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男子が一人でも争わない!?

 まだ少し肌寒い駅のホームで電車が来るのを待っていると朝日に照らされ、きらきらとなびく銀髪に目が止まった。青く透き通る瞳がとても綺麗だった。

 その子は俺と同じ高校の制服を着ていたが、俺は転校初日の為、誰かは分からなかったが、肩に風紀委員副会長と書いてある札をつけてある。朝から綺麗な女の子を見れてこの時はとっても嬉しかった。

 そして電車はだんだんと混んできた。さっきの女の子を見てみると、中年男性がやけに近いというか接触している。しかも体があったってしまったというよりは触れている様に見える。いわゆる痴漢だろう。

 その子は困った顔をしていてどうみても我慢しているようにしか見えない。ここで助けなければ男じゃないと俺は思ったがその前に動いた人たちがいた。


 「あ、のぞじゃん。てかあれやばくない?。」

「動画を取ってくださいまし。羽島さん」


 同じ学校の制服を着た女の子がその子を見て俺より離れたところで話している。中年男性には遠くて聞こえていないらしい。


 「え、うん。わかったよ。」


 どうやら証拠を残すつもりらしい。こちらに全く気づかない中年男性は痴漢を続けている為、しっかり動画に撮ることが出来ただろう。


 「これくらいでいいですわね。さぁ止めに行きますわよ。」

「と、止めるといってもうちらじゃ無理じゃん?。」


 一人は金髪でギャル見たいな見た目をしている。とても白くてきれいな肌をしていて少しパーマがかったサイドテールだ。もう一人は血のように赤い髪でツーサイドアップこちらもとても綺麗だが、赤い目には光がなく、口紅の紫色もあいまって恐怖感をいだかざる終えない。


 「このチキン。友達も助けられないなんてへたれですわね。その為の動画を撮ったんでしょ。」


そういうとその女の子は中年男性の方に向かった。


 「切り刻みますわよ?。」


よく見ると腰には刀が下げてあった。というか銃刀法違反だ。そして二人が中年男性におかしな絡みをしていると学校に通報すると逆ギレし始めた。なんてダメな大人なんだ。


 「はぁ、折角、我慢していたのに、証拠まで持ってきて面倒な事にしてくれましたね。二人共。私がこの制服を指紋が消えないように保管して、放課後警察に届けるつもりだったというのに。」


 その子の低めの声が聞こえた。

 

 「私が朝早くから学校に行っている理由はモーニングルーティンをこなす為です。それなのに、こんなことをして朝だったら授業に遅れるだけでなく、逆ギレ痴漢野郎と直接話す必要があるじゃないですか。」

「逆ギレ痴漢野郎てそもそも私は痴漢などしていない!。電車で騒いでいた女子高生を注意しただけだと言ってるだろ。」


 見事な逆ギレぷりだ。指紋の付いたスカートと動画があるのにそんな言い訳が通るわけがない。


 「貴方は黙っていてください。このバカ二人に私は話しているのです。」


 その子は二人を鋭い目で睨みつけ、それはまさに鬼の形相だった。


 「な、中川さん、貴方の真意に気づけなかった事にお詫びしますわ。」

「だ、だから話しかけないようにしようて言ったじゃん。痴漢なんて怖かったし。」


 二人はその威圧に押され、弱気になっていた。


 「ここはうちらが警察に連れて行くから許してよ。」

「私は嫌ですわ。授業に遅れたくないので羽島さん一人でお願いします。貴方は成績底辺ですから気にしないですわよね?。」



 「城崎さん。無駄に羽島さんを煽らないでください。」

「事実を述べたまでですわ。それよりこの犯罪者を切り刻んでしまえばいいですわ。私人が解体されるところはみたことないですの。」


 城崎と呼ばれている女子が刀を握った。


 「ひっ、な、何だ。君たちは!。」


 丁度開いた電車のドアから中年男性は逃げて言ってしまった。 


 「これは私の策がうまく行きましたわね。」

「確かにこれなら放課後届けることになりますね。」

「何、何どういうこと?。早く追いかけないとやばくない?。」


 電車のドアが閉まり、次が降りる駅だったことに俺は気づいた。

 

 「バカにも程がありますわよ。羽島さんここから逃げれても、この証拠がある以上あの中年男性は人生終了ですわ。」

「捕まらなくても今までの人生には絶対もどれないですし、その鐔だけの刀が役に立つ時が来るとは思ってもいませんでした。」


城崎はニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。


「駅員から警察の方々まで、許可を取っている甲斐がありますわ。」

 


 その後


 朝からすごいものを見せられたせいかとても疲れてしまった。朝の騒動のせいで俺は今年共学になる女子校に転校することを忘れそうになっていた。

 転校初日の俺は職員室にいかなければならない。出会ってしまったあいつらから距離を取るように足早に門に向かい下駄箱についた。


 「よし、気を取り直して。」


 俺が気合いを入れ直していると斜め前の方から声が聞こえた。


 「やっぱり朝早く来るんじゃなかった。」

「しょうがないじゃん。先生に呼ばれたんだから。」

「でも羽島先輩に絡まれるとめんどくさいよ。」

「わかるけど、山崎先輩の方が怖くない?」

「みんな見た目は学校一なのに。」


 前から三人ぐらいの女の子がおそらくあの二人を指している話をしていたが俺に気付き、小走りで逃げていった。そしてこの後俺は衝撃的な事を知ってしまった。

 あの電車女の子たちは中川女学園名物の「異女子」だったのだ。

 俺は職員室に入るとホームルームが始まるまで待っているように言われた。二年生には男子が俺しかいないことも伝えられた。


 ついに教室に入るときがやって来た。転校生にとってこの瞬間は緊張するものしかも女子しかいないクラスに入るなど俺しか経験できないことだろう。バラ色の青春が俺を待っているはずだ!。


 「初めまして、川本香樹です。その一人しかいない男子ですがよろしくお願いします。」


 俺は教室にあの電車の三人がいることに気づいてしまった。そして俺の席はなんと一目惚れしてしまった女の子の隣だった。普通なら泣いて喜ぶかもしれないが俺は不安と心配しかなかった。

 なぜならその子は「異女子ナンバーワン、クールクイーン中川希美」その二つ名の通りいつもクールそして頭も賢いつまりクールだ。そして我が道を行くその態度とたまに口にする見下すような言葉。こんなやつのどこがいいのか、朝の俺に聞きたい。そして俺の波乱万丈な、学校生活はここから始まった。

 てか二つ名がダジャレて誰がつけたんだよ。


終わりーーー




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