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vsフィル②

 そのアレンの攻撃。

 それに続く、面々の追撃。


 剣を一振りし、いつか見たアレンの「剣聖の一太刀」で屋敷を真っ二つにするヤナギ。

 光の如き速さで疾走し、「拳聖の拳」で片方の屋敷を粉々に粉砕するアカネ。


 加えて、ヘスティアとブラックドラゴンもまたそれぞれ力を行使。


「ドラゴン招集ッ、集まってドラゴンたち!!」


 龍騎士(レベル500)の力。

 それをもって、近くにいるドラゴンを物理法則無視で招集するヘスティア。


 そしてそれに招集されたのはーー


 〜〜〜


「うーげっぷ。お昼寝タイムです。ドラゴンたるもの休息はしっかりとらねば」


 木の実と魚。

 それをたらふく食べて膨れた腹。

 それをさすり、おっさんのように足を組み仰向けに横たわるレッド。


 場所はブラックドラゴンの洞窟。

 その中で、石を枕に葉っぱを布団にして二人はお昼寝タイムに突入しようとしていた。


「ってかレッド。いつになったらブラックドラゴン様は屋根付きのお部屋に引っ越すんですか? 石を枕にして葉っぱを布団にする生活。長くはもたないですよ」


「あのお方はその辺適当ですからね。まっ、今は。人間とお戯れになるのに必死。ふぁわ……むにゃむにゃ。とりあえず、お昼寝しますよブルー」


「うん。お昼寝、お昼寝」


 二人仲良く寄り添い、レッドとブルーは眠りに落ちようとした。


 刹那。


 眩い光が二人を包みーー


 〜〜〜


「「……」」


 目を点にし、ヘスティアに招集されたレッドとブルー。

 そんなレッドとブルーにかかる、ブラックドラゴンの声。


「あら、レッドとブルー。こんにちは」


 にっこり。


「こ。こんにちは、ブラックドラゴン様……じゃなくて!!」


「い、いきなりなんなんですか!? いい迷惑ですよッ、全く!!」


 慌てて立ち上がり、二人は声を張り上げる。

 大切なお昼寝タイム。

 それを邪魔されたとあれば、怒るのも当然。


「だれの仕業ですか!? ブラックドラゴン様以外の仕業ならッ、その。一発殴らせていただきます!!」


「甘いッ、一発で済むわけないじゃないですか!! ふんっ。最低10発は叩き込んでやりますよ」


 鼻息荒く、ブラックドラゴン以外を睨みつけるレッドとブルー。

 こきりっと拳を鳴らし、勝ち誇った表情をたたえながら。


 そんな二人にかかる、ヘスティアの声。


「ドラゴン族の貴女たちからの10発かぁ……まっ、それくらいなら蚊に刺された程度だし別にいいよ」


「ふぇっ」


「こ、この声は」


 自分たちの死角。

 そこから響いた声。

 それに、二人は血の気を失せさせた。

 そして恐る恐る視線を後ろに向けーー


「ほら、はやく。10発でも100発でもどうぞ」


 満面の笑顔。

 それを浮かべ、ヘスティアはレッドとブルーに手招きをする

 。


「「へ、ヘスティア」」


 子猫のように怯え、ブラックドラゴンの背に隠れる二人。


 ヘスティア=ドラゴン族の天敵。

 二人は未だ、その印象が未だ拭えない。


 そんな二人に微笑み、ヘスティアは言葉を続けた。


「ブラックドラゴン。わたしの龍騎士(レベル500)の効果で貴女とそこのおチビドラゴンちゃん二人の力を100倍にする。アレンくんの為に。みんなで最強になっちゃいましょう」


