赤脈旅団
ダンジョンから出ると、外はすっかり夕暮れであった。
ディカの腹時計とやらを信じて切り上げたのだが、ここまで正確だったのには驚いた。
晩飯はそこらの店で済ませようと思っていたのだが、ディカに誘われて旅団での食事にお呼ばれする事に。
帰路で食材の調達も済ませて野営地へ歩く。
「悪いな、荷物持ちまでさせちまって」
「晩飯呼んで貰ったんだし、これくらい礼儀の範疇だよ」
両手にツタで作った簡易袋を下げ、えっちらおっちらディカの後を追う。
ムアはマフラーのように首に巻きついているので足元が見えん。
「そういや、赤脈旅団って何人いるの?」
「あたし含めて13人だ。 色んな場所で拾って来た奴らだが、悪い奴はいないから気にするな」
多分これは、産まれとかで差別するなよって事なんだろう。
安心してくれたまえ、こっちは平和ボケした大和魂を掲げてこんにちはしようじゃないか。
「やっと帰って来た! ディカ姉、遅いよ!」
俺のテント跡地が見えてこようかという頃、夕暮れの景色の中、小柄なシルエットが手を振っていた。
「すまんすまん。 肴を捕まえて来たから、今夜は退屈しないぞ!」
女の子の声に、ディカはよく通る声を張り上げて答える。
俺食われるんだろうか。
ディカの声を聞いて、ゾロゾロと人影が集まってくる。
スキンヘッドの小柄筋肉男や、絶対強いって確信を持てる背筋の伸びたおっさん、煙管を持った栗毛の美女など個性様々だ。
「こいつが昨日姉さんが言ってた新人か」
「中々精悍そうな目付きをしているじゃ無いか」
「ねぇ、その子のマスク……」
「待った待った! 紹介は後だ、先に荷物持ってってくれよ」
ディカの一声で野営地へ向かう事に。
着いた先では、既に食事を始めているらしかった。
ツダのチップを混ぜているであろう焚き木に金網が敷かれ、肉やら野菜やらが焼かれているバーベキュー式らしい。
焼き奉行と化した男に食材を預けたディカは、上座にどっかり座ってその横に俺を招く。
「お、お邪魔しまーす……」
う、大人数に囲まれて持病のコミュ障が顔を出してきやがった。
ギニンに居た時は周りが他人、もしくは敵対的な奴ばかりだったから楽だったのだが、こうも好奇心というか、友好的な視線を向けられるのは慣れていないのだ。
悲しいなぁ。
「昨日話した新人のアギトだ! 今日と明日からダンジョンに行ってくるから、何か困ってたら面倒見てやってくれ」
いかん、異世界に来てからの調子を取り戻さねば。
「あー……。 どうも、アギトだ。 ゲルには昨日来たんだが、その時にディカと知り合った。 よろしく頼む」
上手く喋れただろうか。
幸いな事に質問攻めにはならず、そこからは各々好きなように飲み食いし始めたので助かった。
一安心もつかの間、手持ち無沙汰に気付いてどうしたものかとムアを撫でる。
「ワゥ」
ムアが俺を見上げてくると同時に、ポルトの『人付き合い頑張りましょう』の言葉が脳裏を過ぎる。
別にサボろうとしてた訳じゃ無いんだ。
ただ、もう少し猶予があると思っていたのだが、まさか昨日の今日でコミュニケーション必須な場に放り込まれるとは誰が予想出来ようか。
唯一の知り合いであるディカは、気付いたら隣から消えてるし。
俺と仲良くしてくれる人は、他の人とも仲良くできる。
これは学校で嫌という程味わった経験だ。
ムア、霧で俺を隠してくれ……。
「ねぇ、この子かわいいね。 何て種類の魔獣なの?」
シャベッタァァァァァ!?
ダレガ!?
