奪還戦
△ 奪還戦 ▽
【転移門】で、占領された町の前に飛ぶ。
「まだ、一日では回復しないようだな」
先に潜入させたクーからのイメージで、ベルセルクたちの様子は分かっている。
「それでは、始めるか……」
【武術家】を20体召喚。
【共感覚】発動。
「散れ!」
【共感覚】で能力が上乗せされ、体の動きも武術家のそれである。
食料事情により、腹のたるみは無くなったが、筋肉のあまりついていない体で、物凄い力を出せるあたりが、ファンタジーな違和感がある。
トボトボと歩く抜け殻どもを、次々に撲殺する。
20体のクーからの情報を受けつつ、同時に索敵も行う。
襲撃してくる個体は、あまりないだろうが、用心は重要だ。
それに、取り逃がしは抑えたい。
果たして、統率者はいるのか?
狂人状態の彼らとも遜色なく戦える体だが、こちらの総戦力を考えると、インターバルが終わるまでに決着をつけたい。
様々な武術の動きを再現できるようで、かなりアクロバティックに戦える。
5分ほどの間に、すでに、数十体もの敵兵を沈めた。
あちらは、攻撃もしてこない。
少し前の俺では、人を傷つける事をためらったかもしれない。
でも、今は覚悟が違う。
更に30分ほど経過したところで、徐々に異変が起き始めた。
敵兵の動きが、機敏になってきたのだ。
攻撃も仕掛けてくるようになる。
俺と、【共感覚】を共にしている個体は、問題なく沈める速度は変わらないが、たの個体が少しずつ撃破速度を緩めている。
一気に、狂人化するわけでなく、徐々になっていくのか。
じゃあ、これからの時間で、どれだけ撃破できるかが、勝敗のポイントになるな。
町人もいないので、好きにやらせてもらう。
建物などの破壊も、気にすることなく行える。
蹴り飛ばし、民家の壁に激突させた後に、ダメ押しで壁ごと顔面を破壊する。
すでに、俺とリーダーは百体以上に上る敵を撃破している。その他の個体も50体は撃破していることから、千体強を撃破しているのだ。
残りも、大体同じくらいだろう。
リーダー以外の個体には、二人一組で行動するよう指示。
敵が自発的に集まりだしたことにより、一人での対処より、その方が確実に沈められる。
俺とリーダーは、敵が自発的に動くようになり、索敵ロスがなくなったので、撃破のスピードは逆に向上している。
しかし、時間がきてしまう。召喚して使役をするが、クーには時間制限がある。
あと数分で時間は切れてしまうので、前もって見つけていた町の薬やに駆け込む。
一番門に近い店だ。
その店の在庫の中から、濃度の高いソーマを持ち出す。
それと同時に、召喚したクーが消滅。
【共感覚】の効果も切れて、ただの召喚士になってしまう。
いや、この状態でも十分戦えるのだが。
ソーマを一気に四本飲み干す。
それと同時に、【武術家】を十五体呼び出す。
【共感覚】を発動させ再び、戦場へ舞い戻る。
しかし、ソーマは質の良いモノは酔いがないが、通常品質以下は飲みすぎると酔いがまわる。全体的な能力が十割低下。
しかし、これぐらいでは、おくれはとらない。
人数が減ったので、撃破速度はさがってしまう。
更に、30分が経過して、八百体強を撃破。
残り、数百体まで減ったところで、ベルセルクたちが狂人化しだした。
斧を振るスピードも増加して、全体の能力も先ほどの数倍にあがっている。
時間切れだ。
【転移門】で町の外へ飛ぶ。
安全圏まで脱出したところで、【瞑想】を行い次の戦いに備える。
次は生半可ではやられるな。
呼吸と姿勢を整える。




