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12話〜歴史的大勝利?〜

今回は少し短めです

それから色々あった。みんな準備に忙しそうだったから、僕は公爵に一言言って、店舗へ戻った。防弾盾を取りに来たんだ。これをアイテムボックスにしまって増やした。これは、確実に必要になる。特に新装軍とm60の担当者は、弓矢が打たれれば、真っ先に狙われる。その対応策としても、この盾は有効だ。テロ用に設計されてるから木の矢が主流のこの世界では無敵の盾だ。


俺は、城に戻ると公爵から聞いた最上階のテラスへと来た。銃の準備をし、スコープの調整を済ませる。都合がいいことに風は吹いていない。ここから司令官を狙うついでに近くにいる強そうなやつを手当たり次第潰していこうか。


そうこうしているうちに、朝日が上ってきた。城内では、慌ただしく動く騎士たちの姿がある。また、城壁では、何かを積んでいる姿が見える。あぁ…盾か。


「グレン君…その長い筒みたいなものは、何かな?先程は持っていなかったと思うが。」


「これは、カーラーン王太子殿下。どうしてこんなところに?兵達の指揮をしなくても宜しいんですか?」


「俺は、近衛兵騎馬部隊の隊長をすることになっている。今回の戦では、東側の城壁の防衛を任されている。それより、その筒は何だ?そもそも、何で商人のお前がこんなとこにいる?」


へ〜…馬鹿じゃないんだ、こいつ。

だけどここ南側だろうに。


「この筒は、遠くの敵を倒すための武器ですね。扱いが他の武器よりも難しいので、今は販売していません。それとここにいる理由ですが、簡単なことです。さっさと戦闘を終結させ、店舗の準備をしなければ。」


「ほ〜…。随分とやる気なわけか。そうだ、その銃とやら、俺にも貸してくれよ。」


「嫌ですよ。これは、私の私物なんです。ほしければ、アルベルト様にどうぞ。予備があればの話ですが。」


「そ…それは。だが…そんな珍しいもの…」


「王太子殿下…!ここにいましたか!戻りますよ。」


「アルベルト!どうしてここが!」


「どうしてもこうしてもありません。持ち場が違うでしょうに。殿下の守備位置は東側でしょうが!」


「だが、それではこの者の戦闘が見えないではないか。」


「この一大事にそんな馬鹿なことを言わないでください。ほら、皆のものさっさと殿下をお連れするのだ。」


「「はっ!殿下、失礼いたします。」」


公爵の背後にいた複数人の身分の高そうな騎士たちは、王太子を羽交い締めにすると引っ張っていった。


「いやだ〜!!」


遠くから駄々をこねる声が響いていた。


俺は元の位置に戻りスコープを覗いていると遠くの方から土煙が上がっているのが見えた。それも一人や二人ではなく、部隊規模だ。場所は、王都手前にある森の街道。

いや、奴らの奥には、もっと多くの兵の姿が見える。


「アルベルト様。」


「ん?どうした?」


「偵察兵らしき部隊が、森の街道あたりに。更に後方には、更に多くの兵が見えます。そろそろ来るのでは?」


「何!?わ…分かった。おい!南側の城壁にいる部隊に連絡!配置につけ!敵が見えたぞー!!!」


「おおーーー!!」


アルベルト公爵の背後にいた伝令役が走ると各部隊がそれぞれの位置に向かっていく。僕も正直勝てるかわからない。サバゲーでは勝てても、こんな戦争で勝てるかはわからない。

「それよりアルベルト公爵」


「ん?どうした?」


「あなたもここにいていいんですか?」


「私は参謀総長だ。この城内で指揮を執ることが任務だ。」


「そこは理解しますが、ここにいていいんで?」


「陛下からの君のそばにいるように仰せつかっているのだ。」


「それなら…まあ。ん…?公爵。一人進み出てきたものがいるようですよ。」


王国軍の中から一人、大柄な騎士が一人進み出た。明らかに重要人物そうだ。


「俺は、王国軍東部方面軍第一騎士団団長、キース-ヘリングである。今すぐ、王族が投降するならば、騎士や市民の命までは取らない。さぁ!どうする?」


どうやっているかはわからないけど、遠くにいる彼の声がクリアに聞こえている。なんかの魔法だろうか。


「アルベルト公爵。あれってどうやってあんなでかい声出してるんです?」


「技能だろうな。スキルとも呼ばれている。」


「へぇ…。それとあの男殺してしまって大丈夫です?」


「ん?構わないが、この距離から殺せるのか?」


「殺せます。それと、この戦では総大将って生かして捕らえたほうがいいですか?」


「いや?殺して構わんだろう。できる限り殲滅したほうがこのあとの侵攻作戦が有利に進められる。だが、そんな事ができるのか?」


「この筒はそのための武器なので。とりあえず先ほど進み出てきた騎士と総大将、それと指揮系統を混乱させるためには本陣にいる連中を片っ端から殺していきますね。少し大きな音がしますので、少し離れていてください。」


「…わかった。」


俺は、スコープで敵の司令官を探した。この世界だけじゃないけど、大体の司令官ならば、後方の本陣にてふんぞり返っているはず。おお、いたいた。あの爺さんか、僕は奴の頭に照準を合わせた。距離は800~1キロ程度。これなら弾道もブレないし、今は無風だ。くたばれ、クソジジイ!


