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17話〜3大公爵家〜

「お待たせ。確認してきたよ。これを着てくれるか。男性陣はこれを。ゴーセルはこれ。女性陣はこれ。システィーナはこれ。着替えてきてくれ。」


「これなんです?」


「どうして私だけ?」


システィーナは、自分だけ執事服でないことに疎外感を感じているようだった。


「公爵閣下から教えられているのだ。君以外の女性陣は、騎士を目指してなどいないと。」


「え!?それはどういうことです?」


「俺は、まだ成人を迎えていないが、独り身である上に陛下とのパイプも自分の店もある。他の貴族たちからすれば俺を婿にできればこれ以上いいことはない。」


「そんな…。」


「まあ、心配しなくていい。俺は薬への耐性もあるし、そもそも、俺の好みの女性はこの部隊にはいない。従業員としてこき使ってやる。」


「それなら、私がしっかりと管理します。」


「ああ。そう言ってくれると思って君には、男性陣と同じものにしたのだ。頼りにしているぞ、システィーナ。」


「はい!お任せください。」


「ゴーセル。男性陣は、任せるぞ。」


「はい!」 


「最後に連絡する。もし、お客の中で値下げ要求等で暴力行為をするものがいたら貴族であろうと撃退して構わん。その旨は陛下へ伝えておく。貴様らは、私の隊員であることを忘れるな!各員、配置についてくれ。開店するぞ!」


「「「「了解!!!!」」」」


俺は、彼らが店の各階についたことを確認する。階段を登る音が消えたことを確認した。では、開店だ!

挨拶しないと。簡単に済まそう!

俺が正面玄関の扉を開けるとそこには何十人もの貴族たちの姿がと数人の商人たちの姿が。先頭には俺の心配を察していたのか、アルベルト公爵が立っていてくれた。すると…


「皆、よく来てくれた!彼が私の友人でこの国を王国から守る力を与えてくれた商人である。私は彼がここに商店を開くことができて大変嬉しく思う。では、彼から言葉を貰おう。だが、彼はまだ15だ。そのつもりで聞いてくれ。」


公爵は、いうだけ言うと、俺に彼らの正面から動きを隅へと寄った。


「はじめまして。公爵からご紹介に預かりましたグレンと申します。商店と同じ名前ですので覚えやすいかと思います。私は、何でもご用意するつもりでおります。ほしい商品がございましたら、男性棟2階と女性棟1階に責任者がおりますので、彼らにその旨をお伝えください。ただし、一つだけ忠告が…。商店内では、暴力行為は、厳禁となります。違反者は即刻取り締まりますので、ご注意願います。私の長い話は皆様のご気分を悪くしてしまうと思いますので、このへんで終わりたいと思います。それでは、紅蓮商店、開店します!」


俺は、振り返ると正面玄関の扉を完全に開けるとそのまま中へ待っていた人たちも中へと入ってくる。


「男性の皆さんは向かって右手へ。女性の皆さんは向かって左手へお進みください。」


彼は、そのまま、向かっていった。ようやく面倒な仕事から開放される。そうしていると閣下が近寄ってきた。


「グレン殿。相談があるのだ、少し良いか?」


「ええ。構いませんよ。自室へ行きましょうか?」


「ああ。構わんか?」


「お客の皆さんの対応は彼らだけでもできますので。言っても彼らはある程度の実力はあります。そこらの騎士には負けませんよ。」


俺たちは、1階から3階まで見て回った。初めて見るものに貴族たちや商人たちは目を奪わているようだった。


特に注目を集めているのは、やはり酒だった。他にはない明らかに新たな酒。試飲も行っているようだ。団員の一人が俺を呼んでいる。


「閣下。彼が呼んでいるので少し行ってきます。」


「ああ。」


「どうした?こちらの方が店長に話があると。」


どう見ても、面倒な感じの商人風のおっさん。何を言われるかは大体予想がつく。目で閣下へ視線を送る。勿論、SOSのためだ。閣下はすぐに気づいてくれた。

流石の信頼関係!


