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視点をチェンジしてみました(笑)
どなたか、お分かりですよね。
あの日、我がその森を見つけたのは偶然だった。
女神ファムジーヤの気が色濃く残った、人に汚されていない場所。
空から見つけた瞬間、我慢ができなかった。
音を立てずに大地に降り立つと、不要になった翼を背中に仕舞う。
「懐かしい気だ」
吐き出された息が、ひげを揺らす。
大地から伝わってくる波長に、我は微睡んだ。
あの、不可思議な人間の娘が現れるまでは…
我を恐れない娘ー
まことか分からぬが、女神ファムジーヤの加護がない、異世界から来たという娘。
人など、欲ばかりで女神の恩寵に値しない下等な生き物のはずなのに、美月という娘の側は居心地がよかった。
くるくると変わる表情
次々と変わる話。
落ち着きのない、がさつな行為にしか見えないはずなのに、不思議と沸き立つ感情は、愛しいと言えるもの。
女神ファムジーヤへの気持ちとはまた異なる想い。
側にいたい
話を聞きたい
いつも触れていたい
どこから、湧いてくるのか…
我にも分からぬ。
神の庭では、感じることはなかった。
この感情は、我を動揺させ、我を高揚させる。まったく、不思議な娘よ。
毎日、この場に来るために、天翔ることもいとわぬ。
この愛しい存在を何と呼ぼうかー
なかなか、もう一人の主人公が出てきません(;^_^A