1/118
序章 交わりの始まり †
世界は今を生きている現実だけだと、どうして言えるだろうか。
選択を迫られた一点から、それぞれに枝分かれした世界がないとどうして言い切れるだろうか。
そのような世界は存在しえるかもしれない。
それらを確認する術はないが、それらの世界が交われば、それが証拠と成りえるのではないだろうか。
そう思ってしまうのだ。
いつか複数存在する世界が交わる時が来たとして、人間はその世界の存在をどのように捉えるのだろうか。
肯定するだろうか、否定するだろうか。
いや、そもそも共存できるのだろうか。
それらの杞憂はその時が来てみなければ分からない。
しかし、人――あるいは世界は寄り添いあって生きていくことが出来ると思うのだ。