『ダァーン!!!』


俺の放った弾は、爺の頭を吹き飛ばしたまま、勢いが止まらず、後ろに控えていた重装兵の体を切り離した。立て続けに2発放ち、本陣の副官らしき奴らを消し去った。


これで、指揮系統は大幅壊滅。さらに立て続けに先ほど進み出てきた騎士の頭を消す。実力のありそうな騎士団長は消したが、それでも敵には騎士団が残っている。気を引き締めなければ。俺の銃撃を合図に、両軍が攻撃を開始した。


初撃【手榴弾による破壊】

⇒指揮系統を失った烏合の衆は、突撃を選んだようだった。愚かな…。そこに爆弾の雨が降った。城壁からの銃撃との同時攻撃だった。これの価値をすぐに見出した閣下も流石だ。というか、どうすれば城壁からあんなにも離れた敵軍に手榴弾を当てられるのだろうか。まぁ、固まっていた敵軍には効果的だった。

死亡者:3000名 重傷者:3000名

当初に望んでいた5000人を突破。大成功!


次撃【ブローニングによる殺戮】

⇒後方の状況が分からず、敵の正体不明の攻撃によって統制が取りづらくなっている前線と指揮官達の喪失によって指揮系統が崩壊した後方とでは考え方が異なる。前者は、どうやって戦えばいいのか、指示待ち。後者は、指揮官を失ったことで誰が指示を出すのか悩んでいる状況。それによって生み出された無抵抗な前線の部隊にに銃弾の雨が降り注いだ。

死亡者:6万人 重傷者:2万人


三撃【ブローニングとAk-47による掃射】

⇒先程の掃射にアークも加わり、敵軍にさらなる銃弾の雨が降り注いだ。

死亡者:5万人 重傷者:10万人


ここまでで、約1/4が戦闘不能に。それにようやく気づいたのが、総司令を失ったことで混乱していた後方の指揮官達。ここまで減ったのは民兵のみだが、民兵の7,8割がたは死亡したと見るべきだろう。

残るは、騎士約15万と民兵約60万。それも民兵は、左右に分かれて散り散りに逃げ出している。そりゃそうだ、彼等は軍人ではない。国にそこまで尽くす忠誠心などない。自分のみを守ることが先決。騎士達も止めようとするが、本体は後方にいるため手が足りず、無理に止めようとした騎士は逆に民兵達に殺された。先程威勢のよいことを言っていた男も早々に殺されていた。民兵の士気が完全に落ちたことを確認した陛下から降伏勧告がくだされた。


「民兵の諸君、投降せよ。今ならば命までは取らない。だが、投降せねば、地獄をみることになるぞ。私のもとへ来れば、戦争へは従軍させない。加えて、彼らのように徴兵も行わない。マーリン公国は、弱者の味方である。投降せよ!貴様らと家族のために命を大切にせよ。」


これは、酷く良く聞いた。逃げようとしていた民兵たちは、武器を捨てて城内にはいると、大人しく縄を打たれ、広場に集まった。助かったと泣いている者たちが殆どだ。残った王国軍は、後方に控えていた精鋭部隊15万人。


四撃【敗走】

⇒総司令官や多くの指揮官、全民兵を失い、騎士達も失い10分の1近くにまで戦力を減らされた王国軍は、早々に退却した。陛下は追撃はしなかった。アルベルト公爵は、王都周辺の領地を奪還するには無駄な犠牲は払えないとのこと。


この戦闘での被害


王国軍

死傷者

民兵22万人 騎士3000人


重傷者

民兵2万5000人 騎士2000人


投降者

民兵60万人


残存

騎士15万人

⇒指揮官クラスは全滅


結果

壊滅⇒何もできぬまま退却



公国軍

被害 

軽傷者

騎士5000人

なし



民兵達は、陛下の前に膝を屈し、武装解除していた。戦闘が開始してから半日どころか、たったの2時間。王国軍は、壊滅。こちらの死傷者は全くの皆無。圧倒的な大勝利だった。この噂は、民衆によって他国まで知れ渡るだろう。たった5万弱で100万に打ち勝った精鋭として。銃器を撃ちまくっただけだが。


因みに、記録用カメラは最後だけ回していた。銃は決して移さないようにして、騎士団との激戦のみ。良い記録映像だ。戦闘中も街の風景を遠巻きながら撮影していた。正直にいえば、ここまでの記録は、あとから聞いたもので、よくわからない。街を回っていたので。カメラの電池が切れるまで、映像を取り尽くした。それで…何もらおうかな。

公国を勝利に間接的にも導いた俺は、他国と公国の間に挟まれ、貴族のドロドロとしたものに巻き込まれるなんて、ことは起こらない。その前に面倒臭い奴らは、抹殺するからさ。それでは次回まで(^_^)/~

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