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(^ω^)【ようです】のようです

( ^ω^)異世界転生には保安検査と入国審査が必要なようです。

作者: 日曜日夕
掲載日:2025/02/02

《異世界保安検査場》



( ^ω^)「ふぅー、意外と死んでから転生まで時間かかったなぁ」



( ^ω^)「しっかし、遂に異世界かぁ……神様にチートスキルも貰ったし、第二の人生いっちょやったりますか!」



((( ^ω^)「おっと、その前に保安検査と入国審査だな」



(・∀・ )「はい、じゃあ次の方。こちらのゲートにお願いします」



( ^ω^)「はい」



((( ^ω^)



((((( ^ω^)



(((((((;^ω^) ブー!!ブー!!



(;^ω^)「えっ!?なんで何も持ってないんだけど!?」



⊂(・∀・ )「ちょっとお身体失礼しますね」



(・∀・ )「あー。お客さん、チートスキル持ってきちゃったんですか」



(;^ω^)「え、ダメなん?」



(・∀・ )「最近ね、この世界の秩序(ほうりつ)が変わりましてね。所有できるスキルが結構厳しく制限されたんですよ」



(;^ω^)「えぇー?聞いてないけど」



(・∀・ )「数年前まではねー結構自由だったんですけどね。流石にチートスキル持った人が増えすぎてねぇ……ほら、彼らって結構ムチャクチャするでしょ」



( ^ω^)「まぁ、チートってそういうもんですからね」



( ^ω^)「例えば、どんなスキルがアウトなんですか?」



(・∀・ )「とりあえず『レベル』『ランク』『スキル』『ステータス』って言葉が入ってたら即アウトですね」



(・∀・ )「あと概念系、召喚系もダメ。人間以外の獣や魔物とコミュニケーション取るのもダメ」



(・∀・ )「令嬢、聖女、勇者、魔王、農家になるのもダメです」



( ^ω^)「制限っつーか全面禁止じゃね?」



(・∀・ )「ゲームじゃないんで」



( ^ω^)「元も子もない」



(・∀・ )「TOEICや漢検とかのスキルなら所有可能ですよ?」



( ^ω^)「異世界で何の役に立つのそいつら?」



(・∀・ )「まぁ、ぶっちゃけ元の世界で身につけた技能なら所有できます」



( ^ω^)「元大学生バイトの俺に技能なんてあると思うか?」



(・∀・ )「その位の年齢ならば持っている人は持っているでしょう」



( ^ω^)「そんな厳しい言葉聞きたくねぇんだよ!」



( ^ω^)「何の為に異世界に来たと思ってんだ!」



(・∀・ )「さぁ。とりあえず、『全ステータスLv999』『無尽蔵の魔力』『透視スキル』『透明化スキル』『催眠スキル』。全部没収しますね」



(・∀・ )「……」



( ^ω^)「……」



(・∀・ )「アナタみたいな人間が沢山来るから、こうやって規制されるんですよ」



( ^ω^)「俺はまだ何もしていないし、何をするとも言っていないからセーフ」



( ・∀・)つ「……まぁ、そうですね。それでは、スキルは全て抹消しましたので、お通り下さい。次は入国審査です」



( ^ω^)「疑わしきは罰せずって良い言葉ですね」



( ・∀・)「あ、そうだ。チートスキルは消えましたけど、まだアナタにはスキルが残ってましたよ?」



(^ω^ )「え?まじで?何?」



( ・∀・)「ITパスポート」



(^ω^ )「まじで何の役に立つんだよ」



《異世界入国審査》



( ^ω^)「異世界なのに入()審査とかいう違和感には疑問を持ってはいけないのだ」



  ('A`)「はい。こんにちはー」



( ^ω^)「こんにちは」



  ('A`)「えー、この度はどういった経路でこの異世界までやって来ましたか?」



  ('A`)「事故や事件、病死など、簡単な言葉で結構ですので」



( ^ω^)「トラックです」



  ('A`)「分かりました。異世界に来た目的は?」



( ^ω^)「スローライフでも送ろうかなって」



  ('A`)「アナタのスキルじゃ働かないと食べていけないですよ」



( ^ω^)「現実を叩きつけるな」



( ^ω^)「まぁでも、冒険者として働くのも悪くないかな」



  ('A`)「あぁ……一応、冒険者希望の方に言っているんですけど、それ止めたほうが良いですよ」



(;^ω^)「なんでよ?男は冒険者、女は令嬢が異世界転生の華でしょ?」



(;^ω^)「あ、もう令嬢にはなれないのか」



  ('A`)「いや、冒険者って危険ですよ。常に死と隣り合わせの職業ですから」



( ^ω^)「そうなの?」



  ('A`)「そりゃあ、魔獣とか賊と戦うわけですし……元軍人とかであれば、それなりに適応できるかもしれないですけど」



( ^ω^)「でもこの世界魔法使えるじゃん?」



  ('A`)「才能のない人間は、魔法なんて専門学校行かないと使えるようになりませんて」



  ('A`)「個人的には中の上くらいの市民の子どもに生まれて、幼少期は勉強を頑張り、魔法学校に入学して、コネを作って、卒業後は魔導師か大商人、もしくは官僚に成るのが良いと思います」



