ドラゴンのお肉
もう五分くらいも走ってる。でもね
まだあいつ追いかけてくるの。鬱陶しい。
「はあ……はあ……走ってばっか」
「喋らないの、息切れるよ」
「朋美はいいよね。これくらい毎日走ってたんでしょ」
朋美はね、陸上部に入っているんだよ。しかも長距離走で県大会2位も取ったことあるんだよ。
私はね……聞かないで。うん。そんなに走ってなかったから、もう死ぬ。
「あ、」
私たちはこけた。根っこに引っかかて勢いよく。だけど運よくぶつかって止まった。
「うう、なんだこれ」げしげし ふにふにゴツゴツ
ああ、ドラコンだ。
あ、でもあのビッグウサギは近づいてこなかった。
「助かったけど終わったね」
ビッグウサギはどっか行ったけど、こんだけぶつかって起きないわけないし。
「小夜、これ死んでるよ。動かないし、息もしてない」
「でも、息しないだけじゃない……あ死んでるね」
助かった。ドラゴンがあれば危険な生き物も近づいてこない。生きれる(確信)。
「でもごはんないよ。」
「……そうだね……おなか減った」
言われたらおなかがすいてきた。ああぁ。
……ごはん……ごはん。ドラゴンはお肉……
「ダメだよ、小夜!?おなか壊すよ!!」
おなかのところをあ~ん ガブリ。おいしい!!
「おいしいよ!朋美も食べたら?」
「そ、そう?それじゃあ」ガブリ「おいしい!」むしゃむしゃもぐもぐごっくん
ふう…食べた食べた。