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合流②

その五人の姿。

それに、エリスとブラックドラゴン。そしてヘスティアは正気に戻る。


ミリィ、ココネ、フウカ。

三人は表情をホッとさせーー


「よっと。ふぅ、ようやく着きました。久しぶりのお空の旅でしたね」


「すごい。お空を移動するってあんな感じなんだ」


「た、高いところが苦手なわたしには少し合わないわ。落ちたら即死でしょ? うぅ、怖かった」


アレンとエリス。

ブラックドラゴンとヘスティア。

その四人の中間地点に降り立ち、三人は声を響かせた。


その三人に対し、アレンたちは声をかけていく。


「やっほーっ、ココネちゃんにフウカさん。元気だった?」


レイラの姿に戻った、ブラックドラゴン。


「あら、みんな。どうしたの?」


さっと懐から眼鏡を出しつける、ヘスティア。


「ミリィ……もう少しでアレンくんとまた二人きりになれーーこほんっ。アレンくんと更に深く仲間の契りを交わすことができたのに、残念だわ」


心惜しげにアレンの裾から手を離す、エリス。


そして。


「お、おぉ、ココネさんとフウカさん。それにミリィとドラゴン族少女たち。貴女たちこそ、俺の救世主」


アレンは五人に賛辞を送り、感涙。


「もう少しで。終わりの見えない俺争奪戦が繰り広げられるところだった。危ない危ない」


そんなアレンの声。

それに三人と同じく空から降り立ったレッドとブルーは、顔を見合わせ状況を悟る。


「成程。大方、今の状況は掴めました」


「はい。あの人間の争奪戦。それがこの場で繰り広げられた。ブラックドラゴン様とヘスティア。そしてあのエリスとかいう未来予知士。その三人が主軸となって」


その二人のドラゴン族少女の声。

それに、ミリィは頷き感心。


「へぇ。さすがドラゴン族。そんなことまでわかってしまうですか? すごいですね」


「い、いやぁそれほどでも」


「人間に褒められても嬉しくないです。で、でも。悪くない気分です」


ミリィの賛辞。

それに、レッドとブルーはわかりやすく照れ隠し。


そんな三人のやり取りを聞き、ココネとフウカも状況を把握。


「アレンくんっ、そ、その。大丈夫? すごい人たちに取り合いになって、怪我とかしてない?」


「あんたすごいわね。詳しくは聞かないけど、その。流石にモテすぎでしょ。それに、レイラがブラックドラゴン? まっ、でも。ブラックドラゴンには擬態能力があるし……別に驚きはしないけど」


