夢
今回は夢回です。始めが小夜の夢で、最後が朋美の夢です。
小夜の夢______
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どこだろう。真っ暗。
痛みは……ない。だけど、寒い。
肌に感じる寒さなんかじゃない、もっと鋭い。
「あ、あーー、返事なし」
どうしようか。まあ歩けば誰かいるでしょう。
「うっうわっ、なに!?」
突然光が出、広がった。まぶしい。
目を開けるとそこには、
「お母さん!お父さん!どうしてここに?」
「どうしてってここは家じゃないか」
「え?……そうだっけ。ほかの場所にいた気がする。もう二度とお母さんたちに会えないような。」
「何言ってんの、ご飯にするよ。」
そうか。もとから家に居たんだ。
うん、そうだ。ご飯食べよう。
「お母さん、あの……どうしたの?」
「小夜がいなくなったって!」
「なんだと!?探しに行かないと!」
「まって、私はここにいるよ!何してるの!見えないの?」
私はそこにはいないの?じゃあどこに……
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朋美の夢______
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真っ白なところ、どこ?
手足の感覚がない。おなかも痛くもない。死んじゃった?
じゃあここは天国かなあ。
ドラゴン食べたのがやっぱいけなかった?
人が立ってる。
「もしもし。ここはどこですか?…!」
声をかけた瞬間景色が変わった。
ここは……公園だ。しかもよくお母さんと行ってた公園。
記憶?私の記憶。この世界は私の記憶だ。
「他のも見たい……え?どうしてなくなっていくの?」
割れて消えてゆく。記憶が。思い出が。
「まって、まだ見てたい。消えないでほしい。まって」
暗くなった。