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未来予知

「はい、エリスさん。これで元通りです」


 完璧な水晶玉。

 それから手を離し、アレンは笑う。


「ふ、復元スキル? すごすぎる」


 壊れたモノを一瞬で直す、神代のスキル。

 この世界で使える存在など居ない。

 そう、エリスは書物で読んだことがあった。


「ミリィ」


「は、はい。エリス様」


「このお方は世界の理どころかこの世界を再構築できるかも知れない。こちらに引き込むとかそんなレベルじゃない。こちらから頭を下げて仲間にしてくださいって頼まないと」


「み、ミリィもそう思っていたところです」


 アレンの凄まじさ。

 それに二人は互いに頷き合う。


 そして。


「あの、その。アレンさま。どうかわたしたちもあなたのお仲間に加えていただけませんか?」


「神さま。創造主さま。アレンさま。ど、どうかミリィとエリス様をお願いします」


 エリスは水晶玉を懐にしまい、片膝をついて頭を下げ。

 ミリィはアレンの胸の中に顔を埋め心の底から懇願。


 その二人の姿。

 それにココネとフウカは声をかける。


「いいに決まってるよ。ねっ、アレンくん」


「そこまでかしこまらないでいいわ。もっと軽い感じで大丈夫よ」


 その二人の言葉。

 アレンはそれに頷き、言い切る。


「女の子には無償の愛を。それが俺のモットー」


「い、いいんですか?」


「勿論。だって仲間はたくさん居た方が楽しいからな。なっ、レイラ」


「うんっ、アレンくんが楽しいならわたしも楽しい。だからアレンくんのしたいようにすればいいよ」


 レイラもまた頷き、アレンに完全同意。


 その四人の姿。

 それにエリスはほっと胸を撫で下ろし続ける。


「では、仲間の契りを」


「へ?」


 アレンの目。

 それを見据え、エリスは転移(レベル1)を発動。


 そして数秒後。


 エリスの書斎。

 そこにアレンとエリスは二人きりになる。


「えっ、えっ」


「だから仲間の契りです。アレン様。これよりわたしと貴方は正式な仲間。その証として」


 自分の唇に指をあてるエリス。

 そして、さも当然のことのように声を発した。


「わたしと接吻を交わし。未来予知を共有しましょう」


「せ、接吻? そ、それって」


「キスです。お願いします。そうしないとダメなんです」


「そ、そんなこと言われても」


「これは儀式的なもの。決して他意はありません。こうしないと手に入らないスキル。それをあなたに」


「手に入らないスキル? そ、それよりも。た、他意はないって言っても」


 本棚。

 そこへと追い詰められ、背中を預けるアレン。


 そして。


 ちゅっ


 アレンの唇。

 そこに有無を言わせず合わせられる、エリスの唇。


 あっ、これ。

 ち、力が流れ込んでくる。


 獲得不可スキル……未来予知(レベル1)を獲得。

 これより、スキルポイントを消費しレベルアップが可能になりました。


「はい、おしまいです。これでわたしとアレンくんは正式に仲間になりました」


 淡々と呟き、アレンの唇を指で拭うエリス。

 しかしその頬は少しだけ仄かに赤らんでいた。


「あ、あのエリスさん」


「はい」


「そ、その」


 気持ちよかったです。

 そうアレンが言い終える前に、振動が襲う。


「こ、これは」


 刹那。


「出てきてッ、アレンくん!! さもないとココをきれいさっぱり更地にしちゃうよ」


「害虫駆除に参りました。エリス。はやくアレンくんをこちらへ。本気で潰しますよ?」


 外から響く、敵意丸出しの二つの声。

 それにアレンは背筋が凍る。


「ヘスティアさんにブラックドラゴン」


「ヘスティアとブラックドラゴン? どうしてココが?」


「あ、あの二人はめちゃくちゃすごいんです。だからわかったんだと思います。い、移動なんて苦にしないレベルにすごい」


「聞こえないかな? そこにいるんでしょ、エリス。わたしのこと知ってるよね? わたし、ヘスティアよ。千里眼(レベル10)で貴女の所業を見てたけど、ふざけたことを晒してくれたわね」


 めきっ


 軋む、室内。


「今回ばかりはヘスティアに同意します。言っておきますけど、今のわたしはレイラではなくブラックドラゴン。甘くはないですわ」


 めきっめきっ


 更に軋む、室内。


「くっ、このままではかわいい女の子たちが争う展開。それだけは回避せねば。すみません、エリスさん。誤解を解いてきますので、ちょっと待っててください」


 呟き、アレンは外に出ようとする。

 そのアレンに、エリスは声をかけた。


「アレン様」


「はい」


「未来予知の力。それを使ってみてください。あなた様なら極限にまでその力を高めることができるはずです。それがあれば、あのお二人方の誤解を解くのも容易くなるものと思われます」


「そうしてみます。でもそれじゃ不安なので」


 防御(レベル1→500)

 絶対防御(レベル500)


 回避(レベル1→500)

 絶対回避(レベル500)


 結界(レベル1→500)

 絶対結界(レベル500)


 を獲得しました。


 頷き、アレンは外へと向かう。


 二人の最強。

 その誤解をなるべく穏便に解くために。


「ヘスティアさんにブラックドラゴン。ひ、一筋縄ではいかないよな」


 と、胸中で呟きながら。


 〜〜〜


「あっ。アレンくーん」


「アレンくん、待っていてくださいね。あの害虫はこのブラックドラゴンがさっくり駆除いたしますので」


 アレンが外に出た瞬間。

 そんな猫撫で声が響き、アレンに向け手を振る二人の最強。


 赤色のオーラ。

 それを瞳に宿す、ヘスティア。

 そしてレイラの姿を脱ぎ捨て、漆黒の翼と角をあらわにし力を誇示するように微笑むブラックドラゴン。


 その二人にアレンは退きそうになる。


 しかしぐっと堪えーー


「へっ、ヘスティアさんにブラックドラゴンさん!! 落ち着いてください!!」


 叫び、絶対防御と絶対回避を自分に付与。

 そして絶対結界をエリスのアジトに展開し、二人へと大声で叫ぶ。


 だが、二人は止まらない。


「かわいそうなアレンくん。すっかりあの女に毒されてしまったのね。でも安心して。今すぐわたしの唇で浄化してあげるから」


「いえ、わたしの唇よ。ヘスティアさんそこは間違えないでね」


 二人は攻撃態勢に入り、エリスのアジトに照準を合わせる。


 や、やっぱり通じない。

 よ、よし仕方ない。

 ここは俺が全ての攻撃を受け止める。


 スキル……未来予知(レベル1→10)

 それを使い、アレンはヘスティアとブラックドラゴンの未来の攻撃手段を特定。


 そして。


 スキル……ターゲット固定(レベル10)


 刹那、光の如きはやさで駆け出すヘスティアと。

 手のひらをかざし、巨大な漆黒の火球を放つブラックドラゴン。


 しかしその2つの攻撃。

 それらは全て、アレンに固定されてしまう。 


 だがアレンはーー


「へ、ヘスティアさん冷静に」


 と呟き、ヘスティアの地を割る拳を絶対回避で回避。


 そして。


「ふ、ブラックドラゴンさんも。落ち着いてください」


 と声を発し、絶対防御で漆黒の火球を受け止め消滅させる。

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