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第4話〜初王都!〜

「公爵様。一つ質問してもよろしいでしょうか?」


「なんだね?」


「どうして、公国なのに首都を王都と呼んでいるのでしょうか?普通帝国なら帝都、王国なら王都、マーリン公国なら公都と呼ぶべきではないのですか?」


「あぁ、それはこの国が元々、王国だったからだ。つまりね…」


公爵様のお話は大変長かったので簡単にまとめるよ。つまり、後継者争いで先代を手にかけた王国の現国王。その弟で第3王子だった方がこの公国を建国した。第2王子は、戦闘バカで第1王子陣営についた。有力貴族たちはこちらについたけど、多くの貴族は王国側に付き、国力に差が生まれた。王都と呼ばれているのは、王子が故郷を懐かしんだためらしい。

王国との国力差は、10倍近い。クーデターは、王子が、5歳のとき。今では、もう20になり、国王として政治にも関わっている。つまり、15年もの間、大国と戦争を続けていることになる。どうしてここまで負けずに生き残ってきたかといえば、有力貴族、侯爵家以上が味方についたこと、優秀な騎士の多くが先代国王に忠誠を誓っていたため、こちらについたこと。また、政治の中枢にいたメンバーの殆どがこちらの陣営に集まったことが挙げられる。ただ、15年経過し、大国に成長したカージス王国に領土を奪われ始めているようだ。


ここから、推測するに俺が提供すべき武器は、素人にも扱いやすく、世界的ベストセラーになっているAKシリーズが適切だろう。重機関銃や迫撃砲など大量殺戮兵器は、ほかにもまだまだあるが、安価で大量に揃えるにはこれがベストな選択と思われる。


ということで…血統スキル発動『闇市場』!

「それで?何をご所望ですか?グレン殿?」


俺に対応しているのは、前回父親に殴られていたこの店の主であるイールイだ。聞くところによるとこの男は、もとの世界では有名な民間軍事会社であり、大国と呼ばれるアメリカ、ロシア、中国等に武器、軍事兵器を販売している。ただ、それは裏の顔。表の顔として、化粧品や日用品も取り扱っているということで、女性方々の取り込みはそれを用いることに決めた。それ以外の商品もグループ系列の会社で販売されており、随時購入していくことに決めた。


ここで俺が購入するのは、Ak-47。これにしたのは俺の好みだ。Ak-47は一丁(弾倉付き)で約600ドル。つまり、この世界での感覚でいうと仕入れ値は約6万円(銀貨2枚)、販売価格は、先程25倍近くで売れたから、

とりあえず端数は切って100万円(金貨1枚)ということにしておく。


いま手元には、残金4450万ほどあるが、取り敢えず20丁ほど買うことにする。弾薬は、別に一丁につき10セット(300発)として200セット(6000発)になる。弾薬は一発に付き100円として、合計で120万+60万で180万ほどになる。


「Ak-47を20丁と弾薬を弾倉で200セット頼む」


「初期型でいいのか?」


「あぁ。向こうにはそもそも、機関銃なんて概念無いからな。拳銃見て興奮するようなレベルの連中だから、機関銃なんて夢の世界だろう。」


「分かった。それなら、こちらとしても助かる。こっちじゃあ買ってくれる国なんて殆どいないからな。在庫処分できて助かる。こっちでは初期型なんてもう使うとこもない。ゲリラも高性能なやつを使うんでな。」


「そうなの?」


「あぁ。だから、今後も在庫処分を手伝ってくれると助かる。料金も格安にしとくわ。廃棄処分になる予定のやつだったからな。処分にも金が掛かるからな。受け取ってもらえるだけでも有り難いんだ。」


「これ代金な。」


「有り難い。これは、他の物に回せる。ただ20丁って言ってたが、200丁やるよ。弾薬も4000セット(12万発)やる。弾薬に関してはまだまだあるから、なくなったら来いよ。」


「ありがとう!助かるよ。」


「いいってことよ。さっきも言ったが処分にも金がかさむんでな、うちも助かるんだ。winwinの関係なんだからいいんだよ。また来てくれよな!ブラザー!」


「またね、兄弟!」


…これは、ボロ儲けできる未来が見えてきた。世界最大の大商人として君臨できるのではないだろうか?

