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16話〜不倫?〜

今回はいつもよりは長めですが、今回で余計な登場人物が一掃されます。


俺の前には、男女合わせて40名の騎士。5万人近くいる騎士たちの中でも選りすぐりの面子だ。だからこそ、プライドの塊で使えないやつは困る。だからこそ、まずはこの中で上下関係を作る。ランダムで決闘を行う。

木刀でやる上に相手が得物を落としたらそいつの負け。戦場でそんなことしたら即死だし。勝ち残った男女一人ずつがその中の団長とする。いずれは、ここにいる40名全員に団長を努めてもらう。でも、それは隊員が増えてからの話。それまでは、今回決まる人間に従ってもらう。そうすれば、俺は、彼ら2人に命令や修練内容を伝えればいい。アドバイスは、随時やればいいし。


「では、始めろ!負けたものは、残っているものを参考にしろ。剣は、他者から技を奪うことでも成長できるからな。」


そこから1時間ほど決闘は続き、ようやく団長が決まった。男性側は、アルベルト様の次男のゴーセル。性格は真面目だけど言動や容姿はチャラい。女遊びが目立つが、腕は中々。女性側は、イリーヤ-フォン-エルドラン伯爵の3女、システィーナ。こちらは性格も言動も真面目。美しい容姿をしているが、真面目すぎる子は苦手だ。


「本日の教練は、体力面だ。」

俺が伝えると多くの騎士たちが不思議そうな顔をした。どうしたのだろうか?もしや、いきなり刀を持てると思っていたのだろうか?そんなに甘いわけがない。


「グレン様。我々は、自ら言うのは気が引けますが、精鋭であるつもりです。体力面は問題ないと思われますが?」


そういったのは、勿論、真面目マンのシスティーナ。他の面々も何をふざけた事言ってるみたいな顔をしている。


「なら、勝負しよう。今から城壁へ上がり走る。5周回る間に俺を抜かせたら勝ち。もし、俺に後ろから抜かれたら、その瞬間で負け。負けたものは、すぐに修練場に戻るように!」

「それでは、はじめ!」


俺の合図とともに皆が走り出す。確かに他の騎士たちと比べれば速度も中々だが、俺には到底及ばない。俺の親父は、毎日死ぬほど走らせていた。おかげでか、俺は、短距離も長距離も負けたことがない。いつも親父のシゴキに堪えてたのは、いつか首切り落としてあの世へ送ってやるつもりだったのだが、あの訓練が今ではありがたく思える。


「おいおい!どうした!?先程までの勢いはどうした?精鋭の騎士っ通のは、こんなへなちょこか?」


俺は、時折振り返って彼らを煽ってみたが、差はどんどん開いていき、気づいたら最後尾の背中を捉えていた。いつの間にかここまで来てしまっていたらしい。5周回ったときには、残っているのは俺と団長たちだけだった。


「へぇ〜?ゴーセルもシスティーナも中々やるじゃん?お前たちは次の段階へすすめるな…。」


「本当ですか!?」

とキラキラ輝く目でこちらを向くチャラ男の上にイケメンなゴーセル。


「当然の結果ですね。」

と全く可愛げのない対応をする真面目マンのシスティーナ。


「では、一度戻ろうか…。」

「自分たちを過大評価していたようだが、評価に見合っていたのは、団長だけだったようだ。閉店時間を迎えたらもう一度やる。夜は、俺はいかんからな。システィーナ。代わりを頼む。明日の朝は、ゴーセル、お前だ。」


「片方だけですか?」


「ああ。片方ずつ個人修練だ。みっちりと鍛えてやる!」


「ずるい!」

「差別だ!」

「爵位で決めるんですか!?」


こいつ等、自分たちの使えなさを棚に上げてなんて口の聞き方を…。

なるほど…。一回上下関係を分からせておいたほうが良いみたいだな…。


「なら、君ら38名全員でかかってくると良い。君たちに強者とはどんなもんか。教えてあげるよ。」


「あ!?若いからって調子のんなよ?餓鬼が!!」


「おお〜。いいねぇ〜。来なよ。木刀がそこにあるから。勝てたら、君たちの意見を聞いてあげるよ?」


おお〜。怒ってる怒ってる。それに比べて、団長たちは理解してるみたいだな。格差ってもんを。年齢でいえば、一回りくらい違うけど。


「おお。やってやろうじゃんか。みんな武器とれ。」


「本気で来いよ?でないとつまらんからな。」


「その口黙らせてやる!」


全員で来いって言ってるのに一人で突っ込んでくるバカ。いるんだよねどこでも。俺は一応脇構えにして誘っては見たものの、上段構えは駄目だろう。中段で来いよな?