「どうなさいましたか?お客様?」


「この酒はどうなっておる!高すぎるではないか!安くしなさい。それに他の商店にも回せるように数を揃えなさい。」


「申し訳ありませんが、どなたですか?私はあなたの名前も知りません。そんな方のお話など聞けません。」


「私は商人ギルド長のアルバーンだ!君が未だに登録していないことは今は構わん。後に来てくれば良い。だが、この商品は、革命だ。製造法を特許を得て広めるのが道理。それが嫌なら他の商店にも回せすことだ。」


何言ってんだ?このおっさん。回す?どうして?別にしてもいいけど金は高くするよ。そりゃそうだろ。ここで売ることでブランド化するんだから。


「その場合は、販売価格の2倍の値段で回すことになります。そうなれば彼らは大損になりますが、構いませんね?」


「な…何!」


「それはそうでしょう?この商品をここで売ることでこの商店も商品もブランド化…いえ、目玉商品となっていきます。でも、他の方々に同じ金額で配れば、私は得が一切ない。タダより高いものはない。そんなこと商人なら常識ではありませんか?」


「私の助言を聞かないと申されるんですか?」


「あそこをご覧ください。ここは、王族の方々が御用達の商店になります。ギルドに守ってもらわずともやっていけますし、他の商店を助ける道理がありません。今すぐお帰りください。」


「な…!ギルドに楯突くと?どうなるかわかっているのですか?この公国で商売できなくなりますよ!」


「それは脅しですか?ならば言っておきましょう。うちに手を出したら手を出された方の商店、家族、財産のすべてを奪います。理解していますか?別にいいんですよ?皆さんを殲滅して、私だけでこの国の商売を独占しても。」


「なんてことを!恥を知りなさい!」


「閣下。この方は道理も常識も何も通じないようです。どうすればよいですか?」


おっさんは驚いて振り返る。そこには、俺の救難信号を受けて護衛の騎士たちを連れてきてくれていた閣下の姿があった。


「脅迫罪、業務妨害罪。禁固5年というところか。無論、財産没収の上、ギルド長からの退任。になるだろうか。既にギルドには連絡を向かわせた。陛下にもな。」


「え…そんな…」


「では、お連れ願えますか?」


「ああ。お前たち!この無礼者を刑務所へ連れていけ!」


「お待ちを!!どうして私が!?この小僧が悪いのですよ!私はこの国のために!」


「グレン殿はこの国のために力を与えてくれた。戦争のとき貴様は何をしていた?」


「それは…」


「知っているぞ。国外逃亡のための工作をしていたのだろう?貴様の罪はもっと深い。処刑の日時は後日知らせる。ほら、連れていけ!」


彼の叫び声も遠ざかっていった。仕方がない。俺は、命令するやつが大嫌いだ!頼むなら問題ない。この国のために協力する気はある。


「さあ、皆さん。気分を悪くしてしまい申し訳ありません。こちらのお酒をお飲みください。サービスのでお構いなく!」


俺は、アイテムボックスからビールの大瓶を取り出した。イールイからからもらったものを入れておいたんだ。それを懐から出すようにして台の上に置いた。


「これは、販売用もありますので、お気に召した方はどうぞご購入下さい。では、参りましょう閣下。」


「ああ。」


俺たちは、階段を上がり、自室へ入った。鍵も締めた。ビールをコップに一杯ずつ注ぎ、一つを閣下の前に置いた。二人で乾杯すると一口のんだ。


「それで?どのような要件ですか?酒を飲みたかっただけなわけではないのでしょう?」


「ああ。君に頼みがある。」


「なんでしょう?」


「私とともに他国へ訪問していただけないだろうか?」


「それは、公爵閣下として話していますか?それとも参謀総長として?」


「参謀総長としてだ。」


「どこに行く気ですか?」


「北のドワーフの国、ドラコニア鉱国だ。以前の勝利で新装軍のことの情報を得たらしく接触を図ってきたのだ。彼らは、条件によっては同盟の席につくことも辞さないと言ってきたのだ。」


「なるほど。申し訳ありませんが、お断りします。私はこの国から出るつもりはありません。出るときは、国外追放されるときぐらいです。」


「だと思った。だが、そこを曲げて頼む。ただとは言わん。費用もこちらで負担する。」


「では、お聞きしますが、閣下はこの国を売りに出すおつもりですか?」


「どういうことだ?」


「訪問させるということは、彼らがこちらを下に見ているという事になります。情報や技術を提供させる代わりに同盟を結ぶというところでしょうか?こちらの負担が大きすぎます。まずは、出向いてもらいましょう。それと、技術は同盟が完成するまでは何も提供しません。完成しても、金はいただきます。」


