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紅腕の白魔女  作者:
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17/20

ep.17 【移動円卓陸上舟艇キャメロット】出航!

アーサー「まだ全部は聞けてねぇが、しょうがねぇか。」

スカーウ「戻ろう。」

アーサー「そうだな。」


城の上部は崩れさり、下に降りる階段は瓦礫に埋もれ見つからない。諦めて2人は隣の屋根に飛び移り、降りられそうな場所を探すが


ウヴーーーーッ!!


巨大なサイレンがサテライト内に響く。


スカーウ「なんだ。」

アーサー「予想通りだな。」


アナウンス『全機導軍に継ぐ!たった今キング・ホートが殺害された!第2機導隊隊長アーサー、同じく第2機導隊スカーウをこれの実行犯とし、重要指名手配する!総員直ちに王城へ確保へ迎え!』


スカーウ「なるほど、王殺しを言い訳に第2を潰す気か。」

アーサー「アイツが死んでも俺達を殺そうとするって事はどうやらキング以外にも魔人はサテライト内にいるようだな。そんじゃ、逃げるか。」

スカーウ「どこへ?」

アーサー「そろそろだ。」


ズドオオォンッ...


王城近く、第2特殊機導軍の兵舎があった場所から轟音と共に巨大な影が現れる。

その影は全長およそ200メートル程の大型の船のようだが、何故か戦車のキャタピラのようなものが付いている。

少し不細工な形をした物だ。


???『ザザッーえー聞こえるか犯罪者共!』

スカーウ「この声は。」

アーサー「ギャラハッドだな。東のサテライトに向かうように言ってたはずなんだが...」

???『おいそこの犯罪者!あの、その屋根の上の2人!』

アーサー「見えてんのかよ。」

???『この船まですぐ来て!2人が到着するまで私が守ってるよ〜!!』

アーサー「犯罪者呼ばわりされたし、気長に歩いて行くか?」

スカーウ「ふざけるのはここまでだ。行くぞ。」


2人は屋根から飛び降りすぐあの船へ向かう。


スカーウ「そもそもあれはなんだ?」

???『それは私の口から説明しよう。』


突然スカーウの通信デバイスが起動する。


スカーウ「その声はマーリンか。」

マーリン『左様だ。あの船はつい先程アーサーに頼まれてね。急ぎで(ペリノアが)作った【移動円卓陸上舟艇キャメロット】だ。我ながら素晴らしい設計だ。その操舵室は円卓の会議室をそのまま使っているよ。と言うのも兵舎をそのまま船にしたようなものだからね。君達にとっては見慣れた内装だろう。』

スカーウ「そう言うのは後で聞いてやる。アーサー、説明しろ。」

アーサー「元から分かっていたことだ。もし俺達がキングを逃がさず殺せたとして、その後俺達は晴れて英雄とはならない。キングにとって都合の悪い事はこれまであの【大魔法】ってので消されてるだろう。だから俺達は独裁者を殺した英雄ではなく理想の王を殺した大犯罪者だ。」

スカーウ「あの船はどこまで行ける?」

マーリン『少し遠いが、東に行けば凍った大洋がある。【キャメロット】なら氷を割って海を進める。その問いに対しての正しい回答は、何処までも行ける。』


???「安心して。逃がさないよ。」


目の前に青い軍服を来た子供が突然現れた。

スカーウとアーサーはすぐさま離れる。

【キャメロット】にすぐ向かいたいが、確実にそれを意識している位置取り。


スカーウ「何者だ。」

???「どうせ死ぬんだ。教えても意味が無いよ。だから隣の人に聞きなよ。」

アーサー「アイツは...第1機導軍、コラド・ウェルシュ・ドライゴ分隊長だ。」

スカーウ「第1機導軍の分隊長...」

ウェルシュ「自己紹介終わり。」


ズドンッ!!


上空から鉄の塊がウェルシュの背後に落ちた。

その鉄はキイィーンッと起動音を鳴らすとガチャガチャと開き、四足歩行に大きな翼、長い尾と首に巻角の生えた頭部、真っ赤なドラゴンに変形した。


スカーウ「機械の竜か。」


ウェルシュ「自分で紹介していないから自己紹介にはならないか...別にいいよね。」


ウェルシュがスカーウに指を指す。

ドラゴンがガジャコッと口を開くと、スルトを彷彿とさせるとんでもない火力の火炎放射が吐き出される。


ズバシャァアッ!!