「死ねぇや!!」


「じゃあ…とりあえず寝とけ。」


俺は、構えのまま切り上げた。剣先が彼の顎に命中し、アニメの如く空中へ飛び上がった。


「ぷぎゃ!」


「はい!一人目終了。彼みたいに情けない声を上げたくなかったら纏まってかかってくるように。はい…いつでもどうぞ。」


俺は、中段に構え直し、彼らを一人ずつ叩きのめしていった。まとまってくるものの、連携が全く取れず、方にハマりまくった彼らは雑魚すぎる。まだ、喧嘩屋のチンピラのほうがまとも。我流だからどこから攻撃されるかわかんないし。38人倒すのに10分もかからなかった。こいつ等本当に精鋭なのだろうか。問題児を掴まされたのではないだろうか。


「申し訳ないです。グレン様。こいつ等実力はあるのですが、貴族としてプライドが高すぎるんですよ。父上からもバンバンやっていいと言われておりますので。」 

「叩きのめしてやってください。この者らは、剣の腕と学以外は、何もない奴らですので。爵位が高いために扱いに困っていたようです。」


俺の嫌な予想が見事に的中してしまった。こいつら従業員として、店に迷惑かけたら即殺してやる。


「お前らに先に言っておく。店で同じような行動とったり、客に失礼な態度をとったら即除隊してもらう。また、その場合は、陛下にそのままをお伝えする。一生騎士になれないだろうな。無論、団長にはなれない。プライドは、早めに捨てることをおすすめする。他のやつと区別してほしかったら団長達のように実力で示せ。以上だ。制服は特にないから普段着でいい。着替えたものから店に来い。」


俺は、そう伝えると一人で店へと向かった。俺は実力主義だから弱いやつは切り捨てる。部活のときも弱いやつには教えない。強いやつだけで優勝を目指した。無論、それ以外の時間で謝るのだけども。この世界では、謝る必要は皆無。選抜して強いやつだけ残ればいい。10人残ればもらいもんだ。

 

「とりあえず、説明書でも作ろうか。」


こっち来てからアルベルト様にこの国の言葉を教えてもらったのだが、驚いたことにひらがなも漢字も使われていた。初代国王が決めたらしいから彼は、日本人だったのだろう。おかげで、説明書が作りやすいのなんのって。商品の値札もしっかりと作った。そう言っても、最低価格が銀貨2枚レベルだから高いのだけども。


「店長!お待たせいたしました。」


最初に来たのは、予想通り、ゴーセルとシスティーナ。二人とも服のセンスが良い。モデルみたい。40人全員が美男美女だから儲かりそうだ。この店。


「ゴーセルは、何を担当したい?」


「選べるんですか?」


「お前たちは選ばせてあげるよ。実力認めてるからな。」


「なら、武器を。」


「なら、これ。武器に関する説明書。それぞれの金額も記載してあるから。手足として2人選んで連れてって。というか、他のメンバーを選抜して。男性騎士の配属は任せる。」


「了解です。」


「システィーナは?」


「別になんでも。余ったもので。」


「それも構わない。自分のやりたいものをやれ。お前にも人数分渡しておくから任せた。2人とも、問題等発生したら、俺は男性棟の4階にいるから呼びに来てくれ。」


「「了解しました。」」


「では任せた。開店時間、休憩時間、終業時間も明記してあるからそのようにしてくれ。」


大丈夫だろうか…。それから30分間で従業員は、全員集結した。


「では、今から1時間後にこの店を開店する。配った説明書をよく読んでおけ。陛下や公爵閣下の話では開店を心待ちにしている貴族が多数いるとのことだ。良いか?お客様は神様だ。しかし、値段交渉をしてくる客は敵だ。そういう輩が来たら俺に報告しろ。報告・連絡・相談を密にしろ。以上だ。」


「各員。配置につこう。」


俺は、彼らが店のことを覚えるまで外で待っていることにした。イールイの倉庫から良さげな椅子を拝借してきた。文句言われたら今度なんか買ってやろう。

「店長!各員準備が完了しました。ですが、本当に制服を揃えなくてもよろしいのですか?」


「ゴーセルとシスティーナは、揃えたいか?」


「はい!」

「ええ…できるのであれば。」


「分かった。ならば、少し在庫を確認してみよう。」


彼らのサイズは、男性は殆どがLサイズで24名。女性はMサイズでも14名。ゴーセルとシスティーナの分は、いいやつ選ばないと。良さげなコスプレでも買ってこようか…。建設頼んでから6日しか経過してないけど…まぁいいか。買い物しないとだし。


 血統スキル発動…『闇市場』!