この世界最大の民間軍事会社の社長として…。現に今回の取引だけでもこっちの世界だけで2400万-180万から2220万の利益が生まれている。こちらの世界での儲けは仕入れ値の4倍になる予定だから9600万。仕入れ値を指引いても、金貨90枚以上の儲け。もう笑うしかない。

俺の視界が霧からもとの馬車の中へと戻ったとき


「アルベルト様!王都が見えてまいりました!」


公爵家お抱えの騎士の方がそういった。この騎士さんも実力は相当なものらしい。温厚そうなおじさんだが、俺も勝てるか分かんない。何でも、騎士団の元副団長らしいし。ほかにも彼の弟子として4人の騎士の方がいるけど、みんな実力派揃いのようだ。


ん?そういえば、女神様は、マーリン公国の出入りに金はいらないと言ってたが、どうなるのだろう?それとなく聞いてみるか…。


「アルベルト様。入国にあたって審査等はあるのでしょうか?ここで、申し上げるのも悪いのですが、これまでは衛兵に金銭を渡してしのいできたのですが。」


「それは、気にする必要はない。君は、私の客人として入国することになる。その後、商人としてギルドに登録するときに再度審査すれば良い。それも、私の権限から簡易的にして差し上げよう。」


「それは、ありがとうございます。そういえば、聞き忘れていたのですが、アルベルト様は、軍事、行政、司法等様々な業務で何をなさっているのですか?公爵家であることしかお聞きしておりませんが…。」


「あぁ。私は、参謀総長だ。国防軍における後方のトップになるな。まあ、最前線から見れば地味な仕事よ。だが、やることは多い。物資の調達〜戦略の立案までやることは山積みだ。」


「では、今後ともお付き合いは長く続きそうですね。」


「ん?」


「私が販売するものは、武器だけではありません。先に申し上げました化粧品を含め、日用品から家具、食料品に至るまで何でもご対応できますので。」


「それは本当ですか?グレン様!」


それまで黙っていたソフィア様が僕の手をとって喜々とした表情で聞いてきた。


「もしかして…甘いものとかお菓子とかは…。」


「無論、御座いますよ。」


「やったー!!」


「お父様!グレン様は、どこにお住まいになられるのですか?」


「ん?それはまだわからん。とにかくまずは早急に屋敷へ戻り、我々も身支度を整えた上で、陛下や軍部の連中に会わなければならん。グレン殿、貴殿も同行いただけるか?」


「えぇ。構いませんよ。いずれは会うことになるでしょうから。しかし、私は、野良で流浪の商人です。ご不快に思われる方もいらっしゃいますでしょうし。」


「大丈夫だ。陛下は寛大であられるし、軍部の連中には、気を使う必要はない。言葉遣いも行動も粗暴な連中ばかりだ。よっぽど馴れ馴れしい態度を取らなければ大丈夫だ。それに言葉遣いは間違ってないし、心配する必要はない。」


「アルベルト様!王都に入ります。」


僕は、騎士さんの声につられて外の景色を見た。中世のヨーロッパをかたどった模型か、映画を見ているような気がした。フルプレートの騎士もいれば、革鎧をつけてるものや、冒険者のような風貌のものらもいる。勿論、普通の民衆もいる。本当に異世界に来たんだ…。


「グレン様?珍しいですか?」 

 

「えぇ。私が育ったのは田舎でしたし、幼かった私は滅多に外に出ませんでしたし。こんな立派な街を見るのは久しぶりです。」


「以前に見たことが?」


「随分昔ですね。」


嘘八百だけど…。まぁ、誰も俺のこと知るやつ居ないし。もし、俺と同じようにこっちの世界に来たやつがいたとしても、それまでに信頼を勝ち取っとけば何も問題はない。


平民街を抜け、貴族街に入り、王都に入ってから15分程経過したとき…


「アルベルト様。当家に到着いたしました。」


俺の目の前には、億万長者の豪邸かと思えるような、言葉ではどうにも言い表せないような屋敷が建っていた。


「さぁ、ここが我が屋敷だ!さぁ、参ろうか。ソフィア!グレン殿!」


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