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追放されし少女①

二章です。

色々とストーリー構想を練っているので、引き続きよろしくお願いします。

「おはよー。アレンくん」


「……」


「あれ? どうしたの、アレンくん?」


「ん? あ、あぁ。ココネか」


 朝の通学路。

 そこでいつものように会話を交わす、二人。


 しかしアレンの表情は浮かない。

 それにココネは心配になる。


「どうしたの? なにかあったの?」


「それがな、ココネ」


「?」


「変な夢を見たんだ」


「夢?」


「聞いてくれるか?」


「う、うん」


「実はな。俺が女の子を倒す夢を見たんだ」


「アレンくんが? 女の子を?」


「あぁ、悪い夢だった。正夢にならないことを願うばかり」


「だ、大丈夫だよ。アレンくんが女の子に手をあげるなんてことありえない」


 立ち止まり、互いに向き合うアレンとココネ。

 いつになく真剣なアレンの表情。

 しかしその視線はココネの顔ではなく、胸に向けられていた。


 ぼいんっ


「相変わらず最高。おかげで少しは気が晴れた」


 わかりやすく表情を明るくする、アレン。


「そ、それはよかったよ……って。え、えっちすぎだよアレンくん」


 赤面し、ココネはローブ越しの胸を両手で覆う。

 そのココネの姿。

 それにアレンは何度も頷く。


「えっちじゃない男なんてこの世に居ないぞ。男は数秒に一回はえっちなことを考える生き物だからな」


「そ、そうなんだ」


「あぁ、そうだぞ。えっちなことを考えない男なんて男にあらず。男の風上にもおけない男の皮を被ったナニカだ」


 ドヤ顔で講釈をはじめ、きゃっきゃっうふふふと通学する女子生徒たちを目で追うアレン。

 その目。

 そこに透視(レベル100)をかけた状態で。


 ったく、女の子たちの笑顔は最高だぜ。

 と、胸中で呟きながら。


 そんなアレンにかかる、もうひとつの声。


「自分の欲をコントロールできない時点で人の皮を被った獣。今の貴方は間違いなくソレ。お分かりかしら?」


「あっ、フウカさん」


「ごきげんよう、ココネさん。相変わらずの男子アレンくん。そのお世話をして大変ね」


 花のような笑顔。

 それをたたえ、フウカはアレンの視界を遮る。


 それにアレンは大喜び。


「こ、こんなところに美少女フウカさんが。たまらねぇな、全く。胸の大きさは程よく。しかしそのスラリとしたボディに非の打ち所はひとつもない」


「ブレないわね、相変わらず。フラツカイザをあんな風にして数多の女の子たちを自分のモノにしたにも関わらずその欲深さ。尊敬に値するわ」


「そ、その。フウカさん」


「なにかしら?」


「俺の手綱。握ってみませんか?」


「はい?」


 概念創造(レベル1000)

 どんな男でも手なづける手綱を創造。


「この手綱で。ぜひ」


「是非ってあなた。プライドはないの?」


「欲に勝るプライドなんてないですよ。さっきフウカさん言ったじゃないですか。俺のことを"人の皮を被った獣"だって。なのでフウカさんが俺を--」


「お断りするわ。わたしに調教スキルなんてないもの」


「ないならあげますよ」


 スキル付与(レベル1000)

 対象--フウカ

 付与スキル--調教(レベル1000)


「いらないわよッ」


「そ、そんな。俺、フウカさんに調教されたいんです」


 悲しそうになる、アレン。

 そんなアレンにココネは同情。


「あ、アレンくん」


「ん? ココネ?」


「そ、そのわたしが調教してあげよっか?」


「うーん。ココネは調教される側のほうが似合ってるからダメだな。鞭とかハイヒールとか似合わないし」


「そ、そんな。やってみないとわからないよ」


「そうか? ならやってみる? 俺を練習台にして」


「う、うん」


 概念創造(レベル1000)

 声の漏れない小屋を創造。


「さぁ、ココネ。一緒に中に入るぞ。ほい、これ」


 女王の鞭(レベル100)

