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クロス・ワールド  作者: 小来栖 千秋
PART Ⅰ
37/118

終章 ゴールを目指して Ⅱ

 

 部屋は相変わらず薄暗かった。

 薄暗い部屋には相変わらず様々な光が明滅していた。その光が部屋を微かに照らしている。

 その部屋にシンジはいた。

 やはり防護スーツからスールルックな服装に変わっている。

 そのシンジの視線は別の部屋を映しているモニターに注がれていた。

「来ないですね……」

 じっとモニターを見ているシンジに、モニター前の椅子に座っている白衣を着た男が話しかける。白衣を着た男はコンピュータ機器を操作して、モニターに映し出される映像を切り替える。

 切り替えられたモニターには、部屋がある建物の外の様子が映し出される。

 建物の外は市街らしく映し出された通りには、人の往来が激しい。通りを歩いている人々は老若男女様々だ。

「ここの位置を知らないという可能性もあるな」

「なら、過度な警戒は解いたほうがいいでしょうか?」

「いや、当分は様子を見よう。奴らが『時空扉(タイム・ドア)』を奪い返しにくることは明白だ。こちらもしばしじっとしておく。我々も部下を多大に失い、貴重な砲火器も失った。無闇に外に出てユウキを狙うチャンスを失うばかりか、これ以上の戦力を失うのも避けたい。こちらの場所を勘付かれる可能性もあるしな。その間は『時空扉(タイム・ドア)』の解析を急がせろ」

「……了解しました」

 一通りの指示を出したシンジはモニターから視線を外し、薄暗い部屋を出ていく。

 部屋を出た先はまた薄暗い廊下だった。

 その先に別の部屋に通じるドアがある。そこへ向けて歩くシンジは思う。

(全てが上手くいったわけではないが、第一段階はクリアだ)

 世界の流れは、歯車が連結して動いているように止まらない。

 歯車を止めるスイッチを押さなければ、その流れは止まることはない。そのスイッチの一つをシンジは手に入れた。

 これだけで流れを止めることは叶わない。

 薄暗い廊下を歩くシンジはキッ、と先を見据えながら、また思う。





(次こそはユウキを捕まえる)





 と。



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