顔を上げると、先程一番にディカを迎えに来ていた女の子が隣に座っていた。
「こいつはムアだよ。 種類は知らないんだ」
「へぇ、抱っこしていい?」
すると俺が返事をする前に、ムアがぴょんと女の子の膝へ乗っかった。
「わっ、フワフワ! しっぽながーい!」
女の子に撫でられながら、ムアは俺に目を向けてくる。
その目はまるで俺にコミュニケーションを催促しているようだ。
いや、事実そうなのだろう。
きっかけを作ってもらうとは、情けない限りである。
「小さい頃から一緒にいるから、家族同然なんだ」
「へぇ。 あ、私はリーチェ。 よろしくね」
リーチェはよく見ると、頭にフワフワの丸い耳が生えていた。
どうやら獣人らしい。
ギニンでも見かけたが、こんなふうに近くで見たのは初めてだ。
サラリと明るい茶髪が流れて見えたが、人間の耳がある場所はもみあげが広く覆っているだけのようだ。
「私の弟子よ、可愛いでしょう?」
割って入るように覗き込んで来たのは、栗毛の美女だ。
煙管を持っていたせいかお香のような香りを漂わせる彼女は、笑顔を作りつつも目が笑っていない。
む、何か怒らせるような事をしただろうか。
別に色目は使って無いんだけどなぁ。
異世界に来てから全てが真新しくて、思春期の性欲なんか不思議への好奇心で忘れてたくらいだし。
「あなた、そのマスクあまりいい趣味とは思えないわね」
それを言われてピンと来る。
「これは失礼。 食事の場に呪物なんて身に付けて来るもんじゃ無かったね」
俺があっさり外してムアの霧にしまうと、栗毛の女は少し驚いたようだ。
「呪物だって知っていて装備していたの? それに自力で外していたし……」
「俺こんななりだからさ、変な奴避けるのに使ってたんだよ。 人避け装備みたいなもん」
それでもなお、栗毛の魔女は俺の顔を覗き込んで来る。
その目に映るのは、今度は心配だ。
「でも呪物よ? 正気?」
「俺呪物とかに耐性があるみたいなんだよ。 ほら、これも呪物だし」
コートを捲って腰の棍棒を外すと、それもムアに預ける。
「驚かせて悪かったね。 取り憑かれたりとかはしてないから大丈夫だよ」
栗毛の女はしばらく俺を観察していたが、やがて肩の力を抜いて息を吐いた。
「ならいいのよ。 私こそ失礼だったわね。
でも驚いたわ、呪物を顔につけてる人が平然としているんだもの」
可愛い弟子に呪物を付けたヤベー奴が近付いてると焦ったのだろう。
「特に害は無いからね。 舐められないように付けてたんだよ」
俺が再び理由を言うと、栗毛の女は少し吹き出して花の咲くような笑顔を見せた。
今度は目も優しい。
「確かに、あなた可愛らしい顔してるものね。
私はルマネアよ。 よろしくねアギト」
「どうぞよろしく」
そこへ両手に肉の串を持ってディカが戻って来た。
「アギト。 そこの魔女に虐められて無かったか?」
「失礼ね。 あなただってその大きな体で怖がらせたんでしょう? 可哀想に、怖かったわね〜」
そう言って軽く抱き締めてくるルマネアだが、俺からしてみればどっこいどっこいである。
先程ガッツリ警戒の色を向けて来ていた彼女に、鼻の下を伸ばせるほど幸せな脳みそはしてない。
原因は俺にあるので、怒ったりはしていないが。
「こんな美女が密着してるんだから、もっと嬉しそうな顔しなさいよ」
「人を見る目は確からしいな。 ほれ、お前も食えよ」
「あざーす」
ディカに差し出された串焼きを、有難く頂戴する。
白っぽい肉からは今にも油が滴り落ちそうだったので、急いで齧り付く。
「お、美味い」
白かったので脂身かと身構えたが、筋肉質のさっぱりした身が中々に美味い。
ムアもリーチェの膝の上で、ハグハグと食べさせて貰っているようだ。
「だろ? そいつはダンジョンで取れたリザードマンの肉だ。 もっと食いたかったら、明日から気張れよ」
それを聞くと、俄然やる気が湧いてくる。
