エピローグ
-なぁ、ナーシャちゃんよ?本当にいいのか?-
「いいんだ。…確かに少し惜しい気もするけど、私は私の道を行くさ。」
-ひゅーひゅー!かっこいいー!-
「…茶化さないでくれないか?」
-いや、ナーシャちゃんってからかいやすいんだよね。-
俺がホワイト・レッサードラゴンを美味しく頂いた後。
ナスターシャは村人達を集め、癒やし、村の復興に取りかかった。
彼女からは村の復興にある程度目処が着くまで留まりたいとの要望があったため、村には3ヶ月ほど逗留した。
生き残った村の男達に混じって触手で資材を運んでいたらいつの間にか村の中にすっかり馴染んでしまい、ナスターシャに背負われていないと子供達が寄ってくる。
ミミックたる俺を恐れる村民は皆無だった。
ナスターシャ様が連れて来たなら大丈夫だそうだ。
……もはや信仰レベルじゃないか?
まぁいい、とにかくそんな俺の協力もあって村の復興は順調に進んだ。
破壊されていない家が数軒残っていたことと、村はずれに固まっていた畑や農地は無事であった事があり、時間はかかるが元の生活を取り戻せるだろう。
村に新しい家が五軒建った日の深夜、ナスターシャは俺を背負って村を出た。
もう村は大丈夫、次は貴方との約束を果たす番だと笑う彼女に村に逗留する時間の延長を提案したが、受け入れなかった。
おそらく、彼女なりのけじめをつけたのだと思っている。
現在俺はナスターシャの背に揺られて夜空の下を進んでいる。
背中越しの彼女の足取りに迷いは無い。
-…またいつか、顔をだそうな?-
なんだかんだいって俺自身もあの村を気に入ってしまった。
「そうだな。またいつか、だ。」
-ああ、またいつかな。-
そこでふと足を止めたナスターシャは、振り返ると少ししんみりした空気を吹き飛ばすように笑顔を浮かべた。
「さぁ、まずはどこに向かおうか?」
いつの間にか昇り始めた太陽が、村から上がる炊事の煙を浮かび上がらせる。
かつての黒煙とは真逆の、再生を表す煙だった。
Fin
皆さんの意見の多さから、次作もミミックになりそうです。ご意見、ご感想等まだまだ受け付けておりますのでよろしくお願いします。
最終話は頑張っていい話風にしてみたんですが……疲れた。




