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ウェイク・アップ・フロム・コールドネス

エージェント、ジョン・スミスは七日間と十二時間かけてすべての人体を構成する細胞が解凍された。急激に解凍し覚醒させると脳を含めた、体、臓器のすべての細胞が破壊され崩壊しドロドロになって溶け出すおそれがあるためだ。

 これは、冷凍宙間長距離航行の超ロー・ファイル・プロトコル。

 解凍には、二人の解凍専門医とこの広域戦闘航宙艦、ブルネット級、<フレキシブル・ビッチ>の軍医が規定通り日に二時間づつ交代で付き添ったが、何の問題もなかった。

「完全に覚醒しました」

 少尉待遇の看護師、ジョアンナ・トンプソンが言った。それを聞くや、解凍医のドクター・スヴェンソンがジョン・スミスを覗き込んだ。

 冷凍睡眠から目覚めると吐き気が起こったり不快感を伴うのは、SFの映画やSF小説の中だけである。

 ジョン・スミスは、ごく普通に起きた、ただし、時差だけは、どうしようもない。

 エージェント・スミスの体内時計的には、日にち、年月は不明、07:30あたり。

「気分はどうだね、 なにか、違和感は?エージェント・スミス」

「前のダクノリア星系のときより、腹が減ってますね」

「冷凍睡眠の回数は、?」

「女に殴られた回数より、多いですよ」

 そう言うと、エージェント・スミスは、隣の看護師ジョアンナを見た。軽いセクハラ。看護師ジョアンナはもうモニター類を片付けつつある。

 エージェント・スミスの位置からは、死角だったが、一人の将校が現れた。襟章から情報将校だとわかる。

「現在<フレキシブル・ビッチ>の船内時間は、高意気投合標準時20:23、食事は、21:00より。排泄は22:00までに、ブリーフィングは、22:10より行う」

「もう少し、早く起こしてくれればいいのに」

「体がドロドロになって死ぬぞ」

「死んだように凍っていたのに?」


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