「あなた!いつになったらグレン殿と取引させてくれるのですか!」


「そんなこと…俺が知るわけ無いだろう!」


「あなたとの用が終わったらいつも帰ってしまうじゃない!!」


「彼も忙しいんだ。」


「いつもそれじゃない!これ以上その態度なら出るとこ出ますよ私も。私はあの子よりも手強いですよ」


これ…。入っていいのだろうか?でもはいらんと始まらんし。ふう〜。

良し!


「よう!イールイ。ちょっといいか?」


喧嘩?していたと思われる彼らは、俺に気づいて動きを止めた。奥さん?と思わしき女性がこちらを目を輝かせてこちらを見ている。


「何か入用か?グレン。」


「男性用と女性用のコスプレ衣装が欲しい。」


「コスプレ衣装ですか!?なら!私に!!いいわよね!」


「あ…ああ。グレン?構わないか?」


「イールイも側にいてくれるよな?俺を一人残してくなんてしないよな?」


俺は、頼みの綱を手繰り寄せるようにイールイを見つめた。彼も俺が本気であることが伝わったのだろう。


「ああ。聞くだけ聞くよ。」


「それでは…グレンさん?何がお入用ですか?」


「男性用としてアサシンクリードIのアルタイルの衣装をLサイズで24名分。エツィオの衣装(白)をLサイズで1名分。女性用として執事服を14名分。エヴィ・フライの衣装を1名分。それと、アルタイルの鎧ver.エツィオ衣装をXL1名分。用意お願いします。」


「そんなに!?すぐには無理です!!」


「イールイ?どうにかなんない?」


「俺でも4時間はほしいな。揃えるならそれくらいはいる。海外製品が多いし、うちの娘にもコスプレ好きがいるから店はいくつもある。探させよう。」


「待つ分には構わない。6時間くらいなら待つよ。しっかりと探してくれ。」


「それだけあれば十分だ。ほらほら、早くせんと、時間なくなるぞ。行っといで。」


「なんで私が!」


「服のブランドは、お前の管轄だろうが。私にはわからん。」


「…。では、グレンさん。また後ほど。」


彼女は、奥へと走っていった。従業員を集めて探しに行くのだろう。こいつらの捜索能力はヤバそうだから集まるだろう。前回よりも時間はあるしな。


「んで?他にもあるんだろう?」


「お!よく気づいたな。イールイ。」


「そりゃ気づくだろう。お前が服のためだけに来るとは思えんからな。」


「まあ、あれは3つ目の理由だ。」


「ほう?残りの2つは?」

 

「住宅の建築具合の確認と武器や酒、化粧品等の追加の仕入れのためだ。」


「ああ。住宅は順調に動いてる。お前がふんだんに資金くれたから建設会社側もルンルンでやっとるよ。あとは、仕入れか。まあ、この前の仕入れのリストはあるけども、どれくらいいる?」


「まあ、大型トラック一台分くらいあればいいかな?」


「そんくらいか…。それなら予備が倉庫にある。ついてこい。」


「なあ。グレンよ。」


「あ?」


「また、頼みを聞いちゃくれねぇ?」


「言ってみろよ。確実に面倒そうだが。」


「向こうの世界には、魔法があんのか?」


「あるみたいだな?それがどうかしたか?もしかして…?」


「映像に撮ってきてほしい。」


「CGとかって言われておしまいだろう?」


「それでもいいんだよ。魔法を使った戦闘シーンの撮影で参考にしたいそうだ。」


「やってもいいが、以前と同様に期日はわからんぞ。うちの国に魔法使いがいるのかさえ知らないからな。」


「それでもいいさ。俺は、仕事を依頼したって事実がほしいだけだ。」


「それなら、まぁ…いいけど。」


「ありがとよ!ほらついたぜ。」


こいつ、面倒な仕事を増やしやがって!まぁ、今後、他の国にも支店を出していけば、魔法師ぐらいみつかるだろうが…。いつになるだろうか…。まずは、あいつらを育てて、一人前にしてからじゃないと安心して国外へ出れない。