スカーウは地面に右手を付けると、下から水が壁のように溢れ出し火炎放射を防いだ。


ウェルシュ「噂通りだ。本当に魔法が使えるなんて。」

スカーウ「これは警告だ。どけ。」

ウェルシュ「僕はいいけど、この子は嫌そうだ。」

アーサー「やるしかねぇな。」

スカーウ「スクラップにしてやる。」


ギャラハッド『ザザッーごめん緊急〜!かなりマズイ!』


突然の通信に一同が固まる。

アーサー「ギャラハッド!大丈夫か?!」

ギャラハッド『厄介な人が来たよ〜!』


ー【キャメロット】乗船ブリッジにてー

ギャラハッド「流石に本気になり過ぎじゃないかな?」


船を取り囲む武装した軍隊、それを指揮するのは軍服と言うよりもドレスのようなアレンジが施された制服に身を包む可憐な少女だ。


ニミュエス「彼らがこの船でサテライトを出ようとするのならここを抑えるのは当然のことですわ!わたくし、第1機導軍分隊長のミニュエス・パレスパルスがあなた方の御相手をして差し上げますわ!」


ー王城前にてー

アーサー「ミニュエス分隊長も来たか...!!」

マーリン『第1機導軍が【キャメロット】を包囲している。一刻も早く出航しないと、サテライト外の劣悪な環境に耐えられない程のダメージを受けてしまう。』

アーサー「ペリノアとトリスタンは?!」

マーリン『出航直前までエンジン部の調整中だ。』

アーサー「すぐには来れないか...どうすりゃ...」


???「遅くなったね!」

???「遅くなったな!」


ー【キャメロット】乗船ブリッジにてー

ギャラハッド「やっと来た!シュラソー!」

シュラソー「悪ぃなぁ。コイツの調整に時間がかかってよぉ!」

シュラソーが取り出したのは短刀のような長さで先端には丸いチェーンソーが取り付けられた2本の武器だ。それぞれのソングホールを長めの鎖で繋いである特殊な形状である。


ニミュエス「貴方は確か、第2機導軍の...」

シュラソー「シュラソーだ!」

ニミュエス「わたくし興味の無い人間の名前は覚えない主義ですの。生憎存じ上げませんわ。」

シュラソー「俺に負けたって墓標に刻めよ。覚えられなくてもいつでも分かるだろ?」

ニミュエス「特殊なプロポーズですの?」


ー王城前にてー

頭上を過ぎる巨大な影に向かいドラゴンが自動で火炎放射を吐き迎撃する。

その炎をバサッと切り分け滑空からすぐ上空へと飛び回るのは見覚えのある紙で出来たような鶴だった。


アーサー「織姫!助かった!」

織姫「東のサテライトに向かって出発した時、マーリンから緊急招集があったの。ギャラハッドが護送機をすぐサテライトに戻してくれて、戻ったと思ったら城が無くなっててびっくりしたよ。」

スカーウ「このまま【キャメロット】に向かえるか?」

織姫「任せて!」


ウェルシュ「逃げられた。」

???「ソイツに乗れば追えるだろ?」

ウェルシュ「僕に与えられた命令は「ここ」で彼らを足止めする事だ。追跡じゃない。」

???「ほんとめんどくさがり屋だな。」


小さくなる3人の背中をウェルシュが眺めていると背後からもう一人、青い軍服の人間が現れた。

その背中にはアーサーと似た剣が背負われていた。


???「まぁいいさ、適当に逃げられましたって言えば大丈夫だ。」


振り返り際にドラゴンの翼を断ち切った。

翼が地面に落下するまで剣を抜いた事すら気付けなかった。


ウェルシュ「何のつもり?」

???「翼の1本や2本取っとかないと「なんで追わなかった?」ってなるのは当たり前だ。むしろサボりをバレない口実を作ってやったんだ。感謝しろ。」


男の影は闇夜に消えていった。

ウェルシュは男の気配が無くなるまで、闇を睨み続けた。


ー【キャメロット】乗船ブリッジにてー

シュラソー「いつまで睨み合うつもりだ?」

ニミュエス「睨み合ってるつもりなんてございませんの。わたくし共がその気になればこの船なんて、すぐ制圧できますわよ。」

シュラソー(おい!いつになったらあいつら来るんだよ!)

ギャラハッド(知らないよ〜!すぐ来てって言ったけど...もしかするとあっちで足止めされてるのかも...)


まさに一触即発、お互いが武力行使を避け、重い空気が漂う状況。

そこに


アーサー「おーい!!!」


向こう側から鶴に乗った3人がこっちへ向かってきている。


ギャラハッド「来た!」


全員の注目がアーサーへと向いた時、ギャラハッドはすかさず【キャメロット】に乗船した。

ゴウウゥゥンッと【キャメロット】の機導エンジンが起動する。


ニミュエス「逃がしませんの!行きなさい!」


ニミュエスの指示で第1機導軍が一斉に攻撃を開始する。

銃を構え、【キャメロット】内部を制圧するため乗り込もうと近付く後ろで、キャタピラを狙いランチャーを構える軍人が居たが、そのランチャーに謎の武器が突き刺さり暴発を起こす。

ジャラララッ

鎖を巻き取りランチャーへ投げた小さいチェーンソーはシュラソーの手元へと戻った。


シュラソー「させねぇよ!」

マーリン『今だ!シュラソー君!』


シュラソーが再びチェーンソーを投げようと構えたのを見た第1軍人は身構え、防御の姿勢を取った。しかしシュラソーが投げたチェーンソーは軍人の方ではなく、【キャメロット】のイカリを繋ぐ重厚な鎖の方へと飛んで行った。