爬虫類の肉は鶏肉に似ていると聞いたことがあるが、リザードマンの肉は鶏肉よりもジューシーで美味しかった。
「気合いが入るのはいいが、食う前にちゃんとツダのチップで焼くのは忘れんなよ」
ジョッキ片手にやってきたのは、スキンヘッドで小柄なゴリマッチョであった。
髭こそ生えて居ないものの、この風貌には心当たりがある。
「ひょっとしてドワーフ?」
「正解だ。 この辺りじゃあんま見ねぇだろ」
ジョッキ片手にウィンクする姿は、中々様になっている。
男の憧れる渋かっこよさが滲み出ている感じが親しみやすい。
「うん、初めて会ったよ。 アギトだ、よろしく」
「俺はラートってんだ、よろしくな。 ほれ、野菜も食えよ」
「ではありがたく」
肉をクタクタになった葉野菜で包んで串に刺したものが差し出される。
早速かじると、野菜のほんのりした苦みが脂に溶けてまろやかになり、くどく無くて食べやすい。
「美味いね。 これならいくらでも食えそう」
「だろ。 俺達みたいな繊細な腹の持ち主は、ちゃんと野菜も食わねぇといけねぇのさ」
ラートはチラと視線を横にスライドさせてそう言ったが、当のディカは異議ありのようだ。
「大酒飲みの何処に繊細さがあるってんだ?」
「仕方ねぇだろ、俺はドワーフなんだから。
ドワーフは人間の汗の代わりに、アルコールをかくんだ。 これは火山や鍛冶場の暑さにくたばらねぇように、気化熱に特化した進化なんだぜ」
「へぇ、凄いなドワーフは」
まさかそのような形で適応しているとは、流石異世界である。
「嘘だからな。 信じるなよ」
「嘘かい」
「ダーハッハッハッ!!」
危なかった、ディカが突っ込んでくれなかったら信じてるところだった。
するとそこへ、ムアを抱きかかえたリーチェが憤りながらやってくる。
「ラートの言うことは信じちゃ駄目だからね! 私もどれだけ騙されたか」
ムンと怒るリーチェだが、ラートはニヤリと笑う。
「リーチェちゃん、トレントの上位種で代表的なのは?」
「エルダートレント!」
からかうように問うラートに、リーチェはクワッと噛み付いて答える。
「リーチェは前まで、トレントはエルフになると思ってたのよ」
で、その情報源はラートであると。
ルマネアに耳打ちされて笑った俺を、リーチェが見逃さず憤慨する。
「何笑ってるのよ! アギトだってさっき騙されてたでしょ!」
「でもドワーフならそんな進化も有り得そうじゃない?」
「確かに、まだ現実的な話よね」
「先生まで!?」
まぁ俺はエルフから木になった人を知ってるから、あんまりリーチェの事は笑えないんだけど。
ふとムアを見ると、周囲をキョロキョロ見回している。
「どうしたの、誰か来た?」
ムアは返事をせずにリーチェの膝から降りて少し離れると、なんと巨大な姿に変身した。
「うお!?」
「あら」
「わぁっ!」
赤脈旅団は驚いているが、当のムアは穏やかな様子だ。
どうやら彼らを信頼して、本来の姿を見せたらしい。
先程周囲を警戒していたのは、他の人間が居ないかどうか確認していたのだろう。
遠巻きに見ている赤脈旅団の面々を呼ぶ。
「ムアが本来の姿を見せたいってさ」
真っ先に近付いてきたのは、ついさっきまで撫でていたリーチェだ。
しかしすぐ近くまで来ると怖くなってしまったのか、撫でようとした手が止まる。
ムアはそんなリーチェの手に自ら額を押し当てた。
「わっ、わぁっ!」
ふわふわの感触に堪らず飛びついたリーチェを、ムアは長い尻尾で覆う。
「うわぁっ! ムア凄い!」
ムアの真っ白な毛に包まれて見えなくなったリーチェがはしゃいでいる声を聴きながら、ルマネアは顎に手を当てていた。
「こんな魔獣見た事無いわね。
長命の存在は人に化けるなんて話は聞いた事があるけれど、こんなふうに大きさが変わる魔獣は初めて見たわ」
「やっぱり珍しいんだ。 国軍の奴らに目をつけられないように、ゲルに来てから小さくなって貰ってたんだよ」
「あたしはダンジョンの中で見せてもらったけどな!
