レジュメ
「そうそう。輸送船だって。何か凄い事になってきたよね」
「本当だな…」
「…さて、と。うちも戻ろうかな。おにぃが無事なのもわかったし、今戻らないとずっと戻れなさそうだしね」
「だな。」
妹が帰路へと足を進める中、俺はスマホをポチポチと眺めていた。
「輸送船、か。」
妹の言っていた輸送船についてのページを開いていると、速報が入った。
『【速報】吸血鬼対策本部、防衛班による行動観察から推察される吸血鬼の行動原理、襲撃時の対策の書かれた本を一般人へ公布』
研究の結果等で用いられる、『レジュメ』のような物を皆に配るよ、といった所だろう。
しかし本部は何を考えているのか。
こんな本を配った所で、どれだけの人がしっかり読むのか。読んだ所で、どれだけの人が襲われた時に対策できるのか。と、キリがない程に愚痴や文句が溢れていた。
1日ほど経過した後、そのレジュメは届いた。
ビニール袋に入れられたそれは、広辞苑と同じ位に分厚い代物だった。
内容も特別目新しい情報はなく、小難しく書かれているだけの一般的な知識や対策方法が主だった。これが何になるのか、と深い溜息が出た。知識を広めたいならもっと効率の良い方法があるだろうに…
憤慨していた所に、再び速報が入った。
タイトル考案係のランダム単語ガチャ先生との共作です。初期設定で3つまで考えてくれます。