星空
空を見上げると、星空が見えてくる。
その星空を見上げた時太郎は、ふと苦楽魔の天儀台と呼ばれた部屋で見た星空を思い出した。
「あの天儀台って部屋の星空は、この星空と同じなのかな?」
「ああ、あの星空はこの惑星から見た星空ではないのです。地球と申す、この惑星から遙か何百秒差距も遠く離れた場所から見た星空なのだそうです」
翔一の予想外の答に、時太郎は「えーっ?」と顔を上げた。
「そりゃ、どういう意味?」
「わたくしにも良く判りません。ですが、この世界は惑星と申す球体のような世界で、昼間に見るお日様の周りを回っているそうなのです。お日様の周りを一年かけて回り、それが一年の暦となっているのです。天狗はその暦を作成するのが仕事なのです」
「それで、地球ってのは、なんだい?」
「地球とは、光の速さでも何十年も、いや、何百年何千年も掛かるほどの遠くにある世界で、そこからこの惑星に人々が天翔る船に乗ってやってきて、現在のような世界を作ったと言われております」
星空を見上げる翔一の口調が楽しげなものに変わった。
「時太郎さん、お花さん。わたくしは、京の都に行くのが楽しみなのですよ。なんでも聞くところによれば、京の翔遡宇院という博物館には、古い記録が途轍もなく沢山の量、残っているそうなのです。わたくしは、そういった古記録を一目、見てみたい! 古い暦の記録とか、色んな物があるでしょうね……」




