風紀委員長①
第四部分を修正しました。
「あ、アレンくんが急に消えちゃった。で、でも気づいたら天才さんの前に?」
何が起こったのかわからない。
そんな表情でアレンを見つめるココネ。
そこに、イザベールの悔しそうな声が響く。
「あ、アレンくん。ききき。君、今なにをした?」
「えっーと。縮地をレベル500にあげて瞬間移動をしました」
途端にざわめく周囲。
「す、すげぇ。アレン、すごすぎ」
「かっこいいな、お嫁さんにしてほしい」
「あ、アレンくーん。こっちに視線送って」
「わ、わたしは握手してちゅーしてほしいな」
男子は尊敬し、女子は恍惚とする。
その光景。
それにイザベールは歯を食いしばる。
「あ、アレンくん。どうやら君を見くびっていたようだ。すすす、少しはやるようだね」
「で、まだやる?」
スキル……正拳突き(レベル1)
スキル……目潰し(レベル1)
スキル……回し蹴り(レベル1)
スキル……威圧(レベル1)
スキル……前蹴り(レベル1)
スキルポイントを1500消費し獲得しました。
圧倒的なアレン。
それに汗を滲ませる、イザベール。
そして。
「きょ、今日のところは見逃してやる。こ、この借りはいつか必ず」
「あぁ、返しにこい。待ってるぞ」
声を発し、爽やかに踵を返すアレン。
その姿がますます、生徒たちを興奮させる。
「威張らないアレンくん。すてき」
「あぁいう男が大物になるんだな」
「アレンくんの許嫁になりたいな」
「今すぐに彼女になりたいよ、わたし」
そんなアレンに、駆け寄り。
「アレンくんッ、すごいよ!! わ、わたし。身体が火照っちゃってる」
ぎゅっとアレンの手のひらを握り、頬を紅潮させアレンを凝視するココネ。
あっ、やべ。
ココネ、めっちゃかわいい。
反射的に抱きしめようとする、アレン。
目を瞑り、ココネはそれを受け入れようとする。
だが、そこに。
「校則違反ッ、生徒同士の決闘は禁止されています!! アレンくんにイザベールくんッ、今すぐ生徒指導室に来なさい!!」
凛とした声。
それが響き、皆の視線が一斉に声のした場所に向けられる。
「あっ、フウカさん。こんにちは」
「うぅ。もう少しでアレンくんにぎゅっとされたのに」
アレンはにこやかに、ココネは落ち込む。
そしてその視線の先には、スタイル抜群の風紀委員長ーーフウカが腕を組み、佇んでいた。
緑色の髪の毛に、強気な眼差し。
そしてなにより、ローブの間から見え隠れする太ももが妙にセクシー。
「アレンくんッ、あなた今のこの状況わかっているの!? こんにちは。って言える立場じゃないでしょ!!」
「そんなに怒ったら美人が台無しですよ、フウカさん」
「なッ、あ、あなたねぇ!!」
顔を真っ赤にし、アレンのほうへと近づいてくるフウカ。
そのフウカの剣幕。
それにおされ、さっと道を開けていく生徒たち。
イザベールとその取り巻きたちはしかし、道を譲らない。
「どうしたんだい、風紀委員長さま。この決闘はぼくがふっかけたもの。だから、大目に見てくれないかい?」
「あ、あんたの出る幕じゃないんだよ、風紀委員長」
「わわわ。わかったらならさっさとーー」
「うるさい!!」
「「ひぃっ」」
フウカの怒声。
それに情けなく声をあげ、さっと道を開けるイザベールとその取り巻き。
そして、アレンの前で足を止めーー
「覚悟はできてるでしょうね?」
整った顔をずいっとアレンに近づける、フウカ。
そこでアレンはスキルを発動。
スキル……ラッキースケベ(レベル1)
1レベルアップにつき、50消費。
スキルポイント消費……1500
ラッキースケベが30にレベルアップ。
ラッキースケベ(レベル30)発動。
第四部分を修正しました。