【プロットタイプ】この人に泣かされました
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
大体ガールズラブ。
そして最後に瑠衣から鏡花に対する敬愛があります。
大なり小なり、皆言えないことあるし、その事に居場所がないって思ってる。
それに居場所を与えてくれた人間に、やっぱり依存する。
世の中には人を依存させるのに長けた人間が存在する。所謂、メンヘラホイホイとか、メンヘラ製造機、と呼ばれる生き物である。
そして私の友人にも一人、そんな人が居た。その人は何時も何考えているのか分からない不思議ちゃんで、独特な世界観を持っていた。それ故に万人に好かれる様な人間では無かった。
けれども決して相手の言うことを否定せず、過度に驚きもせず、最終的に受け入れてしまうその様は、付き合いが長い人間は総じて虜になった。
この子ならば、私を受け入れてくれるだろう。甘えても良いだろう。依存してしまいたい。
あぁけれども彼女の本質はそれと真逆。依存する事を決して許さず、そうなろうものならば容赦なく突き放すタイプの人間だった。
其れでもまぁ、一度浸かってしまうと中々離れる事は出来ないのである。
「瑠衣たぁーん。クソみたいな人格で、クソみたいな不貞の話してもいー?」
床中を転げ回る鏡花は、何時も以上にだらしのない声で俺にそう問い掛けた。此奴の言う『不貞』は一つしか思い浮かばない。長らく同性でありながら懸想を続ける友人の話だろう。
だが何時もの様な湿度の高さは無かった。言葉通り、人格その物を根こそぎ変えたのか、何処かあっけらかんとしている。
「好きにしろ」
「やりー」
そう返事をすると、鏡花はツラツラとその友人の話をし始めた。
何時も何を考えているのか分からない変人であること。けれどもその外れた感性故に大抵の事は受け入れてしまうこと、それ故に皆、重たい話を持ち寄って、少ならず依存していたこと。
支えて欲しい。傍にいて欲しい。実は私――。 卒業間際の別れ際のカミングアウトで、皆、目を丸くした様だった。なんせ、最初か最後に『これ、〇〇にも言ったんだけど』と括ったものだから。
その様がまるで『この人に泣かされました』とでも言うような、ドラマの一場面を見ている様だった。
「皆その子の事が大好きで、友愛以上の何かを持ってたんだろうなって思ったんだよ。私だけじゃ無かった。そんな話をふと思い出した」
それから、俺の袖を引っ張って、ただ淡々とこう言った。
「皆さ、心の何処かで人には言えない悩みとか、大なり小なりあるんだよ。其の居場所をくれたら、もう好きになっちゃうし、依存しちゃうよなって」
「そうだろうな」
俺の人形好きに理解を示したお前のように。それに対して深い安らぎを覚えた様に。直接は言ってやらないが。
ほらー、依存しちゃう登場人物が出てくる漫画、見た事あります?
恋愛じゃなくても、バトル、スポ根でも何でも良いんです。ジャンルは関係ないんで。
これね、依存するのも悪いんですけど、依存させる側も悪気なしに責任あるんですよ。
人間、大なり小なり、居場所がないって思うこと、あると思うんです。
この居場所がないの意味、つまり、人には言えない、言いたくない趣味とか、秘密の事。
何故『言えない』って思うのかと言われたら、『言ったら否定される』『拒まれる』と思っているから。
ナイーブな拠り所が無くなってしまうから。
だから基本的に言わないし、他者に受け入れてもらおうという気概がない。
それに対してなんかのきっかけで話しちゃって、居場所を与えれると、依存しちゃうんですよ。依存体質に関わらず。
ガチガチに依存体質を思わせる様な子も、実際そんな事はなく、根底は一緒。
ただ『居場所がない』と思うウエイトが、自覚、無自覚関わらず、人より遥かにデカい。人格全てを形成する程にデカい。人を頼ることを諦める程に。
まぁそんなところにスルッと入り込んで、居場所与えちゃったら、もう依存されるの明確なんですよ。
自分の思惑関係なしにね。
だから与えた側にも責任あるよ。という話。
でもこれやる側の人って大抵無自覚。
『お、この子のこういうところ良いじゃん』『よく頑張って話せたねぇ〜』『まぁ、私もそういうところあるし』なんて考えで返しちゃうから。
トーンとか気持ちが皆が思ってるより明るいし、軽い。
で、ガチめに依存されるのに気付いたとき、
『え、そんなつもりで言ったんじゃないけど?』
って言っちゃうんですよ。
だから『この人に泣かされました』。
悪気なくドツボにハマらせて、悪気なく突き放す。
メンヘラ製造機。