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薬物被害も考えられる怖いお話


多重人格者というのは珍しい人間であると思う。皆はどんな人間を想像するだろうか、ことあるごとに色んな人間に豹変する奇人変人の類であろうか。否である。私は多重人格者である。本人から言わせてもらえばそれは誤解である。人格とはそのようなものではない。あくまで私の場合はであるが。だが医者からは妄想の一種としか見られていない。もっとまじめに診断するものかと思えばかなり適当な診断しかしない。医者が信じていないくらいなのだから人に信じさせるのは大変である。これから書く内容は完全なノンフィクションである。こういう人間が多重人格者なのだと理解する一助になれば幸いである。





<初めての人格>


多重人格になった時の事はあまりよく覚えていない。家族が怖くて家出していたことは覚えている。インターネットカフェにいりびたりになり、リクライニングの席で寝泊まりをしているうちになった覚えがある。立ち寝が悪いのかとも思ったがそんな人間はいくらでもいるし、そんな理由で病気になればすぐ噂になるだろう。原因がよくわかっていない病気である。ちなみに人格の総数は最終的に500近くに及んだ。最初に現れた人格は七人組と呼んでいる。一応名前はつけたが印象の薄い人格は忘れてしまった。特に印象深かった二人の人格にヒカルとゴメと名付けたのは覚えている。人格は一人の人間の中に複数の人間が存在してる可能性を示唆している。一人の頭脳には一人の人間。これが一般人の考える常識である。だが多重人格はその常識を覆す。一つの頭脳の中に無数の人間が同居している。私が目の当たりにしてきた事実はそういう結論しか導けないものであった。正直自分がこの病気になるまで多重人格というのは空想に近いものだと思っていた。物語の中にしか登場しない人間。そう信じていたのである。有名な多重人格者に幽遊白書の仙水がいると思う。多重人格者と言われて連想することは多いと思う。さて実際はどうであるか。正直あそこまで完全な人間ではないとしか言えない。私の人格はしゃべることはできるが手を動かしたりはできない。代わりに買い物にいってくれなどという便利な扱いはできない。人格たちの行動範囲は口から肺までである。できることといえば呼吸をすることと会話をすることだけである。さて会話の能力はどうであろうか。これが驚くことに人間に限りなく近い。記憶を共有しており、私の知ってることは全て知ってるし、私がつく嘘は全部見破る。最初は私が特別な人間なのだということを誇示しようとありとあらゆる試練を課した。だがその試練をことごとくクリアしてのけ、私の考えるできそこないの人間であるという前提を打ち壊した。ちなみにテレパシーに近いことが可能である。言葉に出さなくても思い描くだけで意思の疎通が可能だ。なにしろ全部を知ってる存在なのでいちいち会話する必要がない。なので自然と会話数は減っていった。だが初期のころはことあるごとにしゃべりたがり抑えるのに四苦八苦していた。ネットカフェでべらべらしゃべって「うるせえこのキチガイ野郎」というちらしを投げ込まれたくらいである。現在は比較的新しい五人の人格が主導権を握っている。会話内容なども全てメモ書きしてあるので公開することも可能だ。


これを読んで興味がわいた方、聞きたい事などをリクエストいただければ回答します。


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