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貫(つらぬく)  作者: 浮世離れ
第一章
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星波太陽③

一難去ってまた一難。


(大地はようやく息を吹き返してくれた、、のだろう。月にも微笑ながら本当の笑顔が見れた、、としておこう。)


勝手だが兄妹に少しでも元気が戻ってきたのなら本望だ。

俺は長男らしく今後のことを考える。

大学など親父に説得されて行くことに決めた訳だ。


なにか明確な目的があって大学へ行ったのでは無いのだから。


正直目的を持って大学生をやっている同級生たちに申し訳なさで憂鬱になっていたところだ。

中退して就職して死ぬ気で働けば貧乏だろうがなんだろうが二人を養うことぐらいできる。

俺ももうすぐ20歳になる。

大人の仲間入りだし、説得できるかもしれない。


(しかし、、難関は、、)


たとえ親戚一同をどうにかすることができても、問題は大地だろう。

大地は現実的な考えをもった人間だ。

その場の勢いなんかで振り回されるようなことはない。

多少でも現実味を帯びる事をクリアすることが出来なければ承認を得ることは出来ないだろう。


(でもなぜか親父の言うことは素直に聞いていたなぁ、、)


俺は思い出す。

親父の意見がとてもしっかりしていたからかもしれないのだが。

今思うと大地はああ見えて親父っ子だった気がする。


(大地は親父にとても懐いていたよなぁ、、)


だからこそ、ここまで落ち込む大地を見たことがない。

俺や月だってショックを受けている。

けれど忙しい親父を捕まえては俺や月は言いたい放題言ってきたものだ。

それに比べて大地はいつしか何も語ることなく、黙ってその滑稽なやりとりを見てきた。

それは大地が親父や俺たちに遠慮していたのではないか。

そう思える。


(本当に馬鹿だなぁ俺は、、)


そう決まったわけではないがまた自分のせいにしては後悔する。


(親父も何があったのか知らないがせめて遺書くらい書いて気持ちを伝えてくれれば良かったのに。これじゃ何に怒りや悲しみをぶつければ良いかわからないじゃないか。)


俺は故人を恨んだ。


「太陽お兄ちゃん、大地お兄ちゃん遅いね。」


月が小声で俺に話しかけてきた。

はっ!と我に返る。


いや、大地ならば立ち直ってくれるだろう。

息を吹き返してくれたのだからと勝手に安堵していたが今はやっぱり大地のいや二人の傍にいなくてはいけない。

親父が成し遂げられなかったこと。

そして今これから、俺ができることだ。


(どこに行った大地は!?)


目でキョロキョロと辺りを伺っていると心配をよそに大地は戻ってきた。


俺がこんなに浮ついた状態でどうするのだ。

俺は俺らしく俺道を。


来る時間に向けて気合を入れる。

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