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温もりの残るうちに、あの人の名前を

作者:Nuit et Verre
名前も、帰る場所も、忘れてしまった。
けれど、温かいカクテルの湯気の向こうで
“誰か”の笑顔だけが、ぼんやりと浮かんでいた。

記憶をひとつ取り戻せば、ひとつを失う。
そのバーでは、それがルールだった。

苦い過去も、ほどける約束も、
罪を含んだ優しさも——
グラスの底には、静かに眠っている。

思い出すたびに、何かが欠けていく。
それでも彼は願う。
「もう一度、あの人の名前に触れたい」と。

温もりが残るうちに、
まだ呼べなかった名前を、そっと。
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