星波太陽⑥
「兄さん、俺はね。片時も父さんの事を忘れたことはない。そして未だに裏返ったままの真実も。」
「大地、まだ親父の事を・・。」
「兄さん、加害者をちゃんと裁けるのは被害者だ。そして被害者を想う被害者だよ。」
「大地、一体何をする気なんだ・・」
「兄さん、俺には知力、行動力、人脈はあるが今は学生の身分だし財力が足りない。俺に借金をしてでも投資をしてほしい。」
「投資って・・。大地・・。」
「近い将来すべて返すことを約束する。兄さん、俺に協力してほしい。」
「犯罪者になる・・訳じゃないよな、大地?」
「犯罪者?俺は故意に法を犯す事はしない。目的は真実に対する加害者への等価交換だよ。兄さん。」
「故意にって・・しかし大地、その羽衣さんっていう女子はどうするんだ、巻き込むのか?」
「巻き込むつもりなどない。必要なタイミングで言うさ。それに、兄さん。兄さんが危惧している婚約意思の有無なんて俺の内では、はっきりしていないのさ。まだ、知り合って1か月もしていないのだから。そこについては伝えている。」
「そうか。じゃあ、やっぱり婚約の件はその羽衣さんって言う女性が一方的に話を進めてきたって訳か。余程、大地に気があるんだなぁ。」
「他人の感情など計れる物差しは俺にはない。自分の感情に目処が着くのなら再度話し合うさ。
これでも人間なんだから人が信頼や情、愛で繋がれることぐらい理解できているよ、兄さん。
悪くはしない。」
「落ち着いているなぁ。大地は。婚約なんて言われたら俺、舞い上がっちゃって口角上がりっぱなしでベラベラ饒舌に自慢話をしちゃうよ。」
「感情は時に必要なものさ。その刺激やギャップは時に良い方向へ進む場合がある。今度、時間をもらえるなら機会を設けて会わせるよ、兄さん。」
「そうしてくれ。今の俺にはそれぐらいしか大地にしてやれることがない。月が泣くなぁ・・あ!投資の件も任せておけ。兄貴が一肌も二肌も脱いでやるよ。」
「ありがとう兄さん。それじゃあ早速だけど二肌目も脱いでもらっていいかな。本題はこれだから。」
「??・・言ってみな、大地。」
「あぁ、兄さん・・」
俺は、この時とうとう兄弟にしてやれることへの気持ちに満足がいくことが出来た。
(大地、、お前の為ならば、、俺は何でもしてやるぞ!)