( ^ω^)「現実と変わんねぇ」



  ('A`)「効率を優先すれば、おのずとこうなります」



( ^ω^)「それもそうか……まぁ、チートはなくとも、元の世界で培った経験がある分、他の奴らよりは有利に立ち回れるか」



  ('A`)「そうですよ。上手くやれば、チートなんて使わなくてもスローライフは送れますから」



( ^ω^)「商人とか官僚ってスローライフと対極にあると思わない?」



  ('A`)「でも金がないとスローライフなんてできませんよ。余裕なんて持てる者の特権です」



  ('A`)「アナタの転生先には、頑張れば報われる、良いのを用意しますよ」



( ^ω^)「そんなうまい話はないってことですね……」



( ^ω^)「分かりました……!心機一転、頑張ります!」



  ('A`)「その意気ですよ!それでは、アナタの転生先は……絶海の孤島に住むオーク部族、ロゴボ・ンドロボンゴ族の上級戦士・グェバロの息子になりますね!頑張って下さい!」



(;^ω^)「待て待て待て待てェッ!!」



  ('A`)「なんでしょう?」



(;^ω^)「絶海の孤島?オーク部族?」



(;^ω^)「ロゴボ・ンドロボンゴ族!?」



(;゜ω゜)「そしてグェバロって誰じゃお前!!?」



  ('A`)「はい。『大海洋』のほぼ中央に位置し、全大陸から数千キロ離れた孤島、ロゴボ島に暮らす獣人亜科オーク族オーク属のオーク。彼らは自らを『島の守り人』という意味を持つ、ロゴボ・ンドロボンゴ族を称しております。」



  ('A`)「彼らはあらゆる文明から隔絶され、狩猟採集生活を送るオーク、その身分は上級戦士と下級戦士に別れ、狩りの強さによって決まります。ただし、その頂点に『王』が居ることは、他の文明と変わりません。グェバロは、足の速さが特長の……」



( ^ω^)「分かった。もういい」



( ^ω^)「色々と言いたいことはあるが……そんな絶海の孤島の部族で、どうやって魔導学院に通えと?」



  ('A`)「頑張ればなんとかなりますよ。まずはボート作りですかね」



( ^ω^)「頑張れって無責任な言葉だよね」



  ('A`)「なんです、転生先が気に入らないんですか?」



(;^ω^)「まぁオーク族だし……それに、戦士って結局死と隣り合わせじゃん。嫌だよ普通に」



  ('A`)「親ガチャ発言に人種差別・職業に対する偏見ですか……時代はポリティカル・コレクトネス。発言には十分気をつけた方がよろしいかと」



( ^ω^)「何も言えなくなる最強魔法発動しないで」



( ^ω^)「つーか、異世界にも政治的公正なんて概念あるの?」



  ('A`)「そりゃあ、アナタの世界よりももっと多様な人種が存在してますもん。それだけ差別や偏見には厳しいですよ」



( ^ω^)「なんか、価値観が現代的であればあるほど魅力が無くなっていくんだけど」



  ('A`)「でも大丈夫。アナタの転生先は、絶海の孤島に住むオークなんて倫理もへったくれもない野蛮人ですから。刺激的な毎日が送れますよ」



( ^ω^)「差別を批判する人って自分が犯した差別に無頓着だよね」



( ^ω^)「つーか、さっきから異世界転生に対する期待値が地に墜ちているんだけど。もうちょっと楽しい世界を想像してたのに」



  ('A`)「知りませんよ。そういう異世界なんですから、仕方ないでしょう」



  ('A`)「というか、自分が行く異世界と転生先くらい出発前に把握しといて下さいよ。こんな最後の最後でゴネられても困りますよ」



( ^ω^)「どうやって把握するんだよ」



  ('A`)「仲介業者(ブローカー)の方から何も聞いていないんですか?」



( ^ω^)「ブローカー?」



  ('A`)「俗に言う神様です」



( ^ω^)「お前ら神様のことブローカーって呼んでんのか」



  ('A`)「まぁ、彼らのやっている内容が内容ですし」



  ('A`)「一般的には、神様(ブローカー)から転生先に関する説明が転生者になされて、その内容に転生者同意した場合に、異世界行きが確定するんですよ」



  ('A`)「……しかし、まれにチートスキルという甘い言葉で釣って、人気のない異世界に有無を言わさず転生させる邪神が居る……とも聞いています」



( ^ω^)「【悲報】俺、邪神に詐欺られる」



( ^ω^)「つーか何のメリットがあってそんなことするんだよ」



  ('A`)「神様は、沢山ある世界の均衡を保つのが仕事ですからね。通常は、ある世界から出ていく魂と、その世界に入ってくる魂の量は一定なんですけど、人気のない世界は、入ってくる魂よりも出ていく魂の量が多くて……」



  ('A`)「そういう場合、神様が積極的に介入します」



( ^ω^)「今明かされる異世界転生の真実」



  ('A`)「それじゃあ真実も知ったことですし、転生しますか」



(;^ω^)「え?やだよ、俺オークになんかなりたくねぇよ!」



  ('A`)「もうね、ここ数年の異世界はレッドオーシャンなんです!なりたい命に転生できる人なんて殆どいません!」



  ('A`)「ロゴボ・ンドロボンゴ族!もう内定してます!」



(;^ω^)「い、いやだ!俺は異世界であんなコトこんなコトしたんだ!!」



  ('A`)「名前ももう決まってますから!」



( ^ω^)「勝手に決めんな!」



  ('A`)「名前以上に勝手に決まるモノなんてねぇよ!」



  ('A`)「アナタの名前は『ヤルオ』です!」



( ^ω^)「お?風向き変わってきたな」


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