VS死の存在②
「よし、と」
ぱらぱらと降り注ぐ、悪しきモノたちの残滓。
それを満足げに見つめ、アレンは頷く。
「にしても。女の子っぽい存在が死神さん一人だけ?」
「えっ、あっ、その」
おどおどし、慌てて鎌を後ろに隠す死神。
うすぶち眼鏡に、そばかす。
黒いフードを被り、スタイルは細身。
その姿を見つめつつ、アレンは独り少し大きな声で呟く。
「いや、待てよ。ヘルさんの言葉通りならまだまだ蘇るはずだ。ってなわけで、そこの死神さん」
「は、はいぃ」
「俺はアレンって言います。そして、いきなりですけど。その鎌を俺に貸してくれませんか?」
「えっ、でも。これはわたしの商売道具でして」
「大丈夫です。すぐに返しますので」
瞬間移動(レベル500)
それを発動し、死神の眼前に移動するアレン。
そして。
「ふむふむ。中々いいもの使ってますね」
右手に鎌を掴み、感心するアレン。
「そ、そりゃ。一応死神ですし」
「よし、よし。よっと。複製完了」
「!?」
複製(レベル500)
それを発動し、死神の鎌をものの数秒で完璧に複製してしまうアレン。
左手に複製した鎌を握りーー
「はい、お返しします。どうもありがとうございます」
そう声を発し、元の鎌を死神に返すアレン。
そのアレンの一連の動作。
それに死神は目を点にし、呆然としてしまう。
「な、なんですかこの存在。人の皮を被ったナニカ。み、身震いが止まりません」
胸中で呟き、実際に小刻みに身を震わせてしまう死神。
その死神の姿。
それをアレンは、「まぁ、そう怯えないでください。俺は女の子には甘々なんで」と声を発し、笑ってみせる。
しかしその手の中。
そこでは、アレンの力はとどまることを知らない。
武器鍛治。
……武器のレベルをあげる。
死神の鎌(レベル5000)
「よし、これでよし」
「これでよしって。は、ははは」
アレンの凄まじさ。
それに死神は冷や汗と共に乾いた笑いを響かせる。
「武器創造(レベル5000)で死神さんの鎌をつくってもよかったんですけど……めんどくさくて、ははは。だから貸してもらいました。複製のほうが楽なんです。なんていっても触れるだけで瓜二つのモノが作れるんで」
次々とアレンの口をついて出るとんでも発言。
それを死神は愛想笑いで受け流すことしかできない。
そんな死神の姿。
それをまじまじと見つめーー
「うーん……よく見ると。うん、うん」
なぜか頷き、アレンは続けた。
「中々かわいいですね、死神さん。素朴な感じが素晴らしいです」
「か、かわいい? このわたしが?」
「はい。他に誰が居るですか?」
「えっと。そ、その。かかか。かわいいなんて初めて言われました」
死の象徴である死神。
怖い。恐ろしい。
と言われど、かわいいと言われたこと等生まれてこの方一度たりともない。
「えっ、でも。めちゃくちゃかわいいですよ」
「そ、そうですか?」
「こんなかわいい神様。今まで会ったことないです。お美しい神様たちにはたくさんお会いしましたけど」
「……っ」
アレンの言葉。
それに思わず、頬を赤らめてしまう死神。
そんな死神に、アレンはプレゼントを贈る。
「ってなわけで。はい、どうぞ」
概念創造(レベル5000)
……絶対に枯れない花束
「い、いいんですか?」
「ぜひ、受け取ってください」
「あ、ありがとうございます」
「やっぱかわいい」
「か、かわいいばかり言わないでください」
いい雰囲気になる、二人。
その光景。
それはまさに、付き合いたてのカップルそのもの。
だが、それに水を差す悪しきモノたちの復活。
おォォん!!
翼を生やした悪魔の群れ。
そして、名状しがたき異形のモノたち。
それらが、次々と無限にも等しい速度で地面から湧き上がってくる。
それに、アレンは視線を向ける。
そして。
「鬱陶しいな」
吐き捨て、力を行使。
鎌神(レベル1000)
光属性付与
……死神の鎌が光属性になりました。闇属性にしか効力を及ぼさない。
の二つを発動。
そして間髪入れず、光輝く死神の鎌(レベル5000)を横に一閃するアレン。
刹那。
地平線。
それを全てカバーするほどの巨大な三日月の斬撃が、轟音共に放たれる。
その斬撃。
それが出現した悪しきモノたちの存在そのものを、一匹残らず無にしてしまう。
「ふぅ。これでしばらくは落ち着くかな」
「……っ」
思わずその場にへたり込んでしまう、死神。
「それにしても……女の子が出てこないな。ねっ、死神さん」
「そそそ。そうですね」
「うーん。その、悪しきモノたちの中に女の子って居ます?」
「い、居ると思います」
「ですよね。あっ、そうだ」
思いつく、アレン。
スキル創造(レベル5000)。
エンカウント操作(レベル1)を創造。
「そして、更に」
エンカウント操作(レベル1→500)
エンカウント操作で性別指定が可能になりました。
「もう一声」
エンカウント操作(レベル500→1000)
エンカウント操作であらゆる種族が選択可能になりました。
……悪しきモノたちを指定
「よし、このぐらいでいいか」
満足し、アレンはエンカウント操作(レベル1000)を発動。
刹那。
アレンのお望み通り。
悪しきモノたち。
その中の雌の存在たちだけが、アレンの視界の中に次々と現れていくのであった。
更新頻度を高めていきたい(願望)




