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ラグナロクへの誘い①

「いい。すごく、いい」


アレンの力。

それを瞬きさえも忘れ見入った、スルト。


そして。


「ロキ、決定。彼をいずれラグナロクに」


「決定って、スルト。権限はオーディンさんだろ……っと、それよりはやく僕を助けてくれよ。闇が深すぎて目眩がしてきたんだけど」


「了解」


頷き、スルトはロキの落ちた奈落の穴へ歩を進めていく。


ちいさく頬を緩ませーー


「アレン。わたしは君が欲しい。はじめてだ。このわたしの胸をここまで高鳴らせた相手は」


その胸中。

そこでアレンに対する思いを呟きながら。



「ふぅ。これで一件落着だ」


フィルの気配。

それが完全消滅したことを確認し、汗が滲まない額を拭うアレン。

その表情。

それは苦戦のくの字も知らない者の余裕に満ちた表情だった。


「ありがとうっ、アレンくん」


「流石アレンくんだね。とーっても強くてとーってもカッコいい。益々君の遺伝子が欲しくなっちゃったな、わたし」


アレンの側。

その左右に身を置き、瞳の中にハートマークをたたえるヘスティアとブラックドラゴン。


「ほらほら触ってみて、アレンくん」


「揉んでもいいんだぞ?」


アレンの手首。

二人はそれを掴み、自分たちの豊満な胸にアレンの手のひらを押しつける。


むぎぅっ


むにっ


「め、めちゃくちゃ柔らかい。ヘスティアさんのお胸は締まりのある柔らかさ。ブラックドラゴンさんのお胸はしとやかで趣きのある上品な柔らかさ。うーん、甲乙つけ難いな」


先程までの最強っぷり。

それを微塵も感じさせない、アレンの雰囲気。


それに同じく万心掌握(レベル500)から解放された、アカネとヤナギ。そして、レッドとブルーも加わる。


「アレンくん。その……わたしなにかしましたか?」


「この数十分の記憶。それがないんだ。うーん……アレン、なにか知ってるか?」


ヤナギは剣を腰にしまい、とぼけ顔。

アカネは腕を組み、ヤナギと同じくとぼけ顔。


そんな二人に、アレンは朗らかに応えた。


「いえ、なにもしてませんよ。でも強いて言えば、俺に抱きしめられて嬉しそうにしていたことぐらいですかね」


「えっ? そ、その。わたし、アレンくんに抱きしめられていたのですか?」


頬を赤らめ、バツが悪そうに視線を彷徨わせるヤナギ。

そしてそれとは正反対に、「はははっ、意外だな」と笑い更に続けるアカネ。


「わたしのほうから抱きしめることはあっても。おまえの方から抱きしめられるとは思ってもみなかったぞ。アレン、おまえ。随分と大胆になったものだな」


アカネの大人びた微笑み。

それにアレンは、頬にキスをされた時を思い出しーー


「そそそ。そんなことないですよ。は、ははは」


と挙動不審になり、顔を真っ赤にしてしまう。


「あ、アカネ先生はすっごく美人だし。そ、その。俺の憧れ

で。いや、だから。そ、それは」


そんなアレンの姿。

アカネはそれを楽しそうに見つめ、声を発する。


「まっ。今度はほっぺ以外のところにキスしてやるよ。楽しみに待ってろよ、アレン」


「たッ、楽しみに待ってます!!」


即答する、アレン。


っと、そこに。


「そ、その痛かったですか? 噛まれたんですよね、わたしたちに」


「うぅ。申し訳ないです」


アレンの眼前。

そこで恥ずかしそうに謝罪を述べるブルードラゴンとレッドドラゴン。


それにアレンはいつもの調子で応えた。


「ん? いや、かわいい女の子に噛まれるのはそれでそれでいいものだぞ。もっと噛むか? とことん噛んでもいいんぞ?」


噛まれてもなお、傷跡ひとつない腕。

それを外気に晒し、笑顔になるアレン。


その姿。

それにレッドとブルーは、汗を滲ませ後退り。


「こ、この人間」


「ど、ドラゴンの牙を受けても無傷。それに加えてもっと噛んで欲しそうな表情をしてやがるです」


ドラゴンの牙。

それはダイヤモンドさえも砕くと称される硬度を誇った代物。

それに噛みつかれ、無傷に加えもっと噛んでほしいと宣うアレン。


やはり、この人間は人間の皮を被ったなにかに違いない。

レッドとブルーはアレンに対しそんな感想を抱き、わなわなと震え抱きしめ合う。


「うぅ。怖い。ヘスティアと同じくらいに怖い」


「わ、わたしはヘスティアより怖いです」


「仕方ないな」


ひょいっ


「「!?」」


「ほら、怖くないだろ?」


レッドとブルー。

その二人をそれぞれ両肩に乗せ、笑顔になるアレン。


「どんな女の子にも優しく。それが俺のモットー」


だがすぐに落ち込み。


「はぁ、でも。俺はとことん女の子に甘々。たとえその女の子が敵だったとしても見逃す自信しかないんだよなぁ……くっ。それが最強無敵な俺の唯一の欠点か」


そう声を漏らし、アレンは溜息。


そんなアレンに、面々は一言。


「アレンくん。なに言ってるの? それは欠点じゃなくて、長所だよ」


惚の字のヘスティア。


「その謙虚なところも素敵。惚れ惚れしちゃう」


同じく惚の字のブラックドラゴン。


「んなことわかりきったことだろ」


「はい。わかりきったことです」


頷き合い、「なにを今更」という風な表情をたたえるアカネとヤナギ。


そこへ、更に。


「君。中々どころかめちゃくちゃすごいね」

 

「敬称を込めて神と呼ばせてくれ」


スルトの力。

それにより奈落の穴から脱出したロキ。

そして、畏敬に満ちた表情でアレンを見つめるスルト。


その二人の声が響く。


「神って俺のこと?」


「あぁ」


「そうだよ」


頷く、スルトとロキ。


「神か。なんだか照れ臭いな。みんなはどう思う?」


「神だろうとなんだろとアレンくんはかっこいいから問題ないよ」


「異議はありません」


即刻で頷く、ヘスティアとブラックドラゴン。


「神? アレンはアレンだろ。力はアレだけど」


「えぇ。アレンくんはアレンくんです。持っている力は人知を超えてますけど」


「人間は人間ですよ。まっ、明らかに人の次元は超えてますけどね」


「そうです、そうです。人の次元を超えた人とでも言えばいいのです」


アカネ。ヤナギ。レッドとブルー。

その四人は認識を共有し、頷き合う。


「ここは間をとって。うーん……神の姿をした人間ってことにしておこう」


頷き、結論を出すアレン。


「ちなみに」


「ん?」


「君は武器とか作れたりする? 防具でも構わないけど」


スルトはアレンに興味津々に問いかける。


「もしそれができたら。神様より更に上の境地。無から有を生み出す力。それも君にはあるの?」


「楽勝ですよ」


鍛治(レベル1→500)

鍛治が武器創造(レベル500)にランクアップ。


武器創造(レベル500)


瞬間。


煌びやかな光。

それがアレンのかざされた手のひらの前に輝きーー


エクスカリバー(レベル500)


その神話の世界の武器。

それがアレンの手の中に創造された。

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