「アレンくんの為か。ふふふ。いい言葉ね」


 ブラックドラゴン。

 レッドドラゴン。

 ブルードラゴン。

 その三人の力はヘスティアの龍騎士(レベル500)のおかげで100倍になる。


 そのアレンたちの最強っぷり。

 それに沈む船から逃げ出す鼠のように、残った屋敷の中から傭兵たちは逃げ出していく。


 窓から飛び降る者。

 正面玄関と裏口から逃げ出す者。

 そして、アレンの視線の先で土下座をしーー


「こ、降参です。どうか自分たちも貴方のお側に」


「わ、わたしもお願いします」


「つ、強くてカッコいいアレン様。金の縁しかないフィルより、貴方様に仕させてください」


「ななな。なんでもします。お金なんていりません」


 怯え顔。

 それを晒し、フィルとの決別を宣言しアレンの仲間になることを懇願する軽装姿の女たち。


 その女の子たち。

 それに向けアレンは、破顔一笑。


「いいよいいよ。俺は女の子には手をあげない主義だからな。それに貴女たちはただの傭兵だし」


 いつも通りのアレン。


「さっ、はやく逃げてください。俺の仲間になりたいなら後日また学園へお越しに」


「あ、ありがとうございます」


「貴女様の優しさ。それは世界で一番です」


「ふぃ、フィルとは大違いだね」


「う、うん。事あるごとに金を見せびらかせるフィルとは何もかもが正反対」


 アレンに対する賛辞。

 それを惜しみなく送り、そそくさとその場から離れていく傭兵の女の子たち。


 それを見送りーー


「よーしッ、再開だ!!」


 声を張り上げ、空に手のひらをかざすアレン。


 刹那。


 低く重い音。

 それが周囲に響き、一面に影が広がる。


 引力(レベル1→500)

 引力が隕石衝突(レベル500)にランクアップ。


 ゴゴゴ……


 ゆっくりと。

 空から降りてくる、巨大な隕石。


「ちょっ、アレンくん? そ、それは流石にやりすぎかも」


「うふ。やりすぎなアレンくんも、わたし大好きだぞ」


 天を覆う巨大な隕石の影。

 それに苦笑いを浮かべるヘスティアと、アレンに改めて惚れ直し抱きつくブラックドラゴン。


 むにっ


 そして頬を擦り付け、「アレンくん。わたしもやりすぎなくらい愛情表現しちゃうぞ」そう声を発し、ブラックドラゴンは本能を露わにした。


 相変わらず最高だぜ。

 女の人の胸の感触は。


 気分を高め、ブラックドラゴンに抱きつかれたまま更にスキルを発動させようとするアレン。


 っと、そこに。


「か、神様も真っ青」


「い、隕石を落とすなんて。強いって次元を超えてます」


 抱きつき合い、涙目になるレッドとブルー。


 そして。


「あ、あははは。このデタラメさもアレンらしいっちゃアレンらしいか」


「え、えぇ。たった一人の倒すべき相手のためにここまでの力を。ほんとにすごいですね、アレンくんは」


 アカネとヤナギもまた、アレンの圧倒的さに苦笑。


 しかしそこはアレン。


「安心してください。まだ周りに影響は及ぼしませんので」


 そう声を発し、スキルを発動。


 静止(レベル1→500)

 静止が時間停止(レベル500)にランクアップ。


 上に向け広げた手のひら。

 アレンはそれを閉じ、呟く。


「時間停止(レベル500)」


 瞬間。


 巨大隕石の落下時間。

 それだけが止まり、巨大隕石が空中で静止。


「うん。これでよしっと」


 頷き、アレンはフィルへと引き摺り出そうとする。


 フィルを対象にしての転移(レベル10)。

 しかし、フィルは現れない。


「ん? おかしいな」


 首を傾げ、アレンは透視(レベル10)で屋敷の中を確認しようとした。


 刹那。


「おっす。こいつをお探しか」


 そんなさっぱりした声。

 それがアレンたちの背後から響く。


 そして同時に響く、フィルの情けない声。


「おおおッ、おい!! スルトッ、この俺を裏切るつもりか!?」


 その声に振り返る、アレンたち。

 果たしてそこには。


 スルト自ら転移を発動しーー


「裏切る? 元から仲間じゃねぇって」


「くっ。お、おまえぇ」


 スルトに襟首を掴まれ今にも泣きそうなフィルと、飄々とフィルを見限るスルトの姿があった。


 炎神(レベル500)。

 そのオーラがスルトの身から漂い、周囲に火の粉が舞う。


「ん? ロキは?」


「おーいッ、スルト!! ここだよココ!! 助けてくれ!!」


 奈落の穴。

 その中から響く、ロキの声。


「お、おいおい。なんだよ、あの穴」


 大きな穴。

 それを見つめ、汗を滲ませるスルト。


 そんなスルトにかかるアレンの声。


「スルトさん。はじめまして」


「あ、あぁ。って、あんたがアレとアレを? す、すげぇな」


 穴と巨大隕石。

 それを交互に見つめ、アレンに感嘆するスルト。


 そしてそんなスルトを更に感嘆させる、アレンの力。


「ちなみにこんなこともできますよ」


 ぱちんっ


 と指を鳴らしーー


 原初の炎(レベル1→500)

 原初の炎が天照大神(レベル500)にランクアップ。


 天照大神(レベル500)を発動。


 瞬間。


 空にもう一つの太陽が現れ、スルトの炎神(レベル500)のお株を完全に奪ってしまう。

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