河在り」


城春にして草木深し。


「全然占いになってないんだが」


「いいですか? 占いって言うのは言われたことをああその通りだ、この人はすべてお見通しなんだ、って思いこむところから始まるんですよ」


「ひどい言いようだな」


「そして人間最大の武器である思考力をすべて放棄して楽になるのです。言いなりは楽ですよ」


「悪徳宗教の実情暴露かな」


言いなりでエロいことを考えた奴は同志。


レビの前で下ネタを控えた俺を褒めてほしい。


「つまり占いを信じている奴は人間をやめたのも同義」


違います。


占いは古代から人間と密接に関係してきた大切な学問です。


マジで。


マジです。


怒らないでください。


卑弥呼とか占いで国を治めてたからね、マジで。


「そしてあなたは今日死にます」


「やばくない? その占い」


つーかもう死んでるしね。


レビのさじ加減で死ぬしね。


「よし、殺すか」


占い当てるために殺すな。


ヤバめの新興宗教の信者か。


「あなたは今日死にます」


改めて言うな。


死ぬならそれから逃れる方法を教えろ占い師。


「それから逃れるには代わりに誰かを殺さなければなりません」


安直なシリアス漫画かよ。


広告で見て面白そうだから無料で読んでみたら五話で飽きるやつかよ。


「さあ生贄を探しに行きましょう」


訂正。


一話で飽きるわ。


「ちっ、文句が多い人ですね」


文句をつけるべきところが多すぎる人ですね。


「じゃあ幸運です。大吉。よかったですね」


占いの先頭にじゃあってつけちゃダメだと思うよ。


頭文字イニシャルじゃあ、だよ。


「つまんな、語呂わる」


「心の中のセリフにツッコむのはどうかと思います」


「そもそもオウシキはいつも心の中でツッコミするじゃないですか。その癖どうにかした方がいいですよ」


マジの忠告はやめろ。


「あと作者もです。間隔空きすぎてキャラの一人称わからなくなってましたよね」


「作者?」


「私にオウシキのこと楓って呼ばせようとしましたよね」


「独り言?」


「あと話の途中で間隔開けるのやめた方がいいですよ。今回なんの話だっけって読み直しからスタートしてますからね」


「ついに狂ったか」


「メタなんて言い訳はさせませんよ」


レビは瞳孔をかっぴらいて天井に言い放った。


「私女神ですから」


俺も作者に一言。


これホラーじゃないよ。


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― 新着の感想 ―
[一言] < ● > < ● > いつもあなた(作者)を見ています           by レビ つまり、こうなっている訳ですね。
[良い点] とても面白く一気に読んでしまいました これからも更新頑張ってください 応援しています
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