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召喚士①

 〜〜〜


「世界の理。それを変えるかもしれない存在」


 青白く光る水晶玉。

 そこにうつるアレンの姿を見つめ、その女は小さく声を溢す。


 場所は陽の光が遮られた薄暗い室内。

 所狭しと置かれた分厚い書物。

 それに囲まれ、女は更に続ける。


「この少年をこちらに引き込めば……うん。100歩くらい前進するかな」


 呟き、微笑む女。

 それはこれからはじまる楽しみ。

 それに向けた笑いだった。


 〜〜〜


「久しぶりね、アレンくん」


「あっ、アレンくん。おはよー」


「あぁ。おはよう、フウカさんとココネさん」


 引きつった笑顔。

 それをもってフウカとココネに挨拶をし、自分の席につくアレン。

 その表情。

 それはどこか疲れ気味だった。


「なに、その表情? なにかあったの?」


「アレンくん、大丈夫?」


 フウカのアレンに対する問いかけ。

 それを聞き、ココネは心配そうな表情を浮かべる。


 そんな二人の姿。

 それにアレンは、これまでにあったことを説明。


 ヘスティア。ブラックドラゴン。

 その二人のことを中心にして。


 それを聞き、フウカとココネは同じような反応を示した。


「その色々と大変だったのね」


「うぅ。アレンくんかわいそう」


「そうだろそうだろ。はぁ、やっぱりフウカさんとココネさんの雰囲気は落ち着く」


「でも、まさかよね。ブラックドラゴンがヘスティア様に擬態してたなんて。学園長を騙すくらいの擬態でしょ? 常人なら絶対に見抜けないわ」


「うんうんっ。でも。それを見抜いたアカネ先生とヤナギさんはすごいんだね」


 ブラックドラゴンの恐ろしさ。

 それに感心しつつ、アカネとヤナギの凄さにも感嘆する二人。


「あっ、でも。あなたも本当は見抜いていたんでしょ?」


「えっ?」


「そうだよ。アレンくんも見抜いていたんだよね? それをワザと知らないフリをして……うーんっ。やっぱりアレンくんはすごいよっ」


 ブラックドラゴンの胸と美貌。

 それに惹かれ全く気づかなかった、アレン。

 だが二人の期待に満ちた眼差し。

 それを裏切るわけにはいかない。


「あ、あぁ、おおお、俺が気づかないわけないじゃないか。ははは。この俺を誰だと」


 思っている。


 だがそのアレンの声が響く前に、聞き覚えのある声が割り込む。


 ガラッ


 教室の扉。

 それを豪快に開けーー


「やっほーっ、アレンくん。来ちゃった」


 アレンたちと同じくらいの銀髪の少女。

 それに擬態したブラックドラゴンが現れる。


「へ?」


「ん? なに、アレンくん? わたしのこと忘れちゃったの?」


 微笑み。

 アレンの元へと一直線に駆け寄ってくる、ブラックドラゴン。


 たわわな胸。

 それをここぞとばかりに揺らしながら。


 それに男子たちは見惚れ、「す、すげぇ」と思わず声を漏らしてしまう。


 そのブラックドラゴンの姿。

 それをしかし、フウカは立ち上がって応戦。


 アレンの机の前。

 フウカはそこに立ち塞がる。


 そして。


「待ちなさい!! 貴女ッ、この学園の生徒じゃないでしょ!! どこから入ってきたの!?」


「あんっ、どいてよっ。わたしはアレンくんに用があるんだから」


 むにっ


 互いに胸を合わせ、一進一退の攻防を繰り広げるフウカとブラックドラゴン。


「あッ、アレンくん!! この子と知り合いなの!?」


 行かせまいとするフウカと。


「知り合いどころか耳たぶを甘噛みした仲よ。ねっ、アレンくん」


 なんとしてでもアレンに抱きつこうとするブラックドラゴン。


 その二人の姿。

 それにココネは焦り、おどおどする。


「あ、アレンくんの耳たぶを甘噛みした仲。う、羨ましい。そそそ。そうじゃなくて……アレンくんっ、お知り合いさんなの?」


「お、お知り合いかと言われればそうです」


「本当に!? ならッ、名前はなんていうの!?」


 ブラックドラゴン。

 とは口が裂けても言えない、アレン。


「名前。なまえね。えーっと。そ、その」


 アレンは汗を滲ませる。

 そんなアレンにブラックドラゴンは助け舟。


「レイラよ。れ、い、ら。今日からこのくクラスの一員になる、レイラ。ね? そうでしょ、アレンくん」


 偽名を発し、ブラックドラゴンはアレンに向けペロッと舌を出す。

 それにアレンは、「そ、そう。レイラだレイラ。これからクラスの一員になる、な?」と声をあげ汗を拭う。


「レイラ? ほんとに? それにクラスの一員?」


 未だ疑う、フウカ。


「にしては間があったじゃない。なんだか怪しいわね」


「まだ疑うの?」


「ふんっ、まぁいいわ。レイラさん。もうすぐ授業がはじまるの。はやくこの教室から出て行ってくれない? クラスの一員なんて嘘っぱち通用しないから」


 そこに、またもや声が響く。


「皆さん席についてください」


 つかつかと教壇の後ろに立ちーー


「今日からこのクラスの担任をすることになったヘスティアです。専門はドラゴンハンター。一応世界では最強で通っています」


 金髪。

 それを後ろで結び、眼鏡姿のヘスティア。

 その先日アレンと色々あったにこやかな女性。

 その人物がそこに佇んでいた。

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