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貫(つらぬく)  作者: 浮世離れ
第一章
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星波太陽②

葬式での話だ。

俺は親父が普段の人となりを見ているときっと人徳の高い人なんだと感じていた。

それはなかなか推し量ることの出来ない数値。


(きっと自分の評価など二の次三の次のような人だから、、本人が知りたがっていたとは到底思えないが、、)


残念なことにその数値はもう本人が知る事も出来ず、俺ら兄妹だけが目の当たりにし理解してしまう。

葬式の会場にはたくさんの人が献花に訪れ、焼香をされ、参列していた。

そして皆、故人の事を話しながら涙している。

それは病院関係者に留まらず、友人、教え子、患者さんなど数多多くの人達だった。


(親父はこんなにも多くの人達から慕われていたのだな、、)


葬式が始まる前には親父の職場の上司の方々や友人の方々から今後事を心配され、いくつかの情けや協力、提案などをされた。

もちろんそこまで面倒を見てもらうわけにはいかないので丁重に断る。

いや正直その道も一つの方法だったのかもしれないが親戚にも兄妹にも相談はしなかった。

今思えば俺の変なプライドが邪魔をしたのだと思う。


(親父は職場に恵まれたなぁ、、)


俺も将来はこんな職場で働きたいと思うほどだった。


「俺も医者になれる頭を持っていたなぁ・・」


葬式会場の自分の席へ戻るやいなやそんなことをつい口走ってしまう。


大地は何の反応もせず、反応したのは月。

キョトンとした目で俺を見る。

そして、クスッ、、と笑う。


(ちぇっ、、どうせ無理なのぐらいわかっていますよ。)


笑わなくとも身の程は知っていると抵抗したかった。

言えば言うほど墓穴を掘るのだが。


(本命はというと、、表情一つ変えずに微動だにしない、、)


いまいち反応を見せてくれない大地。

狙って言ったわけではないが、落ち込みを隠し切れない大地の空気を冗談の一つでも言って少しでも軽くしてやりたかった。


(釣りたい魚が釣れないとはこんなに残念なものか。)


釣りをしたことはないのでわからないが何となく本命が釣れず、逆に外道が釣れてしまう様な気分になる。


(あっ、、今、実の妹を外道などと例えてしまった。)


反省していると急に大地が何か呟き立ち上がった。


「大地、大丈夫か?ずっと暗い表情だったし心配していたんだよ。」


俺はつい大地の言い放った言葉を聞き逃したことに後悔し眉を細めてしまったが、すぐに嬉しくなり表情が和らぐ。

やっと大地が反応を見せてくれた。

しかし過剰なまでの心配のし過ぎと、勝手な自分の決意と比例した俺の不安顔は隠し通すことができていないみたいだ。

大地は心配するならまずは自分の事を心配しろと言わんばかりの目になっている。


(まだまだ精進が足りないなぁ、、)

想い伏せ大地の姿を目から離した隙に、大地はスタスタと会場の外へ行ってしまった。

やはり本命はなかなか釣らせてもらえないものだ。


(まぁ月が笑ったからいいか、、)


そう治めることにした。

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