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アレンVS軍事大国②

「なッ、なんだこの咆哮は!?」


 圧倒的な軍勢。

 その雄叫び。

 それに兵士たちは焦燥。


「敵襲か!?」


「い、いや我が国に兵を向ける国などありはしない。この世界における最強の軍事大国ッ、それがこのフラツカイザなのだからな!!」


「でッ、では!! この軍靴の音と武器の擦れる音はなんですか!? 明らかにどこかの軍団ッ、それ以外考えられません!!」


 そんな兵士たちの焦り。

 それに、アレンは平然と言い放つ。


「女の子を殴った罪。そして怯える女の子に剣を振り上げた罪。それを犯したお前らは許さない」


 指揮官(レベル1000)

 ……あらゆる軍団の指揮。それを自在に執る。


 敵将指定(レベル100)

 ……任意の相手を敵将に指定。


 それを発動し、ガルシアを嘲り処刑しようとした兵士たちを敵将に指定するアレン。


 それが意味すること。

 それは即ち--


「お前らは軍団あのモノたちの標的。その首を取るために奴等は目の色を変えるぞ」


 響くアレンの声。


 そしてそれに応えるかのように、固く閉じられた巨大な金色の扉が轟音と共に弾け飛ぶ。


 王都を取り囲む壁。

 そこに点在する金扉。

 それはあらゆる魔法や物理攻撃を弾く素材でつくられた、フラツカイザでしかつくることのできない代物。


 それをいとも簡単に打ち破り、王都内になだれこむ軍団の群れ。

 その数およそ、数億。

 しかし皆、質量をもたない半透明の存在なので問題はない。


「「おぉぉぉ!!」」


 皆、その手にはアレンにより創られた伝説の武器が握られている。

 そして更に、空には天使兵と悪魔兵が旋回しアレンの命を今か今かと待っていた。


「な、なんだアレは?」


「あ、あんなモノ見たことないぞ」


 ゴゴゴ……


 神の要塞。

 それまでも空を覆い、フラツカイザ全体に降り注ぐ日の光を遮る有り様。


 その光景。

 それに兵士たちは自ら武装解除をし、その場にへたり込む。


 そしてガルシアは--


「言っておく。女と子ども。無関係なモノたちには手は出すな」


 そう声を発し、無関係なモノに対する攻撃無効(レベル1000)を軍団たちにかけ無関係なモノを巻き込まないようにするアレンの姿。

 それを見つめ、恍惚とする。


 あ、あれが。


 〜〜〜


 数年前。


 "「いつかこの国に自由をもたらすモノがあらわれる」"


 謁見の間。

 そこに響いた未来予知士エリスの声。


 その時、ロッカスは鼻で笑った。


 そんなことは起こり得ない。

 その未来予知は外れる。


 そう言って、笑っていた。

 兵士たちも皆、笑っていた。


 〜〜〜


 その光景。

 それを思い出し、ガルシアは息を飲む。


「ガルシアさん」


「……っ」


「俺。今から、この国を自由にします」


「で、できるのか?」


「できます。俺の力に不可能はありません」


 ガルシアに微笑み、アレンは力を行使。


 保護(レベル1000)

 ……無関係なモノたちに保護の結界を付与。


 途端。


 無関係なモノ。

 それらが全て保護のベールに包まれ、万が一つでも傷がつかないようなる。


 そしてそれはガルシアも例外ではない。

 眩い光に包まれ、完全に保護されるガルシア。


 そのガルシアにウインクをし、アレンは城へと向かい歩を進める。

 数億の軍団。

 それを引き連れ、迷いと躊躇いを一切感じさせることもなく。


 抗うべき、フラツカイザの兵たち。

 しかし彼等は、震え自ら道を開けていく。


 軍団のメンツ。

 それは一人一人が、一国の戦力に匹敵するほどの存在。

 加えて伝説の武器を装備しているとなれば、一人でニ国は滅ぼせるレベルなのだから。


「あっ、そういえば」


 坂道。

 それを昇りながら、アレンは声をこぼす。


「そろそろ頃合いだな」


 刹那。


「おーいッ、アレンくん!!」


「やっぱり来ちまったか」


 空から降り注ぐ、ブラックドラゴンの声。

 それにアレンは手を振る。


「よいしょっと。もうっ、アレンくんったら。たくさん薬草を見つけて、アレンくんによしよししてもらおうと思ってたのに……知らないうちにこんなところに」


 アレンの側。

 そこに降り立ち、ふくれっ面になるブラックドラゴン。


 そして。


「やっぱり来たな」


「うんっ。フウカさんとココネさんがね。わたしにだけこっそり教えてくれたんだ。ドラゴンなら人間じゃない。だから、大きな問題にならないからって」


「そうなのか」


「それっ。士気高揚(レベル100)だぞ」


 むにっ


 ありもしないスキル名。

 それを呟き、歩くアレンに抱きついたブラックドラゴン。


 それにアレンの士気は文字通りうなぎのぼり。


「士気高揚。うんうん。ブラックドラゴンさんは素晴らしいスキルをお持ちで」


「これっ。アレンくん限定スキルだぞ?」


 むにっ


「俺限定!?」


「うんっ。アレンくん限定スキルはまだまだあるよ」


「ま、まだまだあるのか。お願いしようかな?」


「お願いしちゃう?」


 だが、そこはアレン。


「だ、ダメだ。今は自由の為に戦う指揮官」


 アレンは気を持ち直す。

 そのアレンに、ブラックドラゴンは従う。


指揮官アレンさま。なんなりとご命令を」


「そ、その。後からよろしくお願いします」


「はーい。了解しました」


 頷き、アレンから嬉しそうに離れるブラックドラゴン。


 そして、アレンたちはたどり着く。


 固く閉じられた城門の前。

 そこに、圧倒的な軍団を引き連れて。


「開けてください!!」


 ………

 ……

 …


 返事はない。


 仕方がないので、アレンはノックを行使。


 ノック(レベル1000)

 ……あらゆる扉を消滅させる。


 こんこんっ


 一瞬にして消える、金色の扉。

 そしてアレンたちは、謁見の間に向け進軍していったのであった。

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