 それをココネに渡す、アレン。


「わ、わたし頑張るよ」


 だが、それを。


「レイラアタック!!」


 どかーんッ


 突如として空から降ってきた、レイラ。

 そしてその場にクレーターをつくり--


「おはよー、アレンくん。ってあれ? この小屋なに?」


 レイラは小首をかしげる。


「れッ、レイラ!?」


 焦る、アレン。

 それを見つめ、フウカは追い討ち。


「あっ、レイラさん。この小屋は声の漏れない代物らしいの。なんだかそこのアレンくんがね。その中でしたいことがあるみたいで」


「ふ、フウカさん?」


「あら? どうしたのかな、アレンくん。レイラさんに知られたくないことでもあるのかな?」


 微笑み、ココネを抱き寄せるフウカ。

 それにアレンはますます焦ってしまう。


 ま、まずい。

 レイラのことだ。ちょ、調教なんてことをさせたら……俺の命がいくつあっても足らんぞ。


 冷や汗。

 それを滲ませ、後ずさるアレン。

 そこに響く、レイラの楽しそうな声。


「アレンくんっ。こんな小屋まで創ってなにをしようとしてるのかな?」


「こ、これはその。アレだ、あれ」


「アレ?」


「あのね、レイラちゃん。アレンくんがわたしに調教を教えてくれるんだよ」


「こ、ココネ!?」


「調教ってあの調教? へぇ、アレンくんってそんな嗜好もあったんだ」


 瞳を輝かせ。


「じゃあっ、レイラがアレンくんを調教してあげる。うふふふ。鞭。だしてくれる?」


 興奮し、アレンの手を掴むレイラ。

 その眼光。

 それを獲物を見定めた狩人のソレ。


「い、いやレイラさん? こここ、ココネさんが先着でして。そ、そうだよな、ココネ」


「うーんっと。レイラちゃんが先にやりたいなら、わたしは後からでもいいよ。はい、これ使って」


 にっこり。


「ありがとうっ、ココネさん。さっ、アレンくん」


 鞭を受け取り、アレンを引きずるレイラ。


「……っ」


 まさに自業自得。

 そして小屋に消えていく、二人の姿。


 数秒後。


 音は漏れずともガタガタと振動する小屋。

 それはレイラの調教が常軌を逸していることを意味していた。


 その小屋を見つめ、フウカはココネの手を引き学園へと向かう。


「さっ、ココネさん。いきましょう」


「えっ、でもアレンくんが」


「大丈夫、大丈夫。あいつのことだから死にはしないでしょ」


「そ、そうだね」


 頷き、二人は激しく振動する小屋を放置したまま学園へと向かっていったのであった。


 〜〜〜


 ビキニアーマー。

 それを前に、立ち尽くす一人の少女。


「……っ」


 悔しげに唇を噛み締めるその少女の名は、フィオナ。

 若干18歳のちいさな身体つきの可愛らしい女の子。


 そんなフィオナを取り囲むは、立派なお胸を待つ女騎士の先輩方だった。


「どうしたの? フィオナ?」


「ほらぁ。はやくビキニアーマーを装備してよ」


「今日がその期限の日でしょ?」


 期限の日。

 その言葉。

 それにフィオナは表情を強張らせる。


 遡ること数ヶ月前。


 ''「フィオナ。後、三ヶ月以内にビキニアーマーが装備できなければこの養成学校から出て行ってもらう」"


 フィオナは学校長からそう宣言されていた。


 "「仮にもあなたは女騎士を目指す者。ビキニアーマーひとつ装備できない貴女をこの学校に置いておくことはできません。仮合格というご自身の立場。それを忘れたわけではありませんわね?」"


 "「は、はい。三ヶ月もあればなんとかカタチになるとは思います」"


 その時。

 フィオナは、三ヶ月もあればなんとかなると思っていた。

 ビキニアーマー。

 それを装備する為の最低サイズ。

 そこまでは成長するものと信じていた。


 だが、現実は甘くはない。


「フィオナさん」


「は、はい」


「今日が約束の日。はやくビキニアーマーを装備するのです」


 現れた学校長。

 その威厳に溢れた姿を前に、フィオナは怖気づく。


「装備できなければ。今日付けで貴女はこの学校から退学してもらいます。三ヶ月前の約束。それを守ってもらう為に」


「で、できます。装備できます」


 涙目になり、フィオナはビキニアーマーを装備しようとした。


 だがーー


 ズルッ


 引っかかりがないフィオナには、案の定装備することができなかった。


 その姿。

 それに周囲の先輩女騎士たちは思わず吹き出す。


「ぷっ。フィ、フィオナ。うける」


「い、今まで楽しかったわ。この学校を辞めても元気でやって」


「さようなら、フィオナ」


 そしてそれに続く、学校長の声。


「フィオナ。約束は守ってもらいます」


「……っ」


 フィオナは俯き、ただ頷くしかなかった。


 そしてその日。

 ビキニアーマーを装備できない小柄な美少女は、騎士への道を諦めたのであった。


 〜〜〜


 そんなフィオナが出会ったのは、一枚の貼り紙。

 それはアレンが力を使い世界中の人目につくところに張りまくったモノ。



 荷物を抱え、フィオナが実家に帰る道すがらに立ち寄った酒場。


 その壁に貼られていたーー


 "お困りの女の子募集。女の子は大切に。それが俺のモットー。是非、(アレン)まで"


 という、文言に出会い。


 フィオナの人生が大きく変わることになるのであった。


 〜〜〜


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