星波月⑤
大地兄さんにエスコートされて向かった先は大人気のお洒落なレストラン。
お店に到着すると、そこは長蛇の列のお客さんが並んでいた。
私も知っている位有名なお店。
それも日曜日。
(あぁー1時間位は並ぶかな。)
私は別に良いのだけれどと、思っていた矢先、大地兄さんはスタスタと入口の中へ入ってしまう。
「予約した当摩です。3人の予約が1人都合が悪くなって、2人なんですが良いですか。」
お店の人は笑顔で了承してくれた。
「月、入ろう。」
(流石、大地兄さん。素敵すぎる。)
私たちは案内された席へ座り、お互いメニューを頼み会話をしながら食事をする。
この一時が幸せすぎて、心地よすぎて内容をあまり覚えていない。
「月、パーティーって参加した事ある?」
食事を終え、食後の飲み物を飲んでいる時にふと聞かれる。
「パーティーかぁ。どの位の規模の事かな?私は友達同士でハロウィンパーティーとかクリスマスパーティーとかしたことあるけれど。勿論女の子同士でね。」
しっかり男性の気配など切っておく。
事実だし。
「そうか。友達同士だよね、大体。」
(!?)
とても気になる。
いや、聞かない訳にはいけない。
「大地兄さん、何かあったの?パーティーに参加って・・どうしたの?」
「うん。僕はパーティーって言う類は参加したことが無いんだけれど、今度、そのホームパーティーに参加することになってね。」
(パーティーに参加する!?パーティー=社交場=出会い=????)
私の頭の中でネガティブな暴走だけが物凄い速さで駆け巡る。
私が参加したときはとても楽しかった。
可愛い服や仮装をしたり、美味しいものを食べたり、お喋りをしたり、何故こんな時は楽しかった、面白かったに行きつかないのだろう。
「参加するにあたって当日の服装など知りたくてね。ん?・・月?」
早く真相を聞きたくて。
早く詳細を知りたくて。
(もう我慢できない。)
「それってなんの集まり!?誰に誘われたの!?誰が来るの!?」
それでも出来る限り公共の場なので声のトーンを落として質問をする。
「あ・・あぁ、あまり親しくないクラスメイトから。主催や主催の親の知人や友人、その家族も参加するホームパーティーらしいのだけれど。クラス変更も伴う季節だから親睦会ってところじゃないかな。」
(そこじゃない!!誘われたのは男子!?それとも、、女子!?って興奮し過ぎて聞くのを忘れてしまった。)
私はグッと拳を強く握る。
「・・親しくないクラスメイトって・・女子から?」
「そうだよ。」
(うぅ、、頑張れ私。)
分かってはいる。
共学の学校なんだから男子もいれば女子だっている。
友人同士学校以外で会うことだってある。
集まりがあったりすることだってある。
(でも、、)
でも大地兄さんは親しくないって言っている。
クラス変更の為の親睦会だって言っている。
(うぅ、、人の気持ちを知らないで、、)
でも大地兄さんは悪くはない。
沢山の想いが勝手に絡まる。
表情が暗くなってしまう。
「変な事を聞いたね。ごめん、月。そろそろ出ようか。」
はっ!と私は我に返る。
たかだか学校の集まりじゃない。
大勢の人が参加する集まりじゃない。
大地兄さんは気にすることなく、私に隠すことなく相談してくれたじゃない。
どうして大地兄さんを信じることが出来なかったのだろう。
勝手に気分を悪くしたんだろう。
私は泣き出しそうだった目を擦り、笑顔で頷く。
大地兄さんも笑顔で答えてくれる。
席を立ち、何も言わずに会計を済ませている大地兄さんの横顔をジッと見つめる。
(大地兄さん、、私も学校のクラス全員のクリスマスパーティーに参加したことがあります。男の子もいたよ。だけど男の子がいたパーティーは一度だけ。でも本当に何もなかったよ。自分を棚に上げて気を悪くするような態度をとってごめんね。やっぱり私は彼方が好きです。勝手に好意を持ってごめんね。兄妹なのに嫉妬をしてごめんね。でも、、例え彼方が、、他の誰かを好きになっても、私の心は変われません。他の誰かよりも彼方を守りたい。他の誰かと同じように彼方に甘えたい、、駄目な妹でごめんね。)