素知らぬ顔をし、鼻歌をうたうレイラ。

その姿を見つめ、フウカは眉をひそめる。


「えーっ。レイラちゃん、ブラックドラゴンなの? すごいっ、本当!?」


声をあげ、ココネはレイラの元に駆け寄る。

だがレイラは素知らぬ顔をし、とぼける。


「んーっ、レイラ知らない。レイラはレイラだよ」


小首をかしげ、ココネを見つめるレイラ。


そして。


「アレンくんが消えて追いかけてたら、ヘスティア先生が現れたの。そしてね。ヘスティア先生がわたしと一緒に転移して今に至るの」


そう声を発し、レイラは「ね、先生」と呟きヘスティアを見つめる。


ヘスティアはそれに。


「ココネさん。レイラさんを連れて先に寮に帰っておいてください。わたしは色々と後始末がありますので」


と応え、はぐらかす。

そして素直に頷く、ココネ。


「わかりました、先生。ほらっ、レイラちゃん。はやく帰ろ? 疲れたでしょ」


「うぅ。レイラ、アレンくんと一緒に帰りたい」


「うーんっ、そうだね。先生、アレンくんも一緒に連れて帰ってもいいですか?」


それにアレンは嬉しそうに声を響かせる。


「一緒に帰ろう、ココネ。後、フウカさんも」


「うんっ、帰ろ帰ろ」


「はぁ。今度は普通に歩いて帰りましょ」


同じく声を響かせアレンに向け満面の笑顔で手を振るココネと、呟き疲労感を漏らすフウカ。


その二人を見つめーー


相変わらずいいな、ココネは。

なんていうか、その。

心が安らぐ。

フウカさんにも色々苦労をかけて申し訳ない。


そう胸中で呟き、歩き出すアレン。

そのアレンを見据え、ヘスティアもまた声を発した。


「では、みなさんで一緒に帰りましょうか。後始末は後日ゆっくりと」


「レイラっ、みんなと楽しく帰りたい」


瞬間。

ブラックドラゴンの脳内に飛ぶ声。


「ブラックドラゴン様。随分と楽しそうですね」


「レイラとかいう名前まで名乗ってノリノリじゃないですか。ブラックドラゴン様」


レイラの脳内。

そこに声を響かせる、レッドとブルー。


その声に応えるブラックドラゴン。


「ふふふ。なんだか楽しいじゃない」


「楽しい?」


「人間共と戯れあうのが楽しいんですか?」


「えぇ、楽しいわ。貴女たちもどう?」


「うーん。確かに楽しそうですけど、まだいいです」


「はい。でもまぁ、ブラックドラゴン様が楽しいのならわたしたちはなにも口を挟みませんよ」


レッドとブルーはブラックドラゴンの気持ちを尊重。

自分たちは翼をはためかせ、空へと飛翔する。


「では、ブラックドラゴン様。またなにかあれば」


「お呼びいただければいつでも駆けつけますので」


「うん。ありがとね、二人とも」


「いえいえ」


「お気になさらずに」


そこで脳内でのやり取りを止め。


「では、みなさん」


「わたしたちはこれで」


ブラックドラゴンと、その他の面々。

それに手を振り、レッドとブルーは空の彼方へと飛んでいく。


それを見送り、ミリィもまたグリフォンに跨りエリスの元へと跳躍。


そして。


「エリスさま。わたしたちもアジトに戻りましょう」


そう声を発し、エリスを見つめるミリィ。

それにエリスは頷く。


「えぇ、そうね。今日のところはこれでおしまいにしましょうか。お楽しみは後にとっておいたほうがいいものね」


遠ざかっていくアレンの背中。

それを見つめ、エリスはぎゅっと胸を抑える。


アレンくん、待ってててね。

いつか必ず。契りの続きを。


そのエリスの姿。

ミリィはその姿を見据え、声をこぼす。


「エリスさま、完全に乙女の顔じゃないですか。まっ、かくいうミリィも。あの男のことはとても気に入っているんですけどね」


そして響く、アレンたちの声。


「エリスさんッ、ミリィさん!! また来ます!!」 


手を振る、アレン。

しかし、フウカはそれに待ったをかける。


「あんたッ、また来るつもりなの!?」


「だめかな?」


「だ、だめってわけじゃないけど。少しは警戒しなさいって言いたいの、わたしは」


「そうだよっ。アレンくんは女の子に弱いんだから慎重にならないと」


だが、そこに。


「大丈夫よ。アレンくんにはこのヘスティア先生がついているから」


ぎゅっ


「レイラもついてるよ。ねっ、アレンくん」


ぎゅっ


アレンの両手。

それを強く握りしめ、微笑むヘスティアとレイラ。


それに負けじと、ココネはアレンに抱きつく。


「わ、わたしもついてるよ」


むにっ


こ、ココネ。

やっぱり貴女の安定感は抜群です。


ココネの可愛さ。

それをしみじみと感じ、「うんうん」となにかを噛み締めるように頷くアレン。


その光景。

それにフウカはいつものようにーー


「相変わらずの光景よね、これ。でも、まっ。そのブレない姿勢だけは褒めてあげてもいいかな」


そう冷静に呟く。

そして、アレンのブレない姿勢に対し少しだけ感服するのであった。

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