「それで通るかどうか…。奴らは、魔法も使うのだ。無闇に敵視を向けるのはどうかと…。」


「ならば、武器の販売を彼らにもする代わりに同盟を組めばよろしい。同盟国ならば、魔法の取得も簡単になるでしょう?」


「それは…我々としてはありがたいが。君はそれでよいのか?」


「武器が売れるぶんには問題ありません。ただし、訪問の件はお断りしておきます。」


「分かった。そのように伝える。」


国家の行く末を決める会議がこんなに一室で行われているとき、従業員の一人がドアをノックしてきた。それも急ぐように叩いて…。


「店長!お客様が店長にお話があると、女性棟の2階に来てください!」


「今行く。先に戻って来ることを伝えておいて。」


「分かりました!」


「では、閣下。失礼します。飲み終えたものは、テーブルに置いといてください。では。」


俺は、ゆっくり通りていった。若い子供と思われないように紳士らしくそれでいて生真面目すぎないような雰囲気を醸し出しながら。


「店長はまだ来ないの!」


「今呼びに行きましたから。すぐに参ります。」


「私をお呼びということですが、どうなさいましたか?」


「あなたがここの店長?」


「ええ。ようこそ、我が紅蓮へ。私はここの店長をしている…」


「あなたが何者かなんてどうでもいいわ!ここの化粧品には目を見張るものがあります。これを私の店へ流しなさい。その代わりに私の店の傘下へ招待してあげるわ。感謝しなさい。」


「失礼ながら、私はどこの大商人の傘下にもつくつもりはありません。お引き取りを。」


「?今のは聞か無かった事にしますわ。私の傘下に来れば、王族へも販売できるのよ?そうすれば、こんな小さな店だけでなく、もっと…」


「うるせぇ!糞ババア。やらねぇことはやらねぇ。そもそも、うちはなぁ、王族御用達店なんだよ!あんたの手助けなんて必要ねぇ。」


「なんて口の聞き方なの!私は王妃様とのパイプがあるのよ。そんな私にそんな口の聞き方して、どうなるかわかってるの!?」


「なら、ここで死ぬか?」


俺は、懐に忍ばせていたデザートイーグルを取り出した。壁に向けて一発撃った。ドン!!その衝撃は、店内に響き渡り、2階にいたお客は、恐怖から腰から崩れ落ちていた。従業員達は、俺に対し恐怖を持ちつつも他のお客の影響を減らすように移動させていた。


「さっきも言ったろ?ここでは俺がルールだ。俺の指示が聞けねぇ奴は、ここで物を買う権利はねぇ。それが大商人であろうと関係ない。歯向かうやつは誰であろうと容赦しない。それが我が商店の絶対のルールだ。」


「そんな…。私を殺せば旦那様が黙っていないわ!ほら、見なさい!来ましたわ。助けてあなた!!」


「これはどういう…。」


俺は、来たという貴族に対して殺気を放った背中越しであったが、効果は十分であろう。振り返って見るとこれは驚きだ。彼は俺の殺気に真っ向から対抗していた。


「あなたが、この糞ババアの旦那様ですか?あなたのような実力者には見合わないような女ですが?」


「君がここの店長か?」


「ええ。初めまして。店長のグレンと申します。お見知りおきを。あなたのお名前を伺っても?」


「私は、マーリン公国3大公爵家の一つ、ブレイブズ家の当主。カーエル-フォン-ブレイブズというか。」


「ブレイブズ。勇敢…いや、勇者の血筋ということですか?」


「ああ。私の先々代は、異世界から来た勇者だった。そこにいる私の妻は、聖女の血筋のものだ。」


「へぇ〜?あなたが勇者の血筋という点に関しては、納得ですね〜。私の殺気をまともに受けても立ってられるのですから。ですが、この女は信じられない。聖女とは、誰に対しても平等で私利私欲では、動かない整然な存在のはずだ。この私利私欲にまみれた女が、聖女のはずがない。」


