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出陣

「み、みんな。この俺の為に集まってくれたのか?」


一人感動し、涙ぐむアレン。

だが、そのアレンにかかるフウカの声。


「勝手に感動してるとこ悪いけど。わたしは別にあなたの為にーー」


ここに居るわけじゃないんだからね。


そう言い切ろうしたフウカ。

それにアレンはいきなり抱きつく。


「ありがとう、フウカさん。お、俺。嬉しいです。こんな俺の為に集まってくれて」


「ちょっ、馬鹿!! 変態ッ、いきなり抱きつくな!!」


真っ赤になり、フウカはアレンを引き離そうとする。

そんな二人に嫉妬し、レイラもまたアレンに抱きついた。


「フウカさんっ。アレンくんはレイラのなんだから」


むにっ


「れ、レイラ。くっ、相変わらずの感触。侮れねぇな、全く」


「ふふふ。そうでしょ、アレンくんっ。わたしたちチューした仲なんだしもっと仲良くしよっ」


刹那。


「えっ。えっ。アレンくん?」


「なに? えっ、チューした仲って。あーあっ、幻滅した」


焦るココネと、怒りを露わにするフウカ。

それにアレンはしかし引かない。


敢えて強気にーー


「えっ、フウカさん。俺とキスしたいの?」


そう声を発し、あくまで主導権を握ろうとするアレン。

ここで引いたら益々、面倒なことになる。


「なっ、なにをいきなり」


案の定、少し引き気味になるフウカ。

それを見逃さず、アレンは畳み掛けた。


「だってそうだろ。俺とレイラがほんとにキスしたどうかわからないのにその反応。はぁ。全く……フウカさんのそういうところ。めちゃくちゃかわいいな」


「あなたね。ほんとにバカなの?」


「まぁまぁ、フウカさん。照れ隠しはいいって」


「はぁ……もういいわよ。あなたがレイラとキスしようとしまいとわたしには関係のないこと。ね、ココネさん。貴女もそう思うでしょ?」


言い切り、ココネに視線を向けるフウカ。

しかしココネはあからさまに不機嫌になっていた。


「ふんっ。アレンくんなんて嫌い」


「えっ? ど、どうしたんだよココネ」


「自分の胸に聞いてみれば?」


や、やばい。

ココネを怒らせてしまった。

こ、ここは真剣に謝ろう。


「ごめんな、ココネ。俺は"レイラ"とはキスなんてしてない。ほんとだ。信じてくれ」


「ほんとに?」


「あぁ、ほんとだ。なっ、レイラ」


だがレイラはふくれっ面になる。

そして更に強くアレンに胸を押しつけ、反論。


「アレンくんっ、ひどいよ。じゃあ、アレはなんだったの? 唇と唇を合わせてーー」


「あ、あれは。そうッ、人工呼吸だ。レイラが立ったまま気を失っていたのが悪い」


「ぷっ。ひ、ひどいよっ。アレンくん」


あまりに突拍子もないアレンの暴論。

それにレイラは思わず吹き出してしまう。


そして。


「人工呼吸? な、なら。仕方ないね。レイラちゃん。大丈夫だった?」


それを信じるココネの純粋さに、レイラはついに折れてしまう。


「うんっ。人工呼吸だよ人工呼吸。アレのおかげでレイラは一命を取り留めたの」


「そうだったんだ。ご、ごめんねアレンくん。疑っちゃって」


むにっ


レイラと一緒にアレンに抱きつく、ココネ。

アレンはそれに「い、いいってことよ。は、ははは」と応え、二人の胸を存分に堪能。


その光景。

それを見つめながら、サーシャは四人へと問いかける。


「その。いつもこんな感じなの?」


「はい。残念ながら」


フウカと。


「あぁ、こんな感じだぞ」


アカネ。


「えぇ。ずっとこのような感じです」


そして、ヤナギ。


加えて。


「ふふふ。ちなみにわたしも、アレンくんと人工呼吸を交わした仲ですので」


と笑い、アレンたちに混ざりたそうにするヘスティア。


その四人の反応。

それにサーシャは、アレンを見つめ胸中で呟く。


「なるほどなるほど。うん」


なにかを掴んだように頷き、そして続ける。


「よし、アレンくん。本題に戻るよ」


「あっ、はい」


表情を引き締め、アレンはサーシャに意識を向けた。

それに倣いココネとレイラもアレンから離れ、空気を乱さないようにする。


「鑑定士ーーフィル。いやそのバックに控える奴等は必ずあなたとソフィを狙いにくる。面子だけは保ちたがる連中だからね、あいつらは。で、どうする? 待つか打って出るか?」


寝息を立てるソフィの頬。


それを優しく撫でーー


「どう、アレンくん。君の返答は?」


サーシャはアレンを見据え、問いかけた。


それにアレンは即答。


「打って出ます」


瞬間。


アレンはスキルを発動。


探知(レベル10)


「よし。フィルの居場所、掴めました」


そして。


「その。みなさん、ここは俺一人でいかせてください。奴等がソフィを狙ってここに来る可能性。それもゼロではないと思うので」


そう声を発し、自分一人に転移(レベル10)をかけようとするアレン。


しかし、そこに。


「いいから連れてけよ、アレン。おまえ一人じゃ寂しいだろ?」


「アレンくん。相手が集団ならこちらも集団。それが戦法の基本です」


「わたしも行くよ、アレンくん。そのフィルって奴の顔面。本気で殴ってみたいもん」


「レイラも行く。レイラもいく」


アカネ。ヤナギ。ヘスティア。レイラ。

その四人の声が響き、アレンと共にフィルのアジトに行くことを懇願。


それにアレンは頷きーー


「ココネさんにフウカさん。そしてサーシャさん。俺、すぐに帰ってきます」


下手くそなウインクと共に声を響かせ、四人と一緒に転移を発動したのであった。


それを見送り、サーシャはココネとフウカに一言。


「面白いわね、あの子」


そんなサーシャの一言。


それに対し。


「あそこまでいくと。面白いっていうより、天然なのかもしれませんね」


「それがアレンくんのいいところだよっ」


フウカとココネはそれぞれ一言ずつ言葉を返したのであった。

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