眩い火花を散らし、鎖が断ち切られると、遂に【キャメロット】は前進を始めた。


マーリン『さあ行こうか!【移動円卓陸上舟艇キャメロット】出航!』


シュラソーは自身の武器の片方を【キャメロット】に繋がっている方の断ち切った鎖へと引っ掛け、ぶら下がるように【キャメロット】へと乗船した。


第1軍人「進路を塞げ!」

第1軍人「戦車を並べろ!」

第1軍人「ゲートまでの直線の国道を使う気だ!」


第1軍人は慌ただしく【キャメロット】の進路に持てる限りの車両を並べるが、【キャメロット】の大きさの前では無力だった。【キャメロット】は戦車や護送車を踏み潰し、速度を上げながら王城前の国道へと侵入した。


織姫「そのまま降りるよ!」

アーサー「待て待て待て待て!!!」


ズシャァアアッ!


やはり3人を乗せるにはヤマオリの飛行能力では限界だったようだ。崩れるように甲板へ不時着する。


アーサー「てめぇ、不時着するつもりならもっと前から教えろよ!」

織姫「えへへ...」

スカーウ「助かった。」

織姫「スカーウは優しいね。それに比べてアーサーは...ヤマオリも頑張ったのに拗ねちゃったじゃん!」

アーサー「俺はヤマオリじゃなくて、落ちる直前まで言わなかった織姫に怒ってんだよ!」

ギャラハッド「ちょっとだけ助けて欲しいかも〜!」

アーサー「どうした?ギャラハッド。」

ギャラハッド「このまま国道で正門からサテライトを抜けようと思ったんだけどね...」

アーサー「いつもみたいに俺のパス使えばサテライトのどの設備も動かせるんじゃ...あ。」

ギャラハッド「お尋ね者のパスは剥奪されたんだよぉ〜。」


ギャラハッドがニヤニヤと操縦席から甲板のアーサーを野次る。


アーサー「最悪だ〜...これまで地位で融通を効かせていた特権がぁ〜...。」

織姫「時々良くない使い方だったけどね。剥奪されて良かったんじゃないかな?」

マーリン『さぁおふざけはこの辺までにしておこう。』

スカーウ「マーリン、手はあるのか?」

マーリン『一応この船なら船体を沈めて潜航する事は可能だが...この辺りは地下にも軍用通路がある。それに、外壁付近は坑道もある。潜って壁を越えるには、周囲の地盤沈下の恐れがありすぎる。ここは申し訳ないが、あの正門をぶち破るしかないね。』

織姫「マーリンまさか...そのまま船をぶつけるなんて言わないよね?」

マーリン『私だってこんなやり方は気が進まないさ。』


【キャメロット】は速度を落とすどころか加速し、城門を破壊するべく最高速度に到達しようとしていた。


シュラソー「衝撃に備えろ!」

スカーウ「待て!」

マーリン『様子がおかしい。』


【キャメロット】が城門に近付くと、何故かその堅牢な城門が開いたのだ。

ゆっくりと城門は開き、その開き切る前の巨大な両開き扉は【キャメロット】の側面をガリガリと嫌な音を立て擦った。

【キャメロット】が城門を抜け切る刹那、城門の操作室に、アーサーは懐かしい人影を見た気がした。


アーサー(いや、まさか...な...。)

スカーウ「アーサー!」

アーサー「どうした...?!」


スカーウに呼ばれ彼の指差す方角を見るが、そこには驚きの人物がゴーストワイバーンの上に立っていた。


スカーウ「また会ったな。スルト。」

スルト「お久しぶりです。」

エーギル「へぇ、コイツが...いいツラしてんじゃん。コイツのハートを撃ち抜けば言い訳か?」

スルト「真面目に。」


ゴーストワイバーンが2匹、そしてそれぞれにあの魔人が乗っている。


アーサー「最悪のタイミングだな。」

シュラソー「やる事は変わんねェよ。誰が来てもぶっ飛ばす。」

トリスタン『後方より急接近反応あり!!』


ズドッ!!!


何かが甲板に直撃する。砲撃のようだが、爆発が無い。煙はすぐに上がった。そこには目視可能なほど濃度が高くとても禍々しい魔力をゆらゆらと漂わせている、黒い鎧に身を包んだ騎士が居た。


アーサー「見間違えじゃなかったみてぇだな。」

シュラソー「まじかよォ...。」

マーリン『そう来たか...!』


アーサー「久しぶりですね...兄者...いや、ケイ卿よ。」


サテライト編もう少しで終わります。

まさか国王が魔人側、倒したと思えば機導軍と敵対、脱出したと思えば魔導師のアトリエがお出迎え、挙句の果てにはアーサーの兄の猛追とかなり盤面をぐちゃぐちゃに出来たと思います。この先はあんまり考えてません。こっちの方が面白そうなのでこうしました。

登場人物も結構出しました。まだ出すつもりの人物も結構居ますが、入れ替わるようにどんどん殺していきたいです。

あと、もう少し魔獣との戦闘を書いておけば良かったと後悔しています。まだまだ出したい魔獣のアイデアがあったのに。

機会があれば少しづつ出します。

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