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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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糠壁市奇譚

終着駅

作者: 桜桃露雨

 糠壁市を舞台にするホラーの第2段っぽい?


 関東の郊外にある都市の糠壁市、かつて鉱山としてそこそこの規模で栄え。今は週末のキャンプに人がちらほら訪れる糠壁湖。糠壁駅から新市街を抜け、郊外に向かう支線がある。

 廃坑は茸やアスパラガス栽培に利用され市の特産品となっている。


 糠壁大学イベント研究会のメンバーが、アルバイトとして村おこしの企画に応募するため現地調査をしようと訪れたのは終着駅である糠壁湖駅から徒歩60分の所にある糠壁きのこセンターだ。

 残念ながら宿泊できる設備はなく駅から逆方向に向かう市営キャンプ場にテントを張るか市街地から通う必要がある。

 子供のころから無鉄砲でやんちゃなことばかりしていたメンバーがごねまくって許可を取り駅前に近い広場という空き地にテントを張る。

 かつて鉱山病と言われた塵肺患者を治療していた診療所があった場所でなぜか火事が起きたり不幸が起きて今は更地にして放置されている場所だ。


 そう言えば、江戸時代に糠壁藩藩主の蘇芳義友(すおうよしとも)という殿様が山師に鉱山探しを命じたが奇病を患い気の病で没したって伝説があったような?

 何かオカルト的な伝説があるんだろうか?戦国時代には蘇芳家と対立していた、梶蝋之成(かじろうこれなり)という領主が治めてた土地らしいし…鎧武者の幽霊とかが出たりして。


 何事もなく朝を迎え、残念な気持ちとほっとした気分を行き来しつつ朝食の準備をしていると女子のテントがいつまでも静かなことに気が付いた。

 20歳前後の女子が数人集まっているのに静かなことが腑に落ちない。女子の寝起きを除きに行くことに躊躇を覚えつつ出てくるのを待っていた。


 そういえば、男のメンツも周りにいない気がする。駅はどうなっているんだ?始発は5時過ぎもう日が昇り切ったこの時間なら列車が動いているはず。

 駅に向かう足取りは重く、徒歩5分の距離のはずがいつまでもたどり着かない。駅の入り口って分厚い木の扉でふさがれているものなのか?扉の上に見晴らし台があって人が見はっているのも普通なのか?


 目に入る景色が理解できず、動けなくなった私の足を誰かがつかんでいる…なんだ?何が起きているんだ!


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 アルバイト2日目の夜明けが間もなく来る。いつも早起きで誰より早く身づくろいを終えているリーダーの蘇芳薫(すおうかおる)が起きてこない。

 女子なのに、口調は男っぽいリーダー気質なのは江戸時代の殿様の子孫だからだろうか?元蘇芳子爵だった曽祖父によく似た気質を一族に愛されていた姫君。


 このサークルも、須藤薫という人物に憧れた連中がでっち上げたサークルだ。


 女子テントを恐る恐る除くと、鋭利な刃物で首を落とされた女性の遺体が残されていた…首は警察の捜査が1っ週間続いたにもかかわらず発見されていない。なぜか血痕は残っていなかった。

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