でもルマネアまで知らないとなると、『ガラパス大陸』の魔獣なのか?」
『ガラパス大陸』の事なら、ライデンから少しだけ聞いた事がある。
自分の今いるトラモント王国や帝国、そして神々の国など人類安栄の地である『アネシリーフ大陸』とは異なり、魔境の地であると聞く大陸だ。
遙か昔ライデンがまだ若かった頃、当時あった国が遠征艇でガラパス大陸の居住地確保に乗り出した作戦があったらしい。
ディカが話しかけたのは、先程から気になっていた絶対強いと分かるおっさんだ。
白髪をオールバックで撫で付けている黒人の彼は、姿勢や肩幅から察して相当強いのだろう。
ディカがいるせいでパッとしないが、この男も人間の中じゃそこそこ大柄だ。
「いやぁ、私は本土出身だけど、こんな魔獣は見た事が無いなぁ」
「本土?」
本土とはどう言うことだろうか。
首を捻る俺に、彼はうっかりしていたと額を叩いた。
「失礼、自己紹介がまだだったね。
私はスターニー。 元、帝国騎士だ。
とは言っても、もう10年近く前になるけどね」
スター二ーに続いて、ラートも口を開く。
「昔、俺とスターニーは帝国から亡命して来たんだ。
ガラパス大陸は帝国の本土でな、俺とスターニーは元々そっち出身なんだよ」
まさか2人も帝国出身だったとは、驚きである。
そして同時に、ふと思い出す。
これまで聞いた帝国の噂はどれも恐怖や嫌悪が滲んでいた。
だからディカは『気にするな』とあらかじめ言ったのだろう。
でも気を付けろと言われても、ぬるま湯に浸かった日本人の俺は、良くも悪くも差別への理解も経験も無いんだよなぁ。
「大陸が違うと住んでる魔獣の種類も違うの?」
なのでそもそも危なそうな話題には触れずに行く作戦だ。
魔獣の話なら、話の流れ的にも不自然ではあるまい。
「そりゃそうさ。
ガラパス大陸の方は魔獣もデカくて強ぇのが多いな」
「そのせいでガラパス大陸の開拓に見切りをつけ、アネシリーフ大陸を制圧しようとした歴史があるんだよ」
「へぇ。 俺そこら辺の知識浅いから、その手の話聞くのは面白いな」
帝国出身の2人から歴史の授業を受けながら、肉を頬張る。
それからしばらくは、ムアと戯れるリーチェを眺めつつ、食後の腹を休める穏やかな時間が過ぎるのであった。
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食事の片付けを終えた頃、ディカが丸太を担いでやって来た。
「どうよ、美味かっただろ」
「美味かったよ、ごちそうさん。
……気のいい人達だったね」
何となく、ディカが求めている感想を察して付け足す。
「フン」
鼻を鳴らしたディカに、頭をワシワシ撫でられる。
ディカには気遣いはお見通しだったらしい。
でも別に嘘って訳では無い。
この世界では、日本と違って死に繋がるものは様々だ。
強盗、殺傷、詐欺や病気、場合によっては土地ごとの生活習慣の違いによる喧嘩なんかもそうだ。
誰もが警戒し合い、騙されまいと身を固め合っている。
そんな異世界でディカや赤脈旅団との繋がりは、宝と言うべきに等しいものなのだ。
「お前は能天気そうな雰囲気を出していながら、妙に擦れてるから心配だったんだ。 大人数は苦手なんじゃ無いかと思ってな」
ガサツそうな見た目とは裏腹に、人のことをしっかりと見ている。
旅団の長に相応しい器に惹かれそうになる感覚を、頭を振って振り払う。
「確かに苦手だよ。 でも今日はそんな事は気にならないくらいに楽しかった。 改めて、お招きいただきありがとう」
「どういたしまして。 んじゃ、明日のダンジョン遅れんなよ!」
「了解した。 明日はモーニングコールは無しで頼むぞ」
ディカは担いでいた丸太を手で割いて薪にしながら豪快に笑う。
おかしいな、薪って普通は斧とかで切るはずなんだけど、さけるチーズみたいにちぎられているのは目の錯覚かな?