「予想はしてたけど、6時間って長いな。」


「そりゃ、まぁな。ならよ、もう一個頼みがあんだ。」


「なんだよ。また、面倒なことか?」


「いや、これを受けてくれるなら、さっきの代金はいらない。」


「あ?結構な額になるぞ?それに見合う内容なのか?」


「うちの息子に剣術を教えてやってほしい。」


出たよ。面倒なことが。予想を超えてきやがった。


「教えるも何も、そいつは剣道とかやってんのか?」


「いや?我流だが?」


「ハァ…。で?なんのために?」


「今度、裏組織と取引があるんだが、そろそろそういう仕事を任せてもいい頃合いかと思ってな。そのために最低限の護身術を覚えてからだと思ってな。」


「だったら、柔道とか空手とか少林寺拳法とか合気道とか武道習えよ。なんで、剣道なんだよ。」


「あいつは元々、ブロのボクサーだった。チャンピオンにもなったことがあるんだ。ミドル級でな。そのときにそこらへんの武道は、クリアした。そこで剣道というわけだ。」


「あ…そう。」


「他人に教えるのは難しいか?」


「まあ、今も教えてる輩はいるから問題はないが。定期的に来れるかわからんぞ?」


「なるべく来てくれ。教練の費用は払う。武器でも弾薬でもなんでも提供するつもりだ。何なら移動手段でもな。今からいいか?」


バイクか、車がほしい。馬でもいいけど、俺は馬が好きじゃない。昔から乗ってたし、乗れないことはないけど。あの匂いが苦手だ。


「彼を連れてこいよ。その代わりに、前金で用意してほしいもんがある。」


「なんだ?」


「ランボルギーニのウラカンだよ。それのオプション全付き。それが前金だ。ガソリンもな。タイヤも強いやつでな。舗装されてねえから。」


「ハハハ。強いこと言ってもやっぱり若いな。良いだろう。用意する1時間もかからんだろう。燃料満タンで10回分の追加のガソリンも用意しよう。タイヤの予備もな。それならどうだ?」


「わかったよ。連れてこい。」


彼が連れてきた男性を見てちょっと驚いた。野獣みたいなやつを想像してたけど、真面目な青年みたい。でも確かに強そうなオーラはビンビンに発してる。


「こいつが俺の息子で元プロボクサーのケビンだ。ケビン、こちらがお前の剣の師匠のグレンだ。若いが凄腕だ。今のお前では雲の上の存在だよ。」


「強いのか?」


「まぁ、あなたよりは確実にね。」


「なら、試してみようぜ。」


「良いよ。プライドをズタズタにしてあげるよ。うちの弟子たちもさっきしてきたばかりだから。」


って、またやるのか。どこにでもいるんだな。こんなやつ。すんごい既視感。それも、さっきのやつと比べて型がないからお粗末すぎる。


「行くぞ!」


片手で振りかぶって片方の手で俺を掴む気?悪くはない手だけど、確実に実力が異なってる相手にやるのは自殺行為かな。

俺は、一気に彼の懐に入り、足首を払ったあと、顎、腕、腹の順で叩きのめした。そのために彼は床で伸びてる。


「強いな。流石はグレンだ。で?どうだった?」


「弱すぎだな。迫力とか考えを持ってくるのは構わないけど、相手の力量が全く図れてない。よくプロボクサーやれてたね。」


「一発で気づくとわね。こいつは、天性の喧嘩屋で、感覚でボクシングやってたから相手の力量とかさ考えたことなかったんだろうよ。」


「なるほど。起きたら、リビングに来るように伝えてくれ。動けるようになってからでいいから。」

・ 

それから30分後、彼より先に車が届いた。黒を頼んだんだ。白でも良かったけど。汚れるし。車に乗って乗り心地を確認してると彼が来たようだ。俺は、車をアイテムボックスへとしまうと彼を迎えた。


