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SSS級①

昼休みの教室。

そこでアレンは突然、ハッとする。


そして。


「しかし、あれだな」


「どうしたの? アレンくん」


ココネと。


「俺はこんな贅沢でいいのだろうか?」


「なにがよ?」


読書モードの薄縁眼鏡をかけたフウカ。


席の前と後ろ。

そこに視線を向け、アレンはいきなり声をあげた。


「前門の美少女。後門の美少女。ココネとフウカ。加えてアカネ先生とヤナギ特別顧問ときた。これを贅沢と言わずなんと言う」


「あなたね」


開げていた本。

それをぱたっと閉じる、フウカ。

そしていつものように、フウカはアレンへと正論をぶつけた。


「みんながみんな自分に好意を持ってるって勘違いしてるんじゃない? 言っておくけど、世界はあなたを中心に回ってるわけじゃないのよ」


「ど、ど正論です。はい」


「わかったならいいわ」


「すごい、フウカさん。理路整然だ」


感動し、ちいさく拍手をするココネ。

それにアレンもまた同意。


「あぁ、流石風紀委員長だ。これなら学園の風紀も安心だな」


「だね。フウカさん、すごい」


「すげぇよ、フウカさん」


パチパチ。

二人揃ってフウカに拍手を送る、アレンとココネ。

その拍手に、しかしフウカは表情ひとつ変えない。


頬杖をし。


「全く。まっ、でも。あなたたち二人を見てたら飽きることはないわね」


そう呟き、表情を柔らかくするフウカ。


そんな和やかな空気。

それを校内放送が遮る。


「アレン。お客様がきております。今すぐに応接間に来てください」


「お客様?」


放送。

それを聞き、首を傾げるアレン。

ココネとフウカもまた興味を示し、アレンと同じような反応を示す。


「誰だろ?」


「応接間ってことはそこそこの身分の人かしら? それか、お城の兵士の方とか?」


「へ、兵士? 俺なにも悪いことしてないのにか」


「そそそ。そうだよ、アレンくんはなにも悪いことなんてしてないよ」


「思い当たるフシは山を斬ったことかしら。後ね。悪いか悪くないかはあなたが決めることじゃないの。この世界にも決まり事ってものがあるんだから」


冷静に声を発し、「ほら、はやく行きなさい」とアレンを促す、フウカ。


それに頷き、アレンは立ち上がる。


ココネはそのアレンを見つめ、心配そうな表情を浮かべることしかできなかった。


〜〜〜


応接室。

その少し豪華な部屋で、アレンは身なりのいい貴族風の女性と白髪頭の学園長と対面し座っていた。


そして切り出したのはーー


「あなたがアレンくん? みんなから噂は聞いてるわ」


金髪の美しい女性。

その女性に見惚れて、返事が遅れてしまうアレン。

そんなアレンに学園長は注意を促す。


「アレンくん。返事をしなさい」


「あっ、はい。あ、あの。お綺麗ですね。俺、アレンと言います。あああ。貴女のお名前は?」


「!?」


アレンの態度。

それに血相を変える、学園長。


「あッ、アレンくん!! なんだねッ、その口の聞き方は!?」


「で、でも。綺麗すぎて理性が保てません」


「申し訳ございません、ヘスティア様。うちの生徒が粗相を」


しかし、ヘスティアは笑顔で応える。


「ふふふ。いいのよ、綺麗なのは事実なのだから。それに素直な反応は嫌いじゃないわ」


「さ、左様でございますか」


「あ、あのヘスティアさん」


「なにかしら?」


「お、俺。ヘスティアさんのお願いごとならなんでも聞いちゃいます」


「あら、嬉しい。じゃあ、話が早いわね」


学園長に目配せをし、頷くヘスティア。

それを受け、学園長はアレンに向け声を発した。


「アレンくん。君にとある依頼を受けてほしい」


「依頼?」


「あぁ。山を斬った君に……ヘスティア様からのご依頼だ」


「どんな依頼ですか?」


「それはーー」


その学園長を制し、ヘスティアは自ら続ける。


「SSS級魔物の討伐」


「SSS級魔物?」


「えぇ。"わたしの山"を斬ったアレンくんにしか互角に戦えない魔物なの。どうかな?」


「そ、その報酬は?」


そのアレンの問い。

それにヘスティアは人差し指を自分に向け、一言。


「10分間、わたしを好きにする権利。それでどうかしら? 加えてこの学園に対する投資もーー」


「受けます。その依頼」


ヘスティアが言い終える前に即答し、勢いよく立ち上がるアレン。


そして。


「少し時間をください」


「構わないわ。3日ぐらいでいかがかしら?」


「充分です」


三日三晩歩き回れば1000000ポイントは貯められる。


スキル……不眠不休(レベル10)

スキル……早歩き(レベル10)

スキル……飲まず食わず(レベル10)


それぞれをレベルMAXまであげ、アレンは応接室を後にする。


その背を見つめ、「いいわ、あの子。気に入った」そう呟き、ヘスティアはちいさく笑ったのであった。


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