こんな調子で割かれてはたまったもんじゃないと、昨日より太いツタを生やして絡ませる。
「おぉー、すげぇな。 これもお前の固有能力なのか。 中はどうなってんだ?」
「今作るよ」
昨日と同じようにシロツメクサ似の緩衝材を敷き詰め、光球を浮かばせて薄い葉を重ねて灯りを散らす。
「ほい、こんな感じ」
「すげぇな!? めっちゃ快適な空間じゃねぇーか!」
ディカはフカフカの床を確かめもせず、なんと顔から突っ込んだ。
「クッション性を少しは疑えよ」
1晩寝潰しても煎餅布団にならないような厚みにはしてあるが、まさか臆さず突っ込むとは思わなんだ。
そんな俺の心配は知らず、ディカはゴロンと仰向けになる。
「こりゃいいな! 今夜の寝床はここに決めたぞ」
体がデカすぎて足が壁のツタに当たっているからやめた方がいいと思う。
「ここじゃ狭いでしょ。 簡単に作れるからもう一回りでかいの作るよ」
「いいのか?」
「なら私のもお願いしていいかしら」
背後からの声に振り返ると、ルマネアとリーチェが来ていた。
「構わんよ」
いっその事と、複数人入れる大きなツタのテントを2つ作り後は放置だ。
しかし、寝る直前になって問題が発生する。
リーチェがムアと寝たいと言い出したのだ。
しかもムアは乗り気な様子で、結局俺は1人で寝る事になってしまった。
1人テントに寝っ転がり、落ち着かずに何度も寝返りをうつ。
良かれと彼らのテントを大きく作りすぎたせいで、ムアが巨体のまま入れるくらいのスペースが出来てしまったのが原因だろうか。
一応、女性用と男性用で2つ作ったのだが、今はディカらが眠るテントでムアとリーチェはぐっすりなのだろう。
思えば、異世界に来てから1人で寝るのは初めてだ。
初日にぶっ倒れてる時もムアはそばに居てくれたし、森を出てから何をするにも一緒だった。
クラスメイトとはぐれ、ライデンに拾われはしたものの全てが未知の状況で、ムアはずっと俺の側で一緒に世界を見てくれていた。
存在そのものが俺の精神を安定させていた事は、紛れもない事実だろう。
1晩離れるだけでここまで不安になるとは想像もつかなかった。
代わりになどなりはしないが、太く伸ばしたツタを抱きしめて転がる。
体感でもう5時間は経っている気がするので、寝静まった彼女らからこっそりムアだけかっさらう事は出来ないだろうか。
………出来ないだろうなぁ。
ディカ達に夜這いと勘違いされれば、一瞬でボコボコにされるだろう。
ディカだけで無くルマネアからも相当な強さを感じたので俺の勝算は低いだろうし、信頼を失う事も天秤にかければ……
「今夜は我慢するしか無いのかぁ……」
ダンジョン前夜は、あまり眠れぬ夜となったのだった。