「なるほど。陛下がおっしゃっていた通りの男のようだ。グレン殿。ここは、私の顔を立てて、妻を許してはくれんか。」


「いいでしょう。ただし、次はありませんよ。」


俺は、彼女から離れた。女は逃げるようにカーエル殿のそばへと走った。彼のそばについた時に、


「私に恥をかかせたわね。いいわ。あなたを社会的に抹殺してあげる。私を敵に回したことを後悔するがいいわ。」


「勘違いしないことだ。君には次はない。彼への無礼は許さない。この公国を救ってくれた英雄に口答えする女は、私には必要ない。」


「何を行っているの!?カーエル?」


「君との婚約は解消だ。以前から君の行いには手を焼かされていたが、もう愛想が尽きた。君を聖皇国へ送り返す。子どもたちのことは心配するな。私がしっかりと面倒を見る。」


「何を…何を言っているの?私と永遠を誓ったでしょう?」


「何を勘違いしている?私が誓ったのは、教皇様だ。貴様ではない。ガゼル!この女を連れていけ。今夜中に聖皇国へ送り返せ。」


彼の呼び声に対して、ガタイがガッチリとした執事らしき男がやってきた。彼は、ババアを一瞬で気絶させると、荷物のように運び出していった。


「グレン。申し訳ない。初日迷惑をかけて。」


「いえいえ。ご心配なく。どうです?少しお時間ありますか?」


「ああ。先程の愚物に時間を浪費させられる予定だったからな。今日は、良い日だ。ゴミを捨てられた。」


「では、私の自室へ参りましょうか。美味しいワインでも?」


「それは…ありがたい。ワインが大好きなんだ。それに陛下から君の酒はとても美味しいと聞いているからね。」


「では、参りましょうか?」


「ああ。行こう。」


「皆様。ご心配をおかけしました。お詫びと言ってはなんですが、只今から1時間セールを行います。その間は、2割引で販売いたします。どうぞ、お買い物お楽しみください。」


俺は、カーエル公爵と俺の言葉に我に返った夫人方の波をかき分けながら、自室へと向かった。部屋を開けるとそこにはまだアルベルト公爵の姿があった。


「アルベルト。来ていたのか?」


「カーエル?どういうことだ?どうして、お前がグレンと一緒におる?」


「彼と話がしたくてな。」


「では、美味しいワインでも飲みながら今後の公国についてお話しましょうか?閣下はどうなさいますか?」


「無論、飲むとも。あの一杯だけでは満足できん。」


「お前、もう飲んでいたのか?」


「お二人は、お知り合いで?」


「3大公爵家と言われているだけあってな。我々は、幼い頃からともに育ったのだ。その際に聖皇国にも行ってな。当時の愚物は、さっきとは違って純粋で可愛らしかったのだ。」


「どうした?ついに別れたか?」


「ああ。グレンに喧嘩を売ってな。俺にまで被害が来ないように早々に切ってやった。時期を見計らっていたからいい機会だ。」


「ようやくだなあ。俺なら数年前に別れていただろうに。お前は、優しすぎるのだ。」


「それは血筋だ。先々代の勇者様は、優しすぎる方だった。俺はその血を強く継いでしまったらしい。」


「ということは、カーエル様は相当な実力を持っていらっしゃると?」


「ああ。グレン殿。コイツは、イールイよりも強いよ。」


「へ〜。それは楽しみですね?どうです?今夜模擬戦でも。どうせ、家の者たちを鍛えるつもりですので。」


「邪魔でなければ。」


「それでは、カーエル様の離婚祝いと公国の今まで以上の繁栄を願って乾杯と行きましょうか。年代物を開けましょう。私が個人的に飲むつもりでしたが、まぁ、良いでょう。」


「ということは良いやつか?」


「ええ。中々のもんですよ。どんくらいだと思います?」


「金貨10枚ってとこか?」


「流石、公爵家。基準が高いですね。」


「?」


「私は、これでも平民のつもりですので。金貨3枚ですよ。これでも私からすれば相当なもんです。」


「まあ、そんなことはいいよ。とにかく頂こうではないか。」


「それでは、カーエル様の離婚とマーリン公国の今まで以上の繁栄を願って乾杯!」


「「乾杯!!」」

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