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鑑定士①

〜〜〜


あれから一週間。

アレンは毎夜歩き回り、スキルポイントを1266069まで貯めていた。


そして、現在。


「アレンくん。わたしとデートしようよ」


午前中で授業を終え、帰り支度をしていたアレン。

そんなアレンをココネはデートに誘う。


「えっ、俺? いいのか?」


「うんっ。デートだよ。嬉しい?」


「めちゃくちゃ嬉しいです。最近、色々とあったからな。一番落ち着くココネ。そんなココネと二人きりになれるなんて嬉しくないわけないじゃないか」


いつものように笑う、アレン。

それにココネもまた笑う。


フウカとレイラ。

そして、ヘスティア。

その三人は先の件でこの場に居らず、応接室にて事情聴取を受けていた。

後日、アレンとココネも受ける予定なのだがまだ日にちは確定していない。


「で。ココネはどこに行きたいんだ?」


「うーんっとね。アレンくんと一緒ならどこでもいいよ」


「かわいすぎだろ」


「へへへ。そうかな?」


「よし、ここは俺がエスコートしようじゃないか。かわいいココネの為だ。妥協はしないぞ」


立ち上がり、アレンはココネに手のひらを差し伸べる。


そのアレンの手のひらを握りしめ。


「妥協してもいいんだよ。わたし、アレンくんが側に居るだけでとてもとても嬉しいんだから」


ココネはそう胸中で呟き、花のように微笑むのであった。


〜〜〜


ところかわって街の中央広場。


「やれやれ。どいつもこいつもDランク。俺のお眼鏡にかなう奴はここにもいねぇな」


偉そうな口ぶり。

それをもって行き交う人々を見つめる、一人の男。

その男の名前は、フィル。

若くして鑑定スキルを極め、対象の将来性を見極めスカウトするとあるパーティーのリーダー。


だが今は、一人で行動していた。


フィルの鑑定スキルはレベル450。

なぜそこまでレベルが高いのかというと特に理由はない。


生まれて産声をあげた時。

その時から鑑定(レベル400)を有していた彼は、俗にいう天賦の才に恵まれた子だった。


なので周りから甘やかされ育った彼の鼻はいつも天狗。

表面はいい人を演じるがその実。その心の中ではいつも人を見下していた。


しかしそんなフィルにも趣味があった。


それはーー


自分より有能になりそうな奴隷。

それを鑑定で見極めて安値で買い取り、虐め殺すというもの。


「おい、ゴミ。 なにをぼうっとしている」


「……っ」


首輪と手錠。

そして犬のリードのように鎖をつけられたぼろぼろの少女。

その鎖を引っ張り、フィルはさらに続ける。


「俺の許可なしにぼーっとしやがって。どうやらまた、痣をひとつ増やしてほしいようだな」


嗜虐に満ちた笑み。

それをたたえ、少女を見つめるフィル。

そのフィルの笑み。


それに少女は怯え、小刻みに身体を震わせた。


「ふんっ、汚ねぇ奴隷だ。てめぇみたいなゴミ。希少スキルーー天候操作(レベル1)さえもっていなけりゃ、買い取ることもなかったんだ。感謝しろよ。ソフィという名の粗大ゴミ」


「は、はい。ソフィはフィル様に感謝します」


「返事がおせぇんだよ!!」


べきっ


「ひぐっ」


ソフィの頬。

そこに飛ぶ、フィルの平手。

それにソフィは短く悲鳴をあげ、「も、申し訳ありません。ご、ご返事が遅れました」と呟き、激痛のあまり涙をこぼす。


しかし、フィルは収まらない。


「ダメだ。罰として後、三発」


「お、お許し。お許しください。謝ります。ソフィは一生懸命に謝ります。ごめんなさい。ごめんなさいっ。ご主人様。ごめーー」


「うざい」


ソフィの腹。

そこに叩き込まれる、フィルの蹴り。


「ぐ……っ」


腹をおさえ、疼くまるソフィ。

それにフィルはなおも止まらない。


「おい、誰が蹲っていいと言った」


「……っ」


「さっさと立て。追加10発だ」


笑い。

フィルはソフィの頭に足を振り下ろそうとする。


だが、そこに。


「おい、あんた」


怒りに満ちた声。

それが響き、フィルはソフィのすぐ側に足を下ろし声のしたほうを見つめる。


果たしてそこには。


「俺の目の前でなにやってんだ?」


フィンに対し鋭い敵意を露わにするアレンと。


「か、かわいそうだよっ。どうしてそんな酷いことできるの?」


フィルに怯えながらも懸命に声を発するココネ。

その二人が居た。


「あ? なに、お前ら」


アレンとココネ。

見るからに自分より年下の男と女。

それにフィルは舐め腐った表情をたたえ、中指を突き立てる。


しかし、アレンは動じない。


「ココネさん。少し下がっていてください」


ココネの前。

そこに身を置き、純粋な怒気に満ちた眼差しをもってフィル見据えるアレン。


行き交う人々は足を止め、興味を示す。


「おっ、なんだなんだ。喧嘩か」


「えっ。あれって、鑑定士のフィルだろ。あいつのバックには厄介な連中がいるって噂だぜ」


「知ってる、知ってる」


「あんな奴に喧嘩を売るなんてとんだ命知らずが居たもんだ」


口々に声を発し、状況を見つめる人々。


潤む視界。

その中にアレンをおさめ、痣だらけの手を伸ばそうとするソフィ。


だが、しかし。


「あーイラつくわ、あいつ。ぶち殺してやりてぇ」


べきぃッ


そんな声と共に、ソフィの手が踏み躙られる。

ぐりぐりと捻り踏まれ、声にならぬ嗚咽を漏らすソフィ。


そしてとどめとばかりにーー


「あれ? こんなところに粗大ゴミがある。邪魔だなぁ」


そう吐き捨て、ストレス発散の為にソフィの側頭部をボールのように蹴りあげようとする。


瞬間。


未来予知(レベル500)


それをもって、二回三回と転がり瀕死になる少女の未来を確認するアレン。


「ふざけた真似を」


呟き、アレンは行動を開始。


体術(レベル1→500)

体術が拳聖(レベル500)にランクアップ。


瞬間移動(レベル500)


スキルを発動する、アレン。


刹那。


フィルの眼前。

そこにアレンは現れる。


そしてフィルが反応を示す前に、アレンはそのフィルの顔面に拳聖の拳を有無を言わさず叩き込んだ。

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