「俺の負けだ。悪かったな。教えてもらう身で喧嘩腰で。」


「なんだ?さっきとは別人だな?」 


「俺は、この世は弱肉強食だと思ってる。強いやつに頭を下げるのは道理だ。年齢や人種は」


ほ〜ん。良い考えの奴らだ。あいつらも見習ってほしい。実力の差を判断できないぼんくら共が。


「良い考えだな。相手の力量を判断できるやつは確実に強くなれる。」


「なんて呼べばいい?師匠でいいかい?」


「じゃあ、マスターで。」


「へ?」


「映画とかゲームとかアニメとかやってたときに、一度は呼ばれてみたいって思ってたんだよね。」


「それがいいなら、それにしよう。これからよろしく頼む。マスターグレン。」


「ああ。では、基本的なことから教えていこうか。」


俺は、イチから教えていった。武道に関する知識があったことで、すぐに理解してくれるので、大変気軽だった。おかげで休憩をはさみつつも、4時間で基本的な型は、覚えてくれた。


「ここまでかな?そろそろ時間でしょ。イールイ?」


「ああ。もうすぐ6時間経つ。ありがとな。また頼むよ。」


「わかってる。じゃあ、さっきの物資の代金は払わんぞ。」


「ああ。構わん。命には変えられんのでな。」


「言っとくが、今教えたのは、最低限のものだ。今のままでは、護身はできても相手は倒せない。それを忘れないようにな、ケビン!」


「理解しています。マスター。」


「じゃあ…行こうか。」

「お待たせいたしました。グレンさん。こちらがご注文の商品になります。代金は2万ドルになります。」


「は?」


「ですから、2万ドルになります。」


「イールイ。8000ドルも高くなった理由は?」


「配達費とか人件費とかだろうな。ないものは作ったのだろう。あいつの商品に紛い物はない。払っておくべきだな。」


「まあ、貰いもんは多いからな。じゃあ…2万ドルだ。イールイ確認してくれ。」


「ああ。確かに。」


「じゃあ…、帰るとするか。」 


俺は、商品をすべてアイテムボックスへとしまった。だが、気づいていなかったが、そういえば俺の力を知っているのは、イールイだけだった。


「今のは何!あなた!彼は何者なの?」


「言ってどうなる?信じないだろう。どうせ…。」


「隠さないで教えてよ。こんなの見てるんだから信じるわよ。」


「グレンは、異世界とこちらの世界を行き来できるんだよ。うちの家系の長子は、そういう人間との取引によって成長してきた。」


「じゃあ…彼は異世界で暮らしているの?」


「そうみたいだな。さらに言えば、王族との繋がりもあるみたいだ。」


「私を連れてって!!見てみたいの。他の世界を!」


「え?無理。物は運べても人間は運べないの。だから、こちらから向こうへも、向こうからこちらにも人は連れてこれないし連れていけない。」


「嘘よ!!連れてきなさい!」


「いい加減にしないと、娘さんと同じ目にするよ。俺は、うるさい女が大嫌いなんだ。」


「そうだ。失礼だぞ。」


「母さん。面倒かけるなよ。」


「うるさい!!私に逆らったらどうなるか、わかってるの?」


「どうなるんだ、イールイ?」


「どうにもならんよ。お前は、気づいていないが服飾ブランドは今は娘たちに預けてある。彼女たちが動けば、こんなにかからなかったよ。武力のことを言ってるなら、お前が雇ってた傭兵部隊は、地元警察によって拘束された。」


「え?」


「つまり、何もできないということだ。それとお前が浮気していたことは知ってる。相手方と話したら不倫とは知らなかったみたいで、謝罪してきたよ。お前とは今をもって離婚する。それと外に警察を待たせてるから出頭してくれ。」


「は?」


「覚醒剤所持してるだろ?勝手に借りた家から発見された。俺の名義で借りたみたいだが、不動産屋が教えてくれたよ。」


「そ…そんな。」


「今までありがとさん。あばよ。こいつを警察へお送りしろ。」


以前娘さんを追い出した黒人二人組が奥から出てきた。女は抵抗してたけど力ずくで連れて行かれた。


「凄いなお前の家は。」


「面倒なやつはこれで抹消できた。不快な気分にさせたな。いつでも来てくれ。」


「ああ。またな。イールイ、ケビン。」


コスプレ会に来ただけなのに、面倒なことに巻き込まれまくった。ああ…面倒臭い。さっさと帰ろう。

総資産

3億7970万円⇒3億7770万円


弟子がまた一人増えた。その代わりにもらったものが凄すぎる。

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