第一話「プレジデントの真里恵」
『メーカー名・車名(型式・グレード名)』となります(本編とは無関係)
私立風鈴学園。地元では知らぬ者のいない有名な『お金持ちが通う学校』である。
そんな学園は丘の上に建ち、毎日登校時間になると正門に通じる道が高級車の群で渋滞になるのも、風鈴学園を知る地元では知らぬ者のいない光景である。
ただ最近、この渋滞を軽快にすり抜けて道を登る1台の単車がいることを知らぬ者は多い。
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「はいはい通るよー、失礼するよー。
いやいや、相変わらずここは酷いし壮観な光景だなー」
私は緩やかなアクセルワークと荷重移動で、メルセデス・ベンツやら、BMWやら、ベントレーやら、ロールスロイスやらetc.の高級車をパスして丘を走り抜けていく。
いやはや、一応片側二車線なのと、各家のドライバーさんが安全運転意識が高いのが救いだ。
ぶつけたら、金銭面より人間関係面で面倒だし。
「はい到着ぅ!」
すり抜け走行(※危険なのでマネしないで下さい)は終わり、半ば私の単車で貸し切り状態の屋根付き駐輪場の何時もの場所に、愛騎たる『ホンダ・CB400SF』を停める。学園の警備は半端ではないので、ハンドルに被っていたフルフェイスを引っ掻け、いざ行かん校舎へ!
「晴万さん、おはようございますですわ」
高級車の群れが列をなす正門ロータリーで、砂糖菓子みたいに甘いのによく通る声で、ちょっとずれたお嬢様言葉の"あの子"に出会った。
「おはよープレマリぃ。相変わらず立派な8連グルグルドリルツインテだねぇ」
「晴万さん、これはカールですわ、カール!グルグルドリルなんて変な呼び方止めてくださいまし。
そして、私は『大綱万里恵』とゆう立派な名前があり、皆さん『大綱さん』か『万里恵さん』と呼ぶのに、その変なあだ名で呼ぶのは晴万さんだけですわ。まったく…」
このあらかた自ら説明してくれた彼女『大綱万里恵』は私の数少ない友人だ。
彼女は色々スゴい。
彼女の祖母に北欧系の血が混じっているらしく、それが隔世遺伝。キラッキラの蒼眼に、絹みたいにサラッサラの金髪をこれでもかとグルグルしたモノを左右に垂らし、小柄なボデーにボンキュッボンでちょっと空回りな言葉遣いを含めてもマジ一発ハm…ゴホン失礼。
あ?私?よせやい聞くなよ…
…気を取り直し、大綱家は日本政界の重鎮中の重鎮(閣僚級政治家とか、高級官僚さんがゴロゴロいる)。
うん!小説とか、漫画とか、アニメの2次元の人物ですかと言いたいくらいのスペックだ。
さて、彼女がご不満の『プレマリ』とゆうあだ名だが、これは彼女が毎日『日産・プレジデント(G50型・ソブリン)』で登校していることに由来している。
この学校に自動車登校する輩が揃いも揃って高級外車で登校するなか、見た目ほぼ外国人の万里恵が国産車、しかもG50型は生産終了から早12年落。
仲良くなってまず理由を聞いてみたら『小さいときから迎車なので、あれ以外に乗る気になれないから、買い換えもせず、あれのまま(意訳)』らしい。
その時私は感動のあまりフレンチキスからのベロチューを敢行しようとしたが、以外と武術を身に付けていた彼女に迎撃され未遂に終わった。
かくして『プレジデントの万里恵』略して『プレマリ』のあだ名が誕生し、私とプレマリの友情はより一層(私としては)深いものになったのである。
「晴万さん?どうされたの、遠くを見つめて?」
「あぁ、プレマリベロチュー未遂無念を思い出して」
即座に顔が真っ赤になるプレマリ。
「もぉ!あれは事件ですわ、事件!
そんなことより教室に行きますわよ!」
グヘヘ、後ろから見てもいいカラダしてるぜ…
私は今日も今日とて、フルスロットルだ!




