感謝祭
祭りは人もそうだが、神も楽しみにしている。楽しいイベントは神も大好き。
引き篭もりのアマテラスちゃんも、他の神の笑い声に誘われて岩戸を
開けちゃったくらいだしね。
△ 感謝祭 ▽
さて、折角社を建てたので、お世話になった人をよんで、盛大に食事会でもしたいものだ。
そんな事を考える中で、三つやらなければならない事を考える。
一つは、ここまでの安全の確保。もう一つは、【調理士】の必要性。最後に俺がどうやって分社まで行くのかという事だ。
実は、移動手段を考えていなかった。
しかし、本能が言っている。
召喚士は、召喚できるのだから、逆に転移も得意なはず。
スキルツリーを完成させていけば、近いうちにお目にかかれるだろう。
それでは、一番に安全の確保を図ろう。
【クレリックー】と名付けた神官を五体配置し、残りはすべて【ガテン系クー】にした。
そして、魔術により、道の整備を行った。
土の道を固めて、人が歩きやすくしていく。
近隣の村まで五百メートルくらいとそんなに遠くは無い。
広めの道と石の壁を作成。
クレリックーには周囲の警戒と、魔獣退治をさせている。
集団行動をとらなくては、犬が大きくなっただけのハウンドドッグにも勝てない。
社が完成したこと、それと道が整備されたことにより、多くの参拝客が訪れるようになった。それに伴い上の洞窟には参拝客が少なくなっている。
今まで参拝のできなかったお年寄りも、多く寄るようになり、毎日来る人も増えてきた。
壁により、魔物除けを施しており、更に人通りが多いので魔獣もなかなか寄り付かなくなった。
毎日のスキルポイントも四千まで上がり、かなりスキルポイントもたまるようになった。
現在《19000》
【調理師】レベル1から5取得。
スキルポイント《3500》
【調理師】レベル6《16000》
【調理師熟練度増加】《1000》
【隠し味】《10000》
【飲料作成】《10000》解放。
【調理師熟練度増加2】《2000》取得。
《インスタントよりましなレベル。料理の本を見れば取りあえずは、何でもつくれる。能力付加に減点が加わる》
スキルポイント《1000》
【調理師熟練度増加3】《2500》解放。
巨大な料理器具複数、町の変りモノ取り扱い店から借り入れをして、社の前に作った簡易的な会場に設置をする。その際、材料についても一年間の借入として、仕入れを依頼しておいた。
それから、五日後の芋煮会のご案内を各町村にする。
――四日後
【調理師熟練度増加】レベル3から6取得
《人気店の味。料理本を見なくてもある程度のメニューは作れる。能力付加に加点される》
スキルポイント《4000》
【調理師熟練度増加7】《4500》解放
さあ準備は整った。
始めようか、下ごしらえを……。
――当日
大盛況である。
鍋から次々に、トン?汁が配られていく。
椅子の数が足りなかった。
皆が各々で食材や飲料を持ち込んでくれたので、更に盛大になった。
昼から初めて、大人たちは夜までワイワイやっていた。
近隣の小さな貴族も来たらしい。
献上金を神官クーが受け取っていた。
借りた仕入れ代金はこれで支払えそうだ。
初めて見る顔もいた。
中には、社の建造のすばらしさとそこまでの舗装された道を褒める人もいた。
土着の精霊を信仰する習慣がのこっているようだが、こちらにも注目してくれそうだ。
今回は、準備もそこそこで芋煮会程度しかできなかったが、今度は祭りを盛大にとり行いたいものだ。
この日のスキルポイントは異常であり《30000》まで一日でたまった。
掃除や片づけを手伝うように名乗り出る者もいたが、丁重にお断りをして、すべての作業はクーが行い。焼却と埋め立てによりゴミは廃棄した。
次の日には、借入した機材とお金を返却して、町のレンタルショップの店長からもおどろかれた。確実に知名度も上昇した。
【隠し味】《10000》
【飲料作成】《10000》取得。
《料理に、約3時間の能力増加効果を加える。料理の種類によって増加する効果は変わる。増加量は熟練度依存》
《飲料系作成可能。果実飲料からお酒まで作成可能》
スキルポイント《15000》
シンプルなつくりの社は非常に人気になり、参拝客もかなり増えた。
毎日のスキルポイント増加量も五千五百にのぼる。
門前では、【調理師】のクーにより簡単なお茶うけとお茶が振る舞われるようになった。
仕入れ代金とほぼ同じくらいのお金しかとらないので、かなり安い。
それに加え、【隠し味】の効果により、体力の増加と消化促進《三時間以内にとる食事について腹痛を起こす確率が減少して、能力増加効果がある場合は、その効果が二割増加》
また、二ヶ月後に何かイベントを催すと、周辺の町村にチラシを配布。
お礼に、各有力者の家には、神官クーから酒を配った。
日本酒と同じ味のするその酒は、マナの回復を促進する効果がある。
癖はあるが、好きな人はかなりはまったらしく、後日、社に売ってほしいと懇願する貴族まで現れた。