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Crafter  作者: 絶英
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天国世界 2. 共闘関係

次回更新23日午後8時


もうしわけないです。

更新日が一日ずれていました。



 俺は、WanKAに迫りくる敵に剣を振るう。見事ヒットし敵のHPを2割減らす。が、残り6割の体力が残っている。

「ワンカ退け!」

 敵の攻撃を一人で受けている。が、うまく剣で攻撃を弾きあまりHPは減っていない。

 敵は、天使兵と言う名前だ。普通の兵士に翼を付けたような奴である。強さは、ゾンビの上位版である。攻撃、体力は多いものの防御が低い。が、1体の体力が減ると残り4体のうち1体がその1体を援護し死なないようにするという戦法だ。また、攻撃は囮っぽいことをしているうちに側面から攻撃してくるといったように連携が上手い。また一撃が非常に痛いのだ。残り敵3体のHPは3割、2割、6割である。

「うおぉぉぉ!」

 Lvによる補正か、何かは知らないが体が妙に軽く動くので複雑な動きが出来る。俺は敵に飛び掛かり回転斬の要領で攻撃を加える。それにより残りHP3割の敵のHPは1割になる。地面に降り立つと、素早い動きで敵の追撃を避けさらに攻撃する。だが、敵の援護で弾かれてしまう。こういう隙を付けないのは痛い。

 俺は、援護で攻撃を弾いてきた残りHP2割の敵に狙いを定める。

「シロ、支援頼む!」

 俺は少し後方に下がった敵に向かって走り出す。それを止めようと前に立ちはだかろうとするHP6割の敵にShiroが弓矢で攻撃を仕掛ける。矢が足に当たった敵は足が遅くなり、俺のダッシュを止めれなくなってしまう。俺はHP2割の敵に飛び掛かる。敵は上手く避けるがギリギリ攻撃が当たった。HPが0になった敵は消滅し、地面にアイテムが落ちる。

 残りHPが1割の敵は既に仕留められており残り1体となっていた。

「残り1体だ。たたみかけるぞ!」

 俺はそう言って、敵に飛びかかる。剣を振るうが翼を使った空中浮遊で避けられてしまう。が、まだ甘い。ゲーム内での補正を舐めるなよ! 俺は、その場で大きくジャンプし剣を振るう。空中浮遊していた敵の真下だったため、股を切るような感じになってしまい少しグロテスクである。それによりHPが2割減る。あんだけ痛々しいのに2割しか減らないとはまた変な話である。

 俺はさらに連続攻撃を仕掛ける。勿論敵も剣で防御してくる。相手も上手で俺の攻撃を端から端まで防いでいる。だが、AIはAIだ。勿論これも俺たちの作戦である。

 敵が俺の攻撃の対応に夢中になっている間にココロが後ろから剣を突き刺す。さらに、剣に持ち直したWanKAが側面からも剣を突き刺す。

両方2割ダメージである。残り4割だった敵のHPはなくなりポリゴンの欠片となりアイテムを残して消えて行った。

「ふぅ……」

 一息つく。流石にここまで疲れる戦いになるとは思っていなかった。戦闘開始から終了までに5分経っている。

「それより、どうやってのぼるんですか、これ?」

 BeBeは浮島を指さし問う。確かに上りかたが分からない。このままだったら敵が次々によってきて戦死間違いなしだ。

 俺が真剣に悩んでいると近くから声がしてくる。これは……人間の声……?

 どんどんと近くなってくる。俺はPKじゃないかと疑い抜刀する。

 どこから聞こえてくるんだ? 周りを見渡すと100メートル程離れた所にプレイヤーの集団を発見する。数は約30人。これが全部PKだとすると……ゾッとする。

 だが、よくみると赤くない。PKじゃないのだ。

「とりあず話しかけてみよう」

 俺たちはダッシュでその集団の方に行った。


「知らないか? 俺たちの事。俺たちは天国侵攻部隊。攻略掲示板で一昨日あたりに結成された混成軍だ。因みに地獄侵攻軍もある。まぁそういうわけであの浮島の神殿攻略に向かうつもりだったんだ」

 俺たちは集団とコンタクトを取った。やはりPK集団ではなく、ようするにVRMMO系小説で言う攻略組という類のものである。リーダーは≪エビス≫さんである。

「じゃぁ俺たちも入っていいですか?」

 俺たちもこの世界を突破するためにここに来たわけだし、敵がどんなのかわからない以上は大人数でいくのが良いだろう。

「別にいいぞ。ただ、残念なことに偵察専の部隊との通信が途絶えてなぁ。それだけ危険だということは承知してほしい」

「わ、分かりました」

 こうして、俺たちは天国侵攻部隊に付き添い神殿に向かった。

 そういえば、浮島の上りかただが地面に一番近い部分にワープできる場所があってそこで神殿の前までワープできるのだ。

 そうして、神殿に着くとその壮大さに俺は絶句した。

「これが、神殿……」

 プレイヤーは口々に感嘆の言葉を漏らした。

「さぁ先に進むぞぉ!」

 エビスはそう言い先頭を進んだ。


 目の前には壮大な扉があった。石で出来ており少し剣で切ってもびくともしない。また進もうとすると此処は危険ですよ、みたいなことが書いてあるウィンドウが表れる。いかにもこの先はBOSSがいるって感じだ。

 ここまで来るのに既に2人死んでしまった。1人は回復中のところを急襲されて死んだ。

もう1人は、この天使兵分隊長という敵にターゲットされて何度も攻撃されて死んでしまった。その惨状を見てきた部隊のプレイヤー――もちろん俺たちもである――は確実に精神的ダメージを受けていた。

「この先どんな奴がいるか分からない。だがここで怖気づいては駄目だ! 今まで死んだプレイヤーのためにも勝利をつかむぞ!」

 部隊のプレイヤーからは返事はない。

 エビスは扉に手を触れ、出てきたウィンドウを消し扉を押した。ゆっくりと扉が開く。

「陣形は前衛と後衛、回復支援で決められた所に配置しろ。進めぇ!」

 プレイヤーは走り出した。


 

グオオォォォォォォォォォ


 

 遠くから凄まじい叫び声が聞こえた。鼓膜は刺激され痛くなる始末である。

「前方を見ろ!」

 誰かがそう叫んだ。

 プレイヤーは立ち止まり前方に目を向けた。

「ウソ……だろ……」

 俺は絶句した。

 そこには、4体の巨大な天使がいた。大きさは20メートルくらいだ。

 大天使ミカエル

 大天使ガブリエル

 大天使ラファエル

 大天使ウリエル

 その4体がプレイヤーの目の前に現れたのだ。


 グオォォォォォォォォォォォォ


 その咆哮が部屋に響き渡った。戦いの始